藻琴山

藻琴山|山頂までたった1時間!屈斜路湖を見下ろす絶景ハイキングコース

北海道自然100選にも選ばれた藻琴山。標高はそこまで高い山ではありませんが、山頂から見える景色は息を飲む美しさ。また、山頂まで1時間ほどで登れることから、初心者やファミリーで気軽に登れる山としても人気です。今回はそんな藻琴山の絶景スポットや2つのメインコース、さらに注意点やアクセス情報など、藻琴山の魅力を紹介します!

目次

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、山小屋営業ならびに交通状況などに変更が生じている可能性があります。
山小屋や行政・関連機関が発信する最新情報を入手したうえで登山計画を立て、安全登山をしましょう。
アイキャッチ画像提供:ヤマレコ/katoken185064 (藻琴山からの屈斜路湖)

藻琴山(もことやま)とは?

屏風岩に向かう登山道

提供: ヤマレコ/katoken185064(藻琴山)
標高山頂所在地最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
999.9m北海道網走郡美幌町古梅18.4℃3.5℃
参考:ヤマレコ

北海道「屈斜路湖」の外輪山としてそびえる藻琴山は、「阿寒摩周国立公園」に属する標高約1,000mの山。「北海道自然100選」にも選ばれ、絶景スポットとして知られています。大パノラマの山頂からは、阿寒や知床の山々、眼下には屈斜路湖の絶景が。また、藻琴山中腹にある岩盤では、美味しい「銀嶺水」が湧き出しています。比較的標高が低いため、初心者はもちろん子供から年配の方まで楽しめるのも藻琴山の魅力。

絶景が広がる藻琴山、3つの見どころ紹介

絶景で人気の藻琴山ですが、他にも年間を通して多くの見どころがあります。特におすすめしたい絶景ポイントや、藻琴山ならではの魅力をご紹介します。

初心者OK!手軽に登れるコース

山頂からの斜里岳・知床連山

提供: ヤマレコ /kurikomania(山頂からの斜里岳・知床連山 )
藻琴山に登頂するコースはいくつかありますが、どのコースで登っても山頂までは1時間ほどと短く、ファミリーでも手軽に登ることができます。駐車場も完備されているためアクセスしやすく、初心者にもおすすめ!

”日本一遅く咲く桜”をはじめ、たくさんの動植物が

ハクサンイチゲ

提供: ヤマレコ/akadake5(ハクサンイチゲ)
藻琴山の山腹、標高800mあたりには「チシマザクラ」が数本自生しています。その桜は「天涯の桜」と名付けられ、花が咲き誇るのは6月に入ってから。日本で1番遅くに咲く桜との説もあります。他にも可憐な「ハクサンイチゲ」の群生など様々な植物を楽しむ事ができます。
エゾリス
出典:PIXTA(エゾリス)
藻琴山の山中には「キタキツネ」や「エゾウサギ」をはじめ、多くの野生動物が生息しています。運が良ければ登山道周辺で、可愛らしい動物に遭遇できるかもしれません。

冬の藻琴山も人気!

冬の藻琴山

提供: ヤマレコ/517849(冬の藻琴山)
冬季シーズンの積雪期も人気の藻琴山。山全体が真っ白な銀世界に包まれる頃には、幻想的な「樹氷」を楽しむことができます。
冬の藻琴山の登山道
提供: ヤマレコ/517849(冬の藻琴山の登山道)
冬にしか味わえない絶景を、スノーシューハイキングで満喫するのも爽快でしょう。
藻琴山頂上からの屈斜路湖
提供: ヤマレコ/517849(藻琴山山頂からの屈斜路湖)
山頂からの眺望は、まさに絶景。無数の樹氷と、白銀の世界に浮かぶ神秘的な屈斜路湖がたまりません。きっと寒さを忘れて見惚れてしまうことでしょう。時にはダイヤモンドダストが絶景に降り注ぎます。

登山時間は短いけど…事前に知っておきたい注意事項

コースタイムも短く手軽に登れる藻琴山ですが、やはりここは自然の山。事前に必ずチェックして、安全で楽しい登山を心がけましょう。

マダニに注意

マダニ

出典:PIXTA(マダニ)
藻琴山のコースでは、登山道に笹が茂る場所があり「マダニ」が生息していることがあります。登山時は虫よけスプレーを利用したり、肌の露出を控えるなどの対策が必要。また帰宅後には、マダニが服や体に付いていないか確認するのも大事です。

山はヒクマの生息区域!

ヒグマ

出典:PIXTA(ヒグマ)
北海道は「ヒグマ」の生息地として知られています。阿寒摩周国立公園では毎年ヒグマの目撃情報が多くあるため、注意が必要です。登山の際は熊鈴やラジオなどを持参して、熊に遭遇しないよう必ず対策をしてから出かけましょう。

夏以外は注意!トイレ問題

携帯トイレ

小清水ハイランドやキャンプ場にはトイレが設置されています。夏季には使用可能ですが、秋冬は閉鎖されるため使えません。そのため夏以外の時期には、念のため携帯トイレを持参することを推奨します。

登山道以外は歩行禁止!

藻琴山登山道
提供: ヤマレコ/kurikomania(ロープが張られている箇所)
藻琴山には植生保護の観点から、ロープが登山道に張られている箇所があります。貴重な自然を守るため登山道以外は歩行禁止です。ロープの中には踏み込まないようにしましょう。

低山こそ注意!地図・GPS・天気をチェックしよう

藻琴山は低山ではありますが、登山の際には不測の事態が起こる可能性もあります。低山だからと油断せずに、必ず事前に準備を整えてから藻琴山に出かけましょう。
てんきとくらす|藻琴山

山と高原地図 利尻・羅臼 知床・斜里・阿寒・礼文

【メインルート・スカイライン遊歩道】屈斜路湖を見ながらの尾根歩き

藻琴山 マップ

提供:YAMAP
【体力レベル】★☆☆☆☆
日帰り
コースタイム:2時間12分
参考:ヤマレコ
【技術的難易度】★☆☆☆☆
・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
ハイランド小清水725(45分)→藻琴山登山口(59分)→屏風岩(20分)→藻琴山(13分)→屏風岩(37分)→藻琴山登山口(1分)→ハイランド小清水725
藻琴山の登山ルートの中でも代表的な「スカイライン遊歩道」を紹介します。雄大な山々や屈斜路湖を満喫しながら、気持ちの良いハイキングを楽しみましょう。

ハイランド小清水725駐車場

提供: ヤマレコ/akadake5(ハイランド小清水725駐車場)
スカイライン遊歩道のスタートは、レストハウス「ハイランド小清水725」の駐車場。ハイランド小清水725は標高725mに位置し、目の前に小清水高原や屈斜路湖を、天気が良ければ知床連山やオホーツク海などの雄大な景観を楽しめます。
ハイランド小清水近隣展望所からの眺め
提供: ヤマレコ/akadake5(ハイランド小清水近隣の展望所からの眺め)
駐車場からも十分きれいな景色は楽しめますが、ハイランド小清水725から100mほどのところにある展望所からは、さらに素晴らしい絶景が!屈斜路湖や川湯硫黄山、和琴半島などをはじめ、運が良ければ早朝には美しい雲海を望むことも。
スカイライン遊歩道
提供: ヤマレコ/akadake5(スカイライン遊歩道)
駐車場にある登山口は、藻琴山の7合目にあたります。登山口からは、低木のハイマツが生い茂る登山道を登っていきましょう。しばらく登るとハイマツが開け、山肌が見える広場に到着します。
広場
提供: ヤマレコ/akadake5(広場)
広場にはお地蔵さんも祀られており、一息つくのにちょうど良い大きさのスペース。視界が開ける広場からは、周囲にそびえる山並みや斜里岳などを望むことができます。
屏風岩に向かう登山道
提供: ヤマレコ/katoken185064(屏風岩に向かう登山道)
広場からは、またハイマツの登山道が続きます。少し登ると次第に美しい屈斜路湖の姿が見えはじめ、尾根からはさらに爽快な景色が広がります。湖と山並みを満喫しながらの楽しいハイキングを楽しみましょう。
屏風岩
提供: ヤマレコ/katoken185064(屏風岩)

940mを過ぎると、大きな岩の塊が印象的な「屏風岩」が現れます。ゴツゴツと切り立った屏風岩の周辺は、夏には見事なハクサンイチゲの群生が。雨天時は岩場が滑りやすいので、気をつけて進んでください。

藻琴山山頂からの屈斜路湖

提供: ヤマレコ/Yoshi3456(藻琴山山頂からの屈斜路湖)

屏風岩を過ぎると山頂まではあとわずか。頂上は360度の眺望が広がり、南側には屈斜路湖、その向こうには阿寒岳の姿が見られます。さらに北側には斜里岳や知床連山、オホーツク海などが一望できます。

【東藻琴側ルート】約30分!子供も一緒にハイキング

藻琴山 マップ

提供:YAMAP
【体力レベル】★☆☆☆☆
日帰り
コースタイム:1時間13分
参考:ヤマレコ
【技術的難易度】★☆☆☆☆
・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
銀嶺水(46分)→藻琴山(27分)→銀嶺水

「東藻琴山ルート」は、最短で30分という短時間で頂上までアクセスできるコース。ファミリーでも気軽にハイキングを楽しめ、山頂からは素晴らしい景色を満喫できます。

提供: ヤマレコ/kuromathi(6合目登山口)
東藻琴コースは、藻琴山6合目にある登山口からの出発になります。6合目から歩きはじめてもOKですが、8合目にも駐車場がありますので、そこまで車でアクセスしてからスタートしても良いでしょう。
藻琴山8合目登山口
提供: ヤマレコ/kuromathi(8合目登山口)
6合目からスタートした場合は、林道を歩いて8合目を目指しましょう。30分ほど歩くと、大きな駐車場のある8合目に到着。駐車場の側には「銀嶺荘」があり、バイオトイレも完備されています。
銀嶺水
提供: ヤマレコ/kuromathi(銀嶺水)
銀嶺荘の近くには、「日本百名水」にも選ばれる名水「銀嶺水」と呼ばれる水場もあり、岩の隙間からは清らかな湧水が流れ出しています。
山頂手前の合流点
提供: ヤマレコ/kuromathi(山頂手前の合流点)
銀嶺水からはダケカンバと笹原の登山道を登っていきましょう。気持ちの良い登山道を進んでいくとハイマツ帯を抜け、山頂の手前にある広場でスカイライン遊歩道と合流します。
藻琴山山頂からの眺望
提供:ヤマレコ/Yoshi3456 (藻琴山山頂からの眺望)
山頂からは屈斜路湖の絶景が広がり、湖を囲む外周山をはじめ北海道の名峰の数々を遠方まで満喫することができます。大パノラマからの雄大な景色を思う存分堪能しましょう。

藻琴山のコースマップ看板

提供: ヤマレコ/nishiyan6(藻琴山コースマップ)
山頂に続く登山道ではありませんが「トドマツ遊歩道」、「望岳台遊歩道」、「銀嶺水遊歩道」の3つが、紹介した2つのコース以外にあります。5つのコースを全て組み合わせると約6.5kmあり、3時間ほどで藻琴山を周回することも可能。のんびりと大自然の森の中を周回するのもおすすめです。

藻琴山へのアクセス方法

藻琴山へ交通機関を利用してアクセスする方法、及び各登山口の最寄り駐車場の情報をお伝えします。登山の際、参考にしてください。

スカイライン遊歩道登山口

ハイランド小清水725駐車場提供: ヤマレコ/akadake5(ハイランド小清水725駐車場)

【クルマの場合】

美幌バイパス「美幌」ICー国道39号ー国道334号ー道道102号ーハイランド小清水725駐車場

■ハイランド小清水725駐車場
台数:36台
トイレ:あり
料金:無料

【公共交通機関の場合】

JR釧網本線「川湯温泉」駅下車、阿寒バス「川湯」線乗車ー「川湯温泉街」下車ータクシーーハイランド小清水725

定期路線バス|阿寒バス

銀嶺水登山口

銀嶺水駐車場

提供: ヤマレコ/tajitaji1129(銀嶺水駐車場)

【クルマの場合】
美幌バイパス「美幌」ICー国道39号ー道道102号ー銀嶺水(8合目)駐車場

■銀嶺水(8合目)駐車場
トイレ:あり(銀嶺荘)
料金:無料
【公共交通機関の場合】
JR釧網本線「川湯温泉」駅下車、阿寒バス「川湯」線乗車ー「川湯温泉街」下車ータクシーー銀嶺水(8合目)駐車場

一緒に行きたい周辺の観光スポット

藻琴山へ登山の際には、ぜひ楽しんでいただきたい観光スポットがあります。下山後に立ち寄って、癒しのひと時を過ごしてみてはいかがですか?

日本最大のカルデラ湖!屈斜路湖

屈斜路湖

出典:PIXTA(屈斜路湖)
日本最大のカルデラ湖である屈斜路湖は、周囲が57km、最大深度117m。日本第6位の大きさを誇り、湖心には淡水湖の中でも日本一大きい浮島「中島」が。ヨットや釣り、キャンプなどを楽しめる場所としても人気があります。
冬の屈斜路湖と白鳥
出典:PIXTA (冬の屈斜路湖)
冬季には屈斜路湖が全面凍結しますが、地熱が高い場所の氷が一部解け出し水面が現れます。その場所を求めて、毎年400羽を超える白鳥たちが飛来し、美しい光景を見ることができます。
屈斜路湖|弟子屈なび

一面ピンク!東藻琴の芝桜

芝桜公園

出典:PIXTA (ひがしもこと芝桜公園)
10ヘクタールもの広大な敷地に芝桜が咲き誇る「ひがしもこと芝桜公園」。毎年5月〜6月上旬頃には、辺り一面がピンク色の世界に包まれます。園内には緩やかな丘があり、様々な角度から望む芝桜のグラデーションは格別。花と共に、釣りやゴーカートなども楽しめます。
住所:北海道網走郡大空町東藻琴末広393
電話:0152-66-2131
営業時間:8:00~17:00
料金:無料(芝桜まつり期間中 大人500円、子供250円)
ひがしもとこ芝桜公園|大空町

【ハイランド小清水キャンプ場】
大自然に囲まれた、理想的な環境の中にあるキャンプ場。屈斜路湖も望め、テントサイトはもちろん、気軽に宿泊できるバンガローもあります。他にはバーベキューや五右衛門風呂も楽しめます。

住所:北海道斜里郡小清水町字もこと山2番地
電話:0152-62-4481
営業期間:7月上旬~9月上旬
料金:大人300円、子供:150円

ハイランド小清水キャンプ場|小清水町観光情報

藻琴山から絶景の屈斜路湖を満喫

屈斜路湖

出典:PIXTA(屈斜路湖)

初心者でも、ハイキング気分で楽しめる藻琴山はいかがでしたか?短時間で登頂できるのにも関わらず、山頂からは美しい屈斜路湖や山々が連なる壮観な景色を満喫できます。また、初夏に咲く珍しい桜や冬の樹氷も藻琴山の見どころ。下山後は美しい屈斜路湖を観光したり、のんびりキャンプライフを味わうのも楽しいでしょう。

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。

※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。