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登山のために作られたモンベル「トレッキングアンブレラ」が使いやすい!

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1988年に開発された、軽さと高い耐久性を併せ持つ折りたたみ傘の「トレッキングアンブレラ」。改良を重ねながら進化し続けてきたロングセラーモデルです。モンベルの長年培ってきた技術と経験を活かし、細やかな工夫で作られた傘は「使いやすい」と評判です。
使いやすさの秘密その①撥水性はもちろん、乾きやすくたたみやすい生地

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雨水をコロコロとボール状に弾く高い撥水性があり、カラリと乾く撥水加工された生地を採用。湿るとしんなりしてしまいがちですが、ハリのある生地感を保ち、たたみやすくなっているのが嬉しいポイントです。
使いやすさの秘密その②丈夫で軽い骨組み

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カーボン繊維強化樹脂の骨を8本使用し、軽量性と高い強度を実現しています。骨は軽いながらも1本1本がしっかり。骨どうしが重なりにくいので、折りたたみやすさに一役買っています。
使いやすさの秘密その③便利でスリムな収納とお役立ちのループ

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1本ずつポキポキと開閉するタイプで多少の手間はかかるものの、そのぶん無駄なパーツがなく非常にスリム。雨で濡れた面が内側に入る「逆折れ式」の折りたたみで水滴が床に落ちにくく、持ち歩きやすい仕様です。
付属の収納袋に入れても全長が26~29cmと、750mlの水筒と同じくらいのサイズ。バックパックのサイドにも入れられるコンパクトさです。

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先端には実用的なループが付いています(※商品タグ付け用の紐ではないのでハサミで切らないように注意!)。閉じたときに手で持ったり、フックに引っ掛けて乾かしたりと、小さな工夫ですが大きな効果をもたらしています。
使いやすさの秘密その④修理可能で長く使える

提供:mont-bell 作成:筆者
折れた骨の交換や生地の張り替え、糸切れなど……モンベルではほぼすべてのパーツの修理・交換が可能です。全国の店舗で修理・受け取りができるので、山の帰りにA店で預け、修理完了したら自宅近くのB店で受け取る、ということも◎。手厚いサービスが嬉しい限りです。
※傘の状態によっては修理ができない場合があるので、事前に必ずモンベルのHPを確認してください。
「トレッキングアンブレラ」全5モデルをチェック
「トレッキングアンブレラ」と名の付く全5モデルが登山におすすめです。それぞれの特徴をまとめたのがこちら。
モデル名 | 商品画像 | 特徴 |
---|---|---|
トレッキングアンブレラ 50 | ![]() | 登山やトレッキングに適したスタンダードなロングセラーモデル (骨長:50cm、使用時の直径:86.5cm) |
トレッキングアンブレラ 55 | ![]() | 登山やトレッキングに適したスタンダードなロングセラーモデル (骨長:55cm、使用時の直径:95cm) |
トレッキングアンブレラ 60 | ![]() | 登山やトレッキングに適したスタンダードなロングセラーモデル (骨長:60cm、使用時の直径:103cm) |
ロングテイル トレッキングアンブレラ | ![]() | バックパックまで覆う、背中側の生地が長いモデル |
リフレック トレッキングアンブレラ 55 | ![]() | 光を反射するリフレックインクをプリントした、夜でも高い視認性があるモデル |
基本的な仕様は同じですが、サイズや機能が違うので自分に合ったモデルを見つけましょう。
この5モデルを含めた全ラインナップも要チェックです▼
登山にはこれ!スタンダードな「トレッキングアンブレラ 50、55、60」

撮影:筆者
まだトレッキングで傘が使われていなかった時代に、レインウェアだと蒸れるし公共交通機関でも迷惑になるし……という悩みから開発された「トレッキングアンブレラ」。1988年の誕生以来、改良を重ねながら進化し続けてきました。丈夫な8本骨、139~166gと片手でも持ち続けられる軽さを実現。雨の日の登山に大活躍してくれます。
これぞ山のために作られた傘!

撮影:筆者
実は筆者、「トレッキングアンブレラ」を長年愛用中。宿泊を伴う登山やロングな日帰り山行などに持っていきます。傘を持ち始めてからはありがたいことにがっつり雨に降られたことはなく、ちょっとした雨の中のテント場からトイレや山小屋への買い出しなどの移動に使用。サッと気軽に使え、簡単にたたんでテントの前室に置いても邪魔にならず、取り回しよく使えました。
丈夫、軽い、コンパクト、折りたたみやすいと必要な機能がすべて揃った1本です。
撮影:筆者
「トレッキングアンブレラ」は50、55、60と3サイズ展開。身長155cmの筆者は少しゆとりをもたせて55をチョイスしました。筆者よりも背の低い人やコンパクトに使いたい人は50、背の高い人や大きめのバックパックを使うときは60のサイズが良さそうです。
トレッキングアンブレラ 55
骨数 | 8本 |
---|---|
重量 | 153g |
直径 | 95cm |
骨長 | 55cm |
収納サイズ | 【折り畳み時】25cm 【傘袋収納寸】27cm |
カラー | ダークグレー、ネイビー、パープル、ターコイズ |
バックパックまで雨から守る「ロングテイル トレッキングアンブレラ」

撮影:筆者
背中側の生地が長い仕様の「ロングテイル トレッキングアンブレラ」。背負ったバックパックを濡れから守る画期的なモデルです。長時間雨の中を歩くことになりそうなら、こちらがおすすめ。
背中からバックパックまで気になるところをカバー

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雨の山行で起こる、バックパックと背中の間の水の浸み込み。レインカバーをしたバックパックとて、長時間雨に打たれれば雨水が浸み込んでくる場合があります。そのストレスを解消してくれる「ロングテイル トレッキングアンブレラ」はまさしく救世主。雨の登山のポイントを押さえて作られたのがよく分かります。
背中側の生地が長いことに伴い、傘骨もその分長く差があることに気付きます。従来の均等な骨の長さに慣れていると折りたたむときに若干の違和感がありますが、慣れてくれば気にならなくなりそうです。
光を反射して安全に「リフレック トレッキングアンブレラ」

撮影:筆者
模様が入っている部分に光を反射するリフレックインクをプリントした、夜でも高い視認性があるモデル。やや大きめの直径98cmの作りで、体やバックパックをすっぽり覆ってくれます。

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暗闇で車のライトなどが当たるとこのように模様が反射してくれるので、明け方や夜の暗い道を歩くときでも安心です。
選びたくなる安心感と可愛いデザイン

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登山では暗い中を歩くことは正直あまりないと思いますが、夜明け前に早出したときや、宿泊地での夜の移動に使うと抜群の安心感があります。「トレッキング」と名の付く他モデルに比べて大きく、172gと少し重めですが、和を感じる模様が可愛く、アクセントにもなるデザイン。見た目の良さでこちらを選ぶのもありです。
お供に連れていってほしい防水仕様のケース

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「トレッキングアンブレラ」には専用の収納袋が付属していますが、縫い目に防水処理を施した「アンブレラケース」もおすすめです。濡れた傘をバックパックに躊躇することなく入れられるので、ほかの荷物が濡れるのを防ぎます。モンベルの折りたたみ傘全部に使える嬉しい仕様です。
登山での使用は「時」と「場所」を選んで

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登山で便利に使える傘ですが、当然使い方によっては危険なものになってしまうことも。使用する際は状況に合わせて、レインウェアと傘を使い分けることが大事です!
傘使用が危険な時&場所
・強風時(稜線上や頂上など)
・雷発生時
・狭い登山道
・人が多い場所
・岩場や鎖場など、両手を空けておかなければ危険な場所
危ない場面ではレインウェアを着用し、安全な場所に移動してから傘を使うなど、周囲の状況に合わせて雨具を上手に使い分けましょう。
長く使うために……メンテナンスが大事!

撮影:筆者
丈夫で機能的なモンベルの傘。日頃のメンテナンスで良い状態を保ち、長く使っていきましょう。
簡単にできるメンテナンス方法
基本は濡れるたびに「しっかりと干す」!
雨水には不純物が含まれているので、濡れた状態のまま放置すると生地から臭いが発生することがあります。それを防ぐためにもしっかりと干すことが重要です。
骨や中棒の歪みをチェック
骨や中棒(柄)は使用を繰り返していくうちに、風を受けるなどによる歪みが生じてきます。たたむときにスムーズかどうかをチェックし、必要であれば潤滑剤などを塗布しましょう。それでもスムーズにならない場合は歪みが生じているので、修理でのパーツ交換を検討してみても。
撥水性能が落ちてきたと感じたら

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干して水分が残らないようにしても、一部の不純物は生地に残ってしまいます。これらが撥水性能を阻害する原因に。撥水性能が落ちてきた際には以下の方法を試してください。
・ドライヤーで生地全体に熱を加える
撥水性能は、熱を加えることで復活することがあります。
・洗剤をつけたスポンジで生地全体を洗い、汚れを落としてから撥水スプレーを塗布する
生地に残っている不純物を洗い流してから撥水スプレーを塗布。こちらも撥水スプレーが乾いた後にドライヤーを当てると効果的です。
※生地に入り込んだ不純物は洗っても取り切れないことがあり、それらの成分と反応して撥水スプレーが乾いた際に生地が白くなることがあります。この白いムラはドライヤーをしっかりと当てることで目立たなくすることができます。
・生地自体を交換
生地全体を交換することで生地を新品の状態に戻すことが可能です。
出典:mont-bell
おすすめのメンテナンスグッズ
モデルチェンジしてパワーアップしたところとは?
モデルチェンジしたての「トレッキングアンブレラ」と「ロングテイル トレッキングアンブレラ」(※2023年現在)。旧モデルとどこが変わったのか比べてみました。
モデル | 生地 | 骨の素材 | 重量 |
---|---|---|---|
トレッキングアンブレラ(旧) | 20デニール・ポリエステル・リップストップ | カーボン | 150g |
トレッキングアンブレラ 55(新) | 20デニール・ポリエステル | カーボン繊維強化樹脂 | 153g |
トレッキングアンブレラ L(旧) | 20デニール・ポリエステル・リップストップ | カーボン | 170g |
トレッキングアンブレラ 60(新) | 20デニール・ポリエステル | カーボン繊維強化樹脂 | 166g |
U.L.トレッキングアンブレラ(旧) | 10デニール・バリスティック®エアライトナイロン | カーボン | 123g |
トレッキングアンブレラ 50(新) | 20デニール・ポリエステル | カーボン繊維強化樹脂 | 139g |
ロングテイル トレッキングアンブレラ(旧) | 7デニール・バリスティック®エアライトナイロン | カーボン | 140g |
ロングテイル トレッキングアンブレラ(新) | 20デニール・ポリエステル | カーボン繊維強化樹脂 | 152g |
生地は格子状のリップストップや薄いバリスティック®エアライトナイロンから変更して、サラッとしなやかなポリエステルに。適度なハリがあり開閉しやすくなりました。
骨の素材は旧モデルに比べて新モデルは1本1本がしっかりとしていて、生地と同じく開閉しやすい印象。
重量は新モデルが重くなったり軽くなったりとまちまちですが、持った感覚はさほど変わらず。開閉や収納のしやすさのおかげで使いやすさがアップしたのが嬉しいポイントでした。
また撥水加工は環境負荷の少ない非フッ素系の撥水剤(PFCフリー)を新たに採用。地球にやさしく安心して使えます。
ぴったりの1本を見つけて雨の日の登山を快適に

撮影:筆者
登山での使いやすさを凝縮して作られたモンベルの「トレッキングアンブレラ」。雨予報の天気でも「出かけてみよう!」となるのではないでしょうか。しっとりとした山は、晴れの日とはまた違った生命力あふれる姿を見せてくれます。頼りになる傘を準備して雨の日の山歩きを楽しみましょう。
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