ビバークの方法

緊急事態発生!その日に帰れない時どうする?絶対に知っておきたい「ビバーク」の方法

2022/11/28 更新

バテて予定よりかなり遅れた、仲間が怪我をした、天候が急変した、道に迷った…その日のうちに下山できなかったり目的地につけない可能性が山では常にあります。夜の行動はリスクが高いので、そんなときは山の中でなんとかして一夜を越さないといけません。それがビバークです。でも果たして、いざという時それができるでしょうか。ビバークとは?という知識から準備・方法まで、どのようにしたらよいか、一緒に見ていきましょう。

目次

ビバークってどういうこと?

暗い山中

撮影:筆者

計画した目的地の山小屋や下山口にその日のうちに辿り着けなくなってしまい、やむを得ず有り物の装備だけで山中で一夜を越すことを「ビバーク」といいます。
バテて予定よりかなり遅れた、仲間が怪我をした、天候が急変した、道に迷った…そんなことで計画は簡単に狂ってしまいます。
今までにビバークしたことがないとしても、それは単に運が良かっただけと言えるでしょう。

やり方を知らずにいきなり本番になって途方に暮れる前に、いつそうなっても落ち着いて対応できるように、しっかり知識を身につけて準備しておきましょう。

ビバークするのか、歩き続けるのか?その判断のポイントは?

考える筆者

撮影:筆者

ビバークするのか、それともなんとか目的地をそのまま目指すのか。初めてだとまずその判断で悩むと思います。

暗い中歩くのも慣れていて、何度も歩いたことのある道で、パーティのみんな体力に余裕がある。しかも天気が荒れる心配もない、ということならば、ビバークせずに目的地を目指すのも否定される選択肢ではありません。
しかし、いずれかでも不安があれば、暗くなるより前に余裕を持ってビバークを決断しましょう。

安全に夜を越せる場所を探し、シェルターを作り、お湯や非常食を用意して、有り物を最大限に活用して寝られる体勢を整えるにはけっこう時間がかかります。
これらを暗くなるまでにこなすことが大切です。

ビバークするために必要な装備

まずはビバークする上で欠かせない装備を確認しておきましょう。
言い換えれば、「結果的に使わなくても、普段からこれくらいの装備は持っていないと万が一の時に対応できない」ということです。
必要な装備

撮影:筆者
1これがないと生きていけません。重荷にならない程度に必ず余分を持ちましょう。
2非常食いざという時に力を出すために欠かせません。たいてい毎回持ち帰ることになりますが、定期的に更新しましょう。下山したら美味しく食べられるようなものを毎回作るのも◎。
3

火器

(ストーブ、バーナー)

火で暖をとれる、お湯を作れるだけで安心感が格段に増します。小さいものでよいのでいつも持っておきましょう。着火器は天候や高度によってつかないことがあるので火種も必ず持ちましょう。
4

燃料

燃料を忘れることは意外とあるので注意しましょう。火器を省略して固形燃料程度でも大いに役立ちます。
5コッヘル(クッカー)水を沸かすのに必要です。
6火種ライターやファイアスタータや耐水マッチなど。ライターはフリント式(ヤスリのついたダイヤルを手で回して火をつけるもの)なら、悪天候時や高所でもつかない心配がありません。
7ナイフ何かと役に立ちます。刃物がなくて困ることは意外と多いです。折りたたみ式でよいです。
8細引き(ロープ)ロープの太さや長さは行く山や状況によりますが、いずれにしても持っておいて損はないものです。写真のものはΦ6mm*20m。
9ヘッドランプわざわざ言わずとも日帰りでも持っていることとは思いますが念のため。
10着替え雨や汗で濡れた服をそのままにしておくとどんどん体温を奪われていってしまいます。面倒がらずに着替えましょう。使わなかったときには下山口の温泉の着替えに。(写真省略)
11防寒着その時期に夜をなんとか越せる防寒着を持ちましょう。いわゆるサバイバルシート も重宝します。(写真の番号はサバイバルシート)
12ツェルト登山用の簡易テントです。雨や風がなくても、あるとないとでは保温性に大きな差が出ます。
付属の張り綱だけでは使い勝手が悪いので、Φ3mm*1.5mくらいの細引きをあらかじめ各ループに取り付けておくとよいです。

※易しい日帰りの山などの場合には、湯を沸かす一式は持たずに魔法瓶にお湯を入れて持っておくことで代えてもいいでしょう。
※これらに加えて焚き付けがあれば、樹林帯ならばほぼ確実に焚き火ができますし(着火剤があればなおよし)、ろうそくがあれば焚き火がなくても安心感が増すことでしょう。
※樹脂やガラスなどの耐熱容器があれば、熱湯を入れて湯たんぽを作れます。

ビバークに適した場所

東屋

撮影:筆者(こんな東屋があればビバーク場所はすぐに決まるのだが…)

実際にビバークしなければならないとなれば、ただでさえ心細いでしょう。言わずもがなですが、安全で快適な場所を探しましょう。

安全性

石が落ちてくる、川が増水したら流される、倒木が倒れてくる、崖が崩れる、雪崩れるなど、山には色々な危険要素(ハザード)があります。それらができるだけないところを選びましょう。

快適性

雨風が和らぐ樹林帯、風を避けられる風下側、水に困らない湧き水や沢の近く、雨風をしのげる岩小屋など、少しでも条件の良い場所を探しましょう。

ツェルトを使った基本のビバークシェルター

雨風を避けつつできるだけ暖かく一夜を過ごすために欠かせないのが「ツェルト(ツェルトザック)」。簡単に言ってしまえば簡易テントです。膝を抱えて入るスペースだけの非常時専用のモデル、一枚の布として広げられてタープのように使えるモデル、大きさもいろいろあります。非常時にしか使わないのか、それともテントの代わりに軽量化の手段として積極的に使うのか、使う状況を考えて選びましょう。
使い方も語り出せばきりがないので詳しくは別の記事に譲るとして、ここでは主な方法を紹介します。

ツェルトについての基本はコチラの記事を確認

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