寒い日のテント泊でもぐっすり眠りたい!
登山のテント泊で、「寒くてほとんど眠れなかった…」なんて経験はありませんか?
快適な睡眠をとるためにも大切なのが寝袋とマット。寒い時期は特に、寝袋でしっかりと保温しつつ、いかに地面からの冷気を遮断するかがポイントになってきます。
つまり、寝袋の保温力をしっかりと発揮させ、身体の熱を奪われないようにするためには、断熱効果の高いマットを選ぶことが重要なわけです。
寒さをしのぐカギは『R値』にあり
テント場の環境はシーズンによりさまざま。マットの種類も、春から秋の3シーズン向けから厳冬期にぴったりのモデルまで、多岐にわたります。その中で、冬場や寒い時期に適したマットを選ぶ目安となるのが『R値』です。
『R値』ってなに?
R値(R-value)とは、断熱性を表す数値。R値が高いほど冷気が伝わりにくく、断熱性能が高いマットということになります。そしてR値は足し算が可能で、例えば、R値0.5の銀マットと3.0のエアーマットを足して、3.5のマットとして使うこともできます。
『R値』で選ぶ時の目安
R値は1.0を下回るものから10.0を超えるものまであり、使用する季節ごとに推奨する数値は以下の通りです。
悩んだときは、“初秋は3.5以上、初冬は4.0以上”と、上記で挙げたR値よりも高めの数値のマットを使用すると安心です。
しかし、「山域や山の標高による気温の違い」「その日の天候」「寒がりや暑がりなど体感温度の個人差」といった様々な条件により、その人に合ったマットが変わります。
また、厳格なテストしてR値を出しているメーカーもあれば、概算で出しているメーカーもありますので、異なるメーカーのマットのR値を比較する際は、その点も留意しておきましょう。
『R値』が表記されていない場合はどうする?
メーカーによっては、R値が明記されていなかったり、R値の替わりに『推奨使用気温』を記載している場合があります。いずれも明記されていない場合は、以下2点に着目して断熱性能の高さを推測してみましょう。
優れた“断熱性”は当たり前! 次に望むものは何?
寒い時期のテント泊で断熱性は犠牲にしたくないですよね。高い断熱性は大前提として、「次は何を優先させたいか?」を考慮してみましょう。
マットのタイプは3種類! 重量と収納性も見逃せない
マットには「クローズドセル」「インフレータブル」「エアー」の3種類があります。重さや収納性、耐久性など、それぞれの特性を知ることで、より希望のマットを絞り込めます。
末端までしっかり断熱! レギュラーサイズがおすすめ
マットは、大人1人横になれるレギュラーサイズのほか、足元に登山ザック置いてマットと併用するショートサイズもあります。また、幅広いワイドタイプや2人用も。軽量化を意識するならショートサイズですが、寒い時期は冷えやすい足元までしっかりと断熱できるレギュラーサイズがおすすめです。
就寝時の冷え対策はコレで完璧! おすすめの寝袋マット7モデル
レギュラーサイズを中心に、寒い時期におすすめの寝袋マット6モデルを紹介します。マット選びのポイントと各モデルの特徴を押さえながら、自分の理想にぴったりの1つを見つけましょう!
寒い時でも楽に準備したい
気温が低い日は準備に時間がかかると辛いですよね。早く簡単に準備や片付けをしたい時は、何といってもクローズドセルが1番! 次に自動膨張のインフレータブルがおすすめです。
【R値】4.1|<シートゥーサミット> コンフォートプラスS.I.マット
厚みはエアータイプ並みの8cm。逆止弁の付いた大きなバルブは、使用時も撤収時も簡単です。レギュラーサイズを含めて5つのサイズ展開で、大柄な人もぴったりのサイズを選べます。
シートゥサミット コンフォートプラスS.I.マット(レギュラー) コンフォートプラスS.I.マット(レギュラー)
【R値】4.1(ASTM F3340)
【厚さ】8cm
【重量】890g
【使用サイズ】183×51cm
【収納サイズ】径17.5×26cm
【付属品】専用スタッフサック
荷物を軽くコンパクトにしたい
3シーズン用のクローズドセルタイプは重量400~450gほど。その軽さに引けをとらないのが、エアータイプマットです。レギュラーサイズで500gを下回り、収納性と軽量化に貢献!
【R値】4.8|<ニーモ> テンサーアルパイン レギュラー マミー
サーマルミラーフィルムを3枚も使った保温性に優れたマットです。ポンプサックが付属しているので空気の注入も容易なうえに、内部の空気の微調整も可能。
ニーモ テンサーアルパイン レギュラー マミー
【R値】4.8(ASTM F3340)
【厚さ】 8cm
【重量】475g
【使用サイズ】51×183cm
【収納サイズ】20×φ8cm
【付属品】専用スタッフサック、コンプレッションストラップ、パッドポンプ、リペアキット
【R値】5.2|<エクスペド> シンマット HL ウィンター M
体型に沿うマミー型で、1サイズのみ。中綿入りで4シーズン使えるのに430gの軽さは嬉しいですね!付属のポンプは防水バッグとして活用できて便利。
エクスペド シンマット HL ウィンター M
【R値】5.2(ASTM F3340)、5.0 (EMPA)
【厚さ】9cm
【重量】430 g
【使用サイズ】肩幅52×長さ183×足幅35cm
【収納サイズ】長さ21×直径11cm
【付属品】シュノズルポンプバック、収納袋、リペアキット
妥協しない寝心地と良質の睡眠を
エアータイプは厚みがあって温かさも抜群ですが、寝返りの時に滑りやすく擦れる音がするという一面も。そんな欠点を払拭するマットを紹介します。
【R値】4.0|<シートゥーサミット> コンフォートプラス インサレーティッドマット
マット内部は上下二層構造。互い違いの各気室が身体にフットし、エアータイプにありがちなフワフワ感ではなく、滑りにくく安定した寝心地です。
シートゥサミット コンフォートプラス インサレーティッドマット レギュラー
【R値】4.0(ASTM F3340)
【厚さ】6.3cm
【重量】775g
【使用サイズ】183×55cm
【収納サイズ】
【付属品】専用スタッフサック、リペアキット
【R値】6.9|<サーマレスト> ネオエアーXサーモ
サーマレストのネオエアーシリーズで一番温かいのがこちら! 4枚もの熱反射板を挟み込んでコールドスポットを極力減らした構造は、温かくて快適な睡眠を約束します。
サーマレスト ネオエアーXサーモ
【R値】5.7(ASTM F3340)
【厚さ】6.3cm
【重量】430g
【使用サイズ】51×183cm
【収納サイズ】23×10cm
【付属品】スタッフサック、ミディアムポンプサック、リペアキット
とにかく断熱性が高いマットがいい
何はともあれ断熱性能を重視したい人には、R値が高くて厚みのあるマットがおすすめ。冷気を遮断し、冷え知らずの睡眠が得られます。
【R値】7.8|<エクスペド> ダウンマット XP 9 M
75デニールの丈夫な生地にダウンが250gも封入されたマットは、厳しい環境で保温性の高さを発揮。厚みがあっても付属のポンプを使えば、約2分で空気入れが完了します。
エクスペド ダウンマット XP 9 M
【R値】7.8 (ASTM F3340)、8.0(EMPA)
【厚さ】9cm
【重量】895g
【使用サイズ】肩幅52×長さ183×足幅52cm
【収納サイズ】24×16cm
【付属品】シュノズルポンプバック、スタッフバック、リペアキット
断熱性の高い寝袋マットで、山の夜を温かく
一言で寝袋マットといっても種類が豊富なので、どれがいいか迷ってしまいますよね。しかし、マットの役割や各モデルの特徴を知りブレイクダウンしていくと、熟睡できる理想のマットがきっと見つかります。寒い日のテント泊でも暖かく快適に過ごせるように、紹介したポイントを踏まえてマットを選んでみてくださいね!