【フルサイズで550g以下!】軽量スリーピングマットの寝心地ってどうなの?【PART1】
テント泊登山を心地よい時間にできるか否かのカギは、スリーピングマットにあり! この10年間でもっとも進化した登山道具といえるスリーピングマット。軽さ、寝心地、耐久性、そのバランスを高次元で求めた3シーズン用スリーピングマットの中で、全長175㎝以上のフルサイズモデルで、重量は550g以下の10のマットを厳選。それぞれの寝心地をレビューしてみました! 今回はその1回目です!
2022/08/28 更新
制作者
モノ書き
ポンチョ
アウトドアライター歴25年。「細かすぎるライター」としてアウトドア道具のレビューが評判。登山はファストハイクからコーヒーやハンモックでくつろぐのんびりハイクまで。日本山岳耐久レース完走7回のトレイルラン好き。自転車雑誌&WEBでもアウトドアと組み合わせた記事を執筆。低山ハイクとヨガをMixしたツアー・イベント『ちょい山CLUB』の案内人。
ポンチョのプロフィール
アイキャッチ画像撮影:PONCHO
ここまで軽くなったのなら、フルサイズがいいんじゃない?

撮影:PONCHO
テント泊登山の道具選びで、バックパック、テント、寝袋と同じくらい大切なのが『スリーピングマット』。このスリーピングマット選びの基準は、何と言っても以下の3つです。
撮影:PONCHO
またスリーピングマットには、発泡素材そのままの『クローズドセル』、バルブの開閉で空気がある程度入る自動膨張で、中にスポンジ状のフォーム材が配されている『インフレータブル』、そして空気で膨らます『エアー』タイプの大きく3つに分けられます。
最近のマットの軽さたるや…とうもろこし1本以下!?

撮影:PONCHO
今回、タイトルでは550g以下としましたが、もう少し厳密に分ければ、350g以下が6モデル。350g以上550g以下が4モデルです。しかもすべて全長175㎝以上のフルサイズ(調べたら、350g=とうもろこし1本分でした! 550gでもペットボトル1本分なので、相当軽い)。
これまでスリーピングマットは、軽さを重視して全長120㎝程度のショートサイズを選ぶことがセオリーとなっている面もありました。でも、この10年でエアーマットが急激に進化、そして増加!
ここまで軽くなったら、これからは寝心地のよさを重視してフルサイズのマットを選ぶ方が賢い選択に思えます。フルサイズの方がゆっくり就寝でき、体力、気力の回復を図れ、安全性が向上すると思うからです。

撮影:PONCHO
というわけでフルサイズ550g以下のスリーピングマット・10モデルを、気になるその寝心地をレビューしながらひとつずつ紹介していきましょう!
超軽量クローズドセルの元祖的存在
山と道/UL Pad 15 L ¥5,500

撮影:PONCHO
同ブランドには、耐久性、断熱性を向上させた『UL Pad 15+』というマットもあります。そちらの重量は同じLサイズで198g、価格は¥8,250なので、そちらを選んでもいいと思います。
でも敢えてこのオリジナルの『UL Pad 15』を選んだのは、多くのハイカーがテント泊する3シーズン、そして岩ゴロゴロじゃない一般的なテント場で使うなら「これで十分!」だと思うからです(ただし傷がつきやすかったり、穴が開きやすかったり、扱い方によっては切れることもあります)。
撮影:PONCHO
寝心地はそれなりの快適さを維持。肌触りは温かみを感じ、軽さ故に薄いマットですが、アルプスの岩稜帯のテント場でもない限り、特に問題なく寝られそうです。
ULハイカーはショートサイズを選んだり、短く切ったりしますが、快適性を重視するならこの長いままがオススメ。また身体の大きな人は、長さ200㎝のXLも用意されています。今回紹介するフルサイズマットのなかで最軽量。軽さ重視でそれなりの寝心地でよく、いくつかの短所に目をつぶれるなら、間違いなくコレです!
ところでこのマット、『山と道』のホームページを見ると、さらに軽量バージョンを胴体に巻き付け、防寒腹巻きのようにも使ったとあります。寝る時だけでなく、アイデア次第で自分流に使える多用途性を装備しているシンプルさが魅力でもありますね。
山と道 UL Pad 15の購入はこちら
ビッグアグネスのクローズドセル
ビッグアグネス/サードディグリーフォーム レギュラー ¥6,490

撮影:PONCHO
グリーンとグレー部分の2種類のフォーム材が上下に配されたマットです。グリーン部分は軽量化と空気を保持して保温性を上げるための穴が開けられ、下のグレー部分は波打つ形状でクッション性を高めています。ライバルとなる『サーマレスト/リッジレスト ソーライト』 が同サイズで400gなので、こちらの方が軽いです。そしてわずかな深さの穴ですが、思ったよりも機能しているようで、温かく感じます。
撮影:PONCHO
寝心地は、薄手で柔らかい素材だからなのか、リッジレストや上で紹介した山と道/UL Pad 15より寝転んだ際に地面の凸凹を感じます。ですが、寝続けているとクッション性の高さも感じる不思議なものです。凸凹は感じるけれど、思ったよりも気にならないという印象です。
またカタログでは-9℃まで対応と表記されていますが、この薄さではちょっと不安があるので検証の必要がありです。とはいえ夏を中心に氷点下にならない気温での使用であれば、必要な快適さを提供してくれそう。
気になる厚み

撮影:PONCHO
ちなみに左から山と道/UL Pad 15 L、ビッグアグネス/サードディグリーフォーム レギュラー、サーマレスト/リッジレスト ソーライトS(全長122㎝と短いモデル)の収納サイズは、山と道をストラップで締めていないので膨らんでしまいましたが、大きな違いはありませんでした。
ビッグアグネス サードディグリーフォーム レギュラー
対応温度:‐9~2℃
素材:EVAフォーム
今回はここまで! パート2に続く・・・

撮影:PONCHO
軽さに秀でたクローズドセルのマットに続いて、定番のインフレータブル、軽量コンパクトで寝心地もよいエアーマットのレビューは次回【PART2】で詳細レビューします。各ブランドとも、想像以上の機能の高さで驚きです。
それでは皆さん、よい山旅を!
▼インフレータブル・エアーマットのレビューはこちら!