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「えっ!また急な坂が・・・」とがっかりしたことない?
意気揚々と登山を開始した早々の急な登り。なんとか乗り越えたけど、また急登。その後も何度も出てくる急登急登急登。山頂に着くまでいったい何回急登があるんだ・・・。なんて、先が見えなくて心が折れかけた経験はありませんか?ズバリ!地図が読めれば解決できる!

覚えることは3つだけ!地図上の山が劇的な立体感で浮かび上がる「等高線のルール」

この地図に描かれている曲線は「等高線」といい、地形図上で同じ高さの地点を結ぶことで地形を表しています。
とっつきにくく感じる地図の読み方ですが、難しく考えずにまずは3つの基本ルールを覚えましょう。
①等高線が丸く閉じているところは山頂(ピーク)。
②山は基本的に尾根と沢(谷)でできている。
③等高線の幅が広ければ傾斜は緩やか、反対に狭いと急。
ルール1:ピークは等高線が丸くなっているところ

上の画像には山頂がいくつあるでしょうか?数えてみましょう。
正解は?

まずはこれがスタート。想像していたよりも簡単じゃないですか?
ルール2:山頂から凸型になってるのが尾根。凹型が沢。

それぞれどんな地形の特徴があるか、見ていきましょう。
尾根は山頂から続く高い場所

地形図で見ると、下の画像のようになります。

沢(谷)は尾根に挟まれた低い場所

地形図で見ると、下の画像のようになります。

道に迷ってしまった時に「沢に下ってはいけない」と言われるのは、沢沿いを下っていると、急に滝になって進めなくなることもあるためです。
やっぱり平面で見てもよくわからない

そんな人はさっき出てきた尾根や沢に矢印をつけた地形図のように、地形図を印刷して尾根と谷にそれぞれ線を引いてみましょう。慣れてくるとすぐに尾根と沢を見つけられたり、徐々に立体的に見えるようになります。
紙や粘土を使って立体を作るとわかりやすいですよ。今回は、折り紙を使って試してみました。

①まずは地図を紙に印刷するか、写真のように紙に尾根と沢を示す等高線を描いてみましょう。
②尾根を赤線、沢を青線でなぞってみましょう。
③沢の青線に沿って、紙を谷折りします。
④尾根の赤線に沿って、紙を山折りします。
⑤どうでしょう。山が立体的に見えて来ましたよね。
また、国土地理院の3D地形図を使うと地形図が立体的に表現されるので、立体イメージを作る練習におすすめです。
国土地理院3D地形図
ルール3:等高線の幅が広ければ傾斜は緩やか、狭いと反対に急

縮尺 | 主曲線 | 計曲線 |
---|---|---|
25000分の1 | 10mごと | 50mごと |
50000分の1 | 20mごと | 100mごと |
登山計画を立てる際は、まず等高線を見て傾斜のきつい登山道なのか、それとも緩やかな登山道なのかを見て把握しておきましょう。等高線の間隔から傾斜をイメージするのにも、国土地理院の3D地図を使うと便利。積極的に活用しましょう。
そして、現地に行って景色と地形図を見比べることを繰り返し行っていくうちに、等高線を見ると実際の傾斜のイメージが徐々にできるようになってきます。事前に登山道の様子が分かれば「また急な上り坂だ・・・。」と肩を落とすこともなくなり、ペース配分をしながら登山ができるようになりますよ。
地図が読めれば、山歩きがもっと楽しくなる!

しかし登山地図が読めれば、急登に対する心構えや適切な体力の配分ができるようになり、より安全でゆとりある登山が楽しめます。地図を正確に読めるようになると、景色の見え方が変わってもっと山歩きが楽しくなるはず!
慣れるまでは、立体の地形図やGoogleマップの3D地図も現地のイメージを作るのには便利です。
※ただし、Googleマップなどは計画段階での使用にとどめ、山に入る時は地形図などの登山に適した地図を必ず持っておきましょう。