丹沢 遭難

【実話】丹沢で遭難死した祖母ー「ヤマレコ 」アプリで簡単に出来る道迷い対策とはー

遭難原因1位は、道迷い。登山計画書の提出と山岳保険の加入もまだ十分ではありません。山を愛するすべての人に考えてほしい’’安全登山’’。今回は、丹沢で実際に起きた遭難事故の実録と共に、ヤマレコの安全登山機能を3つのシリーズ仕立てでご紹介。今回は、道迷い対策機能編です。

目次

どんな山でも遭難は起こりうる。’’道迷い’’対策を、経験から考える

道迷いしている登山者

ツツジが美しいことで有名な、丹沢の檜洞丸。実は過去には、登山経験の豊富だった女性が、下山中に道迷いで遭難し、残念ながら約2週間の捜索の上帰らぬ人となりました。すべての方に安全登山の重要性を伝えたい。

そこで今回はきっと皆様にも馴染み深い丹沢で起きた実録と共に、登山の総合コミュニティサイト「ヤマレコ」の安全登山機能アプリをシリーズ仕立てでご紹介します。今回は道迷い対策機能編です。

遭難原因の1位は「道迷い」。低山の’’落とし穴”とは

平成29年態様別遭難事故件数

毎年、遭難者が発生している丹沢でも、「道迷い」が遭難原因のトップになっています。(参照:神奈川県警)実は低山は高山よりも迷いやすい要素が多く、その要因は多岐に渡り、林業用の管理道やシカなどのけもの道、最近ではトレランなどのコーステープなどが挙げられます。

檜洞丸から石棚山稜へ。分岐を間違えたのが遭難のはじまりだった。

出典:YAMAP

その女性は、実はYAMA HACK編集部のスタッフの祖母です。今回ご家族の協力のもと実録掲載することになりました。祖母を仮にAさんとしましょう。Aさんはつつじ新道を往復する予定でしたが、檜洞丸の山頂から下山中、分岐地点を誤って石棚山稜方面へ下山してしまいました。

似たような登山道から、Aさんがミスに気付いたのは相当下山してからだと思われます。大石キャンプ場方面へ登山道を進むも、板小屋沢ノ頭付近で登山道を外れてしまい、違う尾根に迷い込み、滑落してしまったと考えられます。

道に迷ったと家族にメール。でも地図とコンパスがなく「自分の居場所」が言えない

スマホを使っている画像

登山経験豊富だったにも関わらず道迷いを引き起こしたのは「以前来たことがあるから」という気の緩みからでした。通常、地図とコンパスの用意は鉄則ですがこの時ばかりは携帯しておらず、居場所が伝えられずに捜査は難航。登山計画書が出されていなかったことも拍車をかけてしまいました。

地図コンパスを携帯するのは基本だけど、今いる場所を大事な人に伝える方法は?

山でスマホを使う画像

Aさんは、遭難してから家族へメールを送っています。山に入ると圏外なことが多いですが、時折電波が入るところもあります。地図とコンパスを携帯することは鉄則ですが、もし電波が入った時に「今」の自分の居場所が家族に伝えられたら?仮にそこから移動したとしても、捜査の足掛かりにはなるはずです。

安全登山のためのアプリ!2つの道迷い対策機能とは

ヤマレコ|ロゴマーク

安全登山のために生まれたヤマレコ。一向に減る気配のない道迷い遭難の実態を受け従来の、実にユーザー数60万人にのぼる山行記録の共有だけでなく、「ヤマレコアプリ」と「いまココ」を開発しました。

*ヤマレコアプリ:登山前の山行計画の作成、登山中のGPS機能・ログ登録、下山後の山行記録の作成まで一括して可能

*いまココアプリ:家族や知人など「待つ立場」の人に、ヤマレコユーザーの位置情報を共有することが可能

(注)「待つ立場」の人はいまココのみのインストールでOK。ただ登山する人は、いまココがきちんと作動しているかを確認するためにも両方のアプリのダウンロードがオススメです。

道迷い対策機能①ヤマレコアプリ

ヤマレコアプリの画面

撮影:washio daisuke

ヤマレコアプリは無料でダウンロード可能(一部有料のプレミアム会員限定の機能あり)なGPSアプリ。登山中の現在地の把握はもちろん、道迷い防止にも役立つさまざまな機能があるんです。ここでは5つの特徴をご紹介します。

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