鍛冶屋からピッケル作りへ。200年以上の歴史を誇る<GRIVEL>
イタリアの老舗ブランド「GRIVEL」は、1818年、モンブラン南麓の街クールマイユールにて創業されました。
創業者であるドミニク・グリベルは、元々は農耕器具を作る小さな村の鍛冶屋。そこから次第に登山家達の依頼を受けるようになり、クランポンやピッケルを制作する登山用品メーカーと発展して今に至ります。
<グリベル>のピッケルにはどんな種類があるの?
ピッケルは雪山で使用する、つるはし状の道具のことを指します。そもそも「ピッケル」はドイツ語であり、英語では「アックス」。メーカーや人によって呼称はさまざまです。
一般的には、日本においてはピッケルは「雪山歩行&クライミング用」、アックスは「完全にクライミング用」として呼ばれている傾向にあります。
ピッケル各部の名称
<グリベル>のピッケルは用途別に3ライン
そんな中で、グリベルのピッケルでは、用途別に3つのタイプがラインナップされています。
■スノーアックス
緩やかな低山などの歩行に適した、杖の機能として頻繁に使用することを考慮したタイプ。初心者にも扱いやすく、雪山デビューや初めての一本にピッタリな形状です。
■アイスアックス
岩場と雪面が入り混じったミックスルートに向いているモデル。スノーアックスで展開しているモデルと比較すると、シャフトが緩やかにカーブしており、急な斜面でも支持力を発揮します。
■エクストリームライン
主にアイスクライミング用に使用される、シャフトが鋭角なカーブを描いているタイプ。急勾配の氷面に刺さりやすい一方、杖としての機能は果たしにくいので、歩行頻度の多い登山には不向きです。
シャフトの形状は3種類
グリベルのピッケルのシャフト形状は、大きく分けて3つです。
■ストレート シャフト
低山や傾斜が緩い山、歩行が主な登山においてはストレート型のピッケルが適しています。シャフトが真っ直ぐだと杖としても使用しやすいので、雪山入門レベルであれば基本的にストレート型がおすすめです。
■S.Aシャフト(セルフアレストシャフト)
比較的緩いカーブを描いているタイプのシャフト。ストレートシャフトに比べ、雪面に深い角度で刺さるので支持力が強くなります。
■E.Vシャフト(エヴォリューションベントシャフト)
岩場や氷雪面が混ざったミックスルート、あるいは急な斜面を歩くのに適したカーブの大きいシャフトです。
サイズ(シャフト長)の展開はモデルによって異なる
サイズ(シャフト長)の展開はメーカーやモデルによっても異なります。シャフトの長さを始め、ピッケルの選び方の基本をもっと知りたい!という場合は下記記事をチェックしてみてください。
ここからは、「スノーアックス」と「アイスアックス」の各モデルを詳しく見ていきましょう。
雪山歩行におすすめの『スノーアックス』4モデル
グリベルのこだわりと技術が盛り込まれたおすすめの「スノーアックス」のモデルを紹介します。
ネパールSAプラス
雪山デビューから縦走まで幅広く対応しているグリベルの代表モデル。緩やかなカーブを描くSA (セルフアレスト)シャフトはあらゆるシーンで扱いやすく、低山や緩やかな雪山歩行に特におすすめです。
グリベル ネパールSAプラス(GV-PI175G)
【サイズ】53、58、66、74cm
【重量】 545g(66cmリーシュ付き)
【付属品】ヘッドカバー、スピッツェカバー
モンテローザプラス
ヘッド全長が24.0cmと小ぶりなストレートタイプのシャフト。ビギナーや女性にも使いやすく、コスパも良好です。シンプルなデザインで使い勝手も良く、初めて手に取るピッケルとしてもバッチリです。
グリベル モンテローザプラス(GV-PIMROS+S)
【サイズ】58、66cm
【重量】 520g(66cmリーシュ付き)
【付属品】ヘッドカバー、スピッツェカバー
Gゼロ
グリベルのストレートシャフトでは新型モデルで、480gと軽量で取り扱いやすさ抜群のモデル。カラーも豊富なので、一味違うデザインを楽しみたい方にもおすすめ。手の冷えを防ぎ取り外し可能なヘッドプロテクター付きです。
グリベル Gゼロ(GVPIG0S)
【サイズ】58、66(㎝)、74㎝(ブラックのみ)
【重量】 480g (66㎝リーシュ付き)
【付属品】シンプルロングリーシュ、ヘッドカバー
【カラー】ブラック、グリーン、ブルー、ピンク
G1 SAプラス
ストレートタイプの「G Zero」とは異なり、緩やかなカーブを描く SAシャフトタイプ。ヘッド全長は25cmとコンパクトで、手の小さな方や女性にも扱いやすいモデルです。
グリベル G1 SAプラス(GV-PIGO1+J)
【サイズ】53、58、66、74(㎝)
【重量】 515g(66㎝リーシュ付き)
【付属品】ヘッドカバー、ロングリーシュ
【カラー】ホワイト、イエロー
4モデルのスペックを比較
ミックスルートにおすすめの『アイスアックス』2モデル
「アイスアックス」のラインナップの中から、岩場と雪山が混ざるミックスルートにおすすめのモデルを紹介します。
エアーテックエヴォリューションT
骨形状の“Gボーンシャフト”によって軽さを犠牲にせず、高強度を実現したモデル。緩やかなカーブを描いた E.Vシャフトを採用しており、岩場や雪面の入り混じった雪山に特におすすめです。
グリベル エアーテックエヴォリューションT(GV-PIATE)
【サイズ】48、53、58、66cm
【重量】475g(53cm)
【付属品】ヘッドカバー
エアーテックレーシングJ
エアーテックをより軽量化したモデルで、重量はなんと430g! 細めのアルミシャフトはとても握りやすく、手の小さい人や厚手の手袋でも扱いやすい仕様です。比較的カーブが緩やかなSAシャフトを採用。
グリベル エアーテックレーシングJ(GV-PI028GJ)
【サイズ】53、58、66(㎝)
【重量】430g(53㎝)
【付属品】ヘッドカバー、ロングリーシュ
2モデルのスペックを比較
ピッケルと一緒に『カバー』と『リーシュ』も準備!
ピッケルを携行する際に欠かせないのが『ヘッドカバー』『スパイクカバー』と『リーシュコード』です。安全な雪山登山を果たすためにも、必ずチェックしておきましょう。
ヘッドカバー
ザックに収納したり持ち運ぶ際に、ピックやブレードの刃物部分で傷つけないよう、保護するヘッドカバーが必要なので、もし持っていない場合はこれを機に準備しましょう。
なお、グリベルのピッケルを日本国内のアウトドアショップで購入する場合には、製品保証書の代用になるヘッドカバーやキャップが付属しています。
リーシュコード
ピッケルを道中で落とさないためにもリーシュコードは必需品。ピッケルを脱落させると、単純にその後困るだけなく、落としたはずみで他の登山者や仲間が怪我をする可能性もあります。
手首につけるリスト式と肩掛け式がありますが、左右の持ち替えも便利な肩掛け式がおすすめ。グリベルのピッケルは、モデルによってスピッツェ(石突)カバー付きのロングリーシュが付属しています。
ニューロングリーシュ
ピッケルに直接付ける手首に掛けるタイプのリーシュ。手首ループにはラバープロテクター、石突保護キャップも付属しているタイプ。グリベルのピッケルには付属しているモデルも多数。
グリベル ニューロングリーシュ(GV-PJLONGL)
【価格】1,600円 (税抜)
スプリングリーシュベルト
ピッケルに伸縮性のあるストラップを繋げるタイプのリーシュ。リーシュが付属していないピッケルの場合にはこちらがおすすめです。
グリベル スプリングリーシュベルト(GV-PJ049.16)
【価格】2,200円 (税抜)
ショルダーリーシュ
ピッケルに付属している手首にかけるタイプのリーシュへ接続するショルダーリーシュ。直接体に繋げるのでピッケルが手から離れても紛失を防ぐことができます。
グリベルのピッケルで最高の雪山デビューを!
今回は、雪山デビューにおすすめなグリベルのピッケルをご紹介しました。
用途・目的やどんな雪山にチャレンジするのかを考慮した上であなたにとってピッタリなピッケルを選んでみてください。いずれにせよ、グリベルのピッケルは末長く愛用できるパートナーになるはずですよ!
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