『GPS地図アプリ』は現代の登山の常識! 使ってない人がしがちな13の誤解

2018/11/05 更新

あなたのスマホに登山用の地図アプリは入っていますか? もしまだ入れていないのなら、今すぐアプリをダウンロードしましょう! 地図アプリを入れるだけであなたのスマホは、登山用のGPS機として使えるようになり、道迷いで遭難するリスクが確実に減らせるのです。無料で使えるものも多くあり、今やスマホを持っているのに地図アプリを入れない理由は何ひとつない! と言っても過言ではありません。

アイキャッチ画像出典:PIXTA

「地図アプリ」は登山中にできる遭難対策です!

地図を見る登山者
撮影:YAMA HACK編集部
道迷いによる遭難は、残念ながら後を絶ちません。自分は大丈夫だと誰もが思っていても、ちょっとしたきっかけで、誰にでも道迷いは起こります。山岳保険も登山届けも重要ですが、それらは何かが起こってしまったときのためのもの。登山中にGPSが使えさえすれば、道迷いによる遭難のほとんどが防げるはずなのです。

あなたのスマホに地図アプリが入っていない理由は何?

地図アプリ
撮影:YAMA HACK編集部
今まで地図アプリを使っていなかった人には、それぞれになにか理由があるはずです。おそらくその多くは、GPSやスマホに対する“誤解”が原因ではないでしょうか。

地図アプリを敬遠しがちな人の誤解<超初心者編>

「同じ地図なら紙のほうが手軽。わざわざスマホで見る必要ないでしょ」

登山者(イメージ)
出典:PIXTA
地図アプリは、単に地図がスマホで見られるだけのものではありません。GPSによって常にスマホの地図上に、現在自分がどこにいるか、どちらの方向を向いているかが表示されます。紙の地図では起こりえる「あれ、今どこにいるのかわからない!」が、地図アプリを使えばなくなります。

「山の中では電波が通じないから、肝心なときに地図が見られないかも」

樹林帯
出典:PIXTA
いいえ、空が見えているところなら圏外でも使えます。名前を知らないようなマイナーな山でも、どんなに深い山奥でも大丈夫。GPSの受信精度や速度などは環境によって多少の差はありますが、ネットの通信状況には関係なく使えます。

「近くの山なら、スマホに入っている地図やGoogleマップで大丈夫」

googleマップ
撮影:YAMA HACK編集部(googleマップでは、登山道などは表示されない)
一般の地図アプリは、基本的にインターネットがつながるところで使う前提なので、圏外では地図が表示されません。また地図が見られるところでも、登山道の詳細や地図記号などの情報が記載されていないため、登山には不向きです。

「アプリの操作が難しい」

スマホを使い慣れていない人には、確かに面倒に思えるかもしれません。でも道迷いをしないために必要なのはいくつかの単純な操作だけ。いろいろやろうと思わず、まずは命を守るための操作だけを覚えましょう。

「手袋で使えないから、山でスマホは不便」

タッチペン操作
出典:PIXTA
確かに登山では寒いとき意外にもグローブをすることも多いですが、タッチペンを使えば問題は解決。地図アプリ以外でも、山ではスマホとセットで使うと便利です。

地図アプリを敬遠しがちな人の誤解<入門編>

「GPSは高い」

GPS機器
出典:PIXTA
少し前までは、GPSを使うには高価な専用機が必要でしたがが、現在はスマホがその代わりになります。アプリは無料か、かかっても数百円程度。事前にスマホに地図を取り込むための通信費が必要ですが、Wi-Fi環境で行えば問題なし。もちろんスマホ本体は買わなければなりませんが、すでに持っているならタダに近い値段で使えます。

「GPSは本格的な登山のためのもの。ハイキングや低山には必要ない」

低山
出典:PIXTA(低山のハイキングコース)
冬山やバリエーションルートといわれる本格的な登山は別として、一般登山道を歩くなら、登山者が多く道が整備された日本アルプスの人気の山のほうが、近くの低山よりも道迷いのリスクは低いかもしれません。実際に道迷いの発生件数がとても多い低山にこそ、GPSが必要なのです。

「スマホの画面は小さくて見にくい」

拡大表示
撮影:YAMA HACK編集部(拡大すれば詳細まで確認できる)
確かに紙の地図に比べて画面のサイズは小さいものの、紙と同じ高精度の地図が見られ、表示を拡大できるので必要な部分がしっかりと確認できます。薄暗くて地図が見にくい、細かい文字が読みにくいというときにも便利です。

「GPSを使うとすぐにバッテリー切れになる」

バッテリーが消耗する大きな原因のひとつは、電波状況の悪いところでスマホが電波を探すこと。最初からインターネット通信をしない「機内モード」にしておけば、バッテリーの消費をぐっと抑えられ、フル充電なら1日は充分使えます。

モバイルバッテリー
出典:PIXTA
そうは言っても、アプリやスマホの種類、カメラやアプリの機能をどこまで使うかによっては、バッテリーの使用量は変わります。日帰りの登山でも必ず予備のバッテリーを持ちましょう。最近は大容量で軽量なモバイルバッテリーが、手ごろな値段で手に入るようになりました。

地図アプリを敬遠しがちな人の誤解<こだわり編>

「スマホのGPSは専用機に比べて精度が低いからダメ」

最近のスマホのGPSは専用機にまったく引けをとりません。ただしスマホの機種によって精度に差があるので、あまり古いものや、Androidの極端に安いものは避けたほうがいいようです。

「緊急連絡用の電話を無くしたり壊れたりしたら大変! できるだけ使いたくない」

カバー類やストラップなどで保護すれば、それほど簡単に壊れることはないのでは? どうしても心配なら、普段は紙の地図を見ながら歩いて、現在地を確認するときや道に迷ったときにだけ取り出してアプリを起動すれば安心です。

スマホ2台
出典:PIXTA
それに、地図アプリは通信機能が必要ないので、SIMカードが無くても使えるのです。機種変更前のスマホが家で眠っていたりしませんか? 古すぎない、安すぎないという条件に当てはまり壊れていなければ、Wi-Fi環境で地図をダウンロードしてGPS専用として使うことができます。

「地図よみこそが山の醍醐味。GPSは邪道だ」

地図読みする男性
出典:PIXTA
確かに地形図を読み解き山を登るのは楽しいし、山の本来の姿かもしれませんが、GPSを持っていても地図読みの邪魔にはなりません。どんなベテランでも一度完全に自分の位置を見失なったら、リカバリーは相当な困難を伴います。いざというときのために明らかに役に立つものを備えることは、邪道ではなく正しい自己管理です! それにGPSと紙の地図を見比べながら歩くのは、有効な地図読みの練習方法でもあります。

「GPS専用機やGPS機能付きスマートウォッチがあるからアプリはいらない」

GPSウォッチ
出典:PIXTA
なるほど、それなら必要ないかも知れません。でも、スマホを持って山に入るのなら、アプリを入れておくのはたいした手間ではありません。事前に行き先の地図は必ず見るでしょうから、そのついでに地図をスマホに取り込んでおくだけ。専用機や時計よりも画面が大きいので、バックアップとして持っておいても損はないはずです。

地図アプリを入れたら、必ずできるようにしておくこと

地図アプリには、どれもいろいろな機能がありますが、道迷いによる遭難を防ぐとい使い方に絞れば、操作も設定も簡単です。それでも目的を果たすためには最低限の知識が必要です。

1. 基本的なスマホ操作ができる

普段から使っていれば問題ないと思いますが、アプリ以前に、機内モードの設定などの、スマホの基本的な操作がスムーズにできることが大前提です。

2. 必要最低限のアプリの操作方法を覚える

・事前に地図をスマホに取り込む

ダウンロード
撮影:YAMA HACK編集部
地図アプリを圏外で使うためには、事前に地図をスマホに取り込んでおくことが必要です。アプリによって方法は違いますが、一度電波の通じるところで地図を表示させたり、山名を指定してボタンを押したりといった簡単な操作です。

・地図上の自分の位置や進行方向の見方を理解する

アプリの地図上では、自分の位置とどの方向を向いているかが、矢印やアイコンなどで表示されます。山に行く前に家の近くや近所の公園などで、アプリを見ながら目的地に向かって歩いてみましょう。
※アプリによっては使えるエリアが限定されるものがあります

・現在地の位置情報を人に伝える手段がわかる
アプリの位置情報 地図アプリでは、現在の現在地情報(緯度・経度、高度など)を知ることができます。道迷い遭難の事例では、「家族に道に迷ったと電話やメールで連絡してきた」という話がよくありますが、その時点でどこにいるかを伝えられれば、捜索範囲が絞れて残念な結末は防げたはずです。メールで位置情報を送信する機能があるアプリもありますが、どうすれば位置情報を確認できるのかを、必ず覚えておきましょう。

3. 地図読みのもっとも基本的な知識を身につける

スマホを見る男性
出典:PIXTA
アプリといえども表示されるのは地図。自分がいる位置からどっちに進んだらいいのか、危険なところはないかなどを判断するには、最低限の地図読みの知識が必要です。最初からすべてを覚えるのは難しくても

・等高線を見て斜面の緩急や、ピーク、尾根、谷などの地形を想像できる
・登山道を表す線、崖や滝、万年雪などの危険箇所などを示す基本的な地図記号がわかる

などは、紙でもアプリでも、地図を使う上で最低限必要な知識。登山の入門書や雑誌、WEBなどで少しずつ学習しておきましょう。

国土地理院 電子地形図25000の凡例

アプリを使う際の心構えは?

事前の準備を忘れない

スマホの充電
出典:PIXTA
どんなに優秀なアプリでも、事前に正しく地図の取り込みができていなければ役に立ちません。スマホをフル充電しておくのも忘れずに。

GPSもスマホも完璧ではないことを理解しておく

衛星から電波を受信して位置を特定するGPSは、地形によっては精度が落ちて誤差が生じることがあります。またスマホの性能により一時的に表示が乱れる、動きが遅くなる、低温時に反応しないなどの不具合が起きることも。しかし時間をおいて再度確認する、場所を少し移動するなどの対応で解決する場合がほとんどです。

必ず紙の地図とコンパスも持つ

紙の地図とコンパス
出典:PIXTA
ここまでアプリを薦めておきながら、やっぱり紙の地図? と思うかもしれませんが、何事もバックアップを用意するのが山の正解です。なんらかの原因でスマホが使えなくなったときのため備えとしてはもちろんですが、紙の地図は全体の位置関係を把握するという点では、画面の小さいスマホよりも優れています。

また山の地図には、シンプルで細かな地形の把握がしやすい「地形図」と、コースタイムやトイレの場所などの情報が豊富で登山道が見やすい「登山地図」がありますが、アプリには「地形図」を使っているものが多いので、紙の「登山地図」を合わせて使うのもいい方法だと思います。

忘れ物をしない

スマホ、予備のバッテリー、ケーブル、保護ケース、ストラップなど、必要なものを忘れないように。特に忘れがちなのがケーブル。LightningとMicroUSBの間違いにも気をつけて。念のため防水対策もしておきましょう。

フル活用でもいざというときのための備えでも、やっぱり地図アプリを持たない理由はない!

スマホを見る登山者
出典:PIXTA
地図アプリにはいくつか種類がありますが、それぞれに個性や特徴があります。まずはどれが自分にとって使いやすいかいろいろ試してみるといいでしょう。実はいろいろな機能が備わっていて、設定や使い方を覚えれば、カーナビのように事前に登録したルートから外れると音声で教えてくれるものや、SNSへの投稿や登山記録ができるものなどがあります。


でも、そんなことに興味がないという人にこそ、地図アプリを持って欲しいのです。エマージェンシーセットや非常食などと同様に、使わずに帰るのが一番だけれど、万が一のときに備えて持っておくもの。地図アプリは、遭難のリスクを大きく引き下げることは間違いありません。

ログ画面
撮影:YAMA HACK編集部
そして、自分の行動を自動で記録する、ログ機能だけはオンにしておくことをおすすめします。道を間違えたときに自分の通ってきた道を戻るときにも安心だし、何より日本地図に自分の足跡をどんどんつけていく感覚は、初めて使う人にもなかなか楽しいものだと思いますよ。

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スマホを使う登山者
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小川 郁代
小川 郁代

犬と音楽とお酒大好きのインドア派が、クライミングと出会ってアウトドアの世界へ。登山、ハイキング、最近は沢登りとBCクロカンに夢中。山に行くだけじゃわからない「山のコト」を伝えたい。

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