旭岳とは?みどころも紹介
標高 | 山頂所在地 | 山域 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
---|---|---|---|---|
2,291m | 北海道上川郡東川町 | 石狩山地(大雪山系) | 10.6℃ | -2.3℃ |
大自然の壮大な景観を有する旭岳は、北海道最高峰の山。2,000m超えの山が連なる大雪山の主峰であり、毎年多くの登山者や観光客が全国各地から集まります。以前まで旭岳の標高は2,290mでしたが、国土地理院の調査で平成20年より現在の2,291mへと引き上げられました。ロープウェイで手軽に絶景を楽しめることや近くに温泉があることも旭岳の魅力の一つです。
一年を通して様々な景色を楽しめる旭岳
旭岳は季節ごとにさまざまな表情を魅せてくれます。夏はカラフルな花が咲き誇り、秋になると一面は鮮やかな紅葉。冬には、太陽が縦に輝く「サンピラー」や、無数の氷の粒に日光が反射してキラキラ輝く「ダイヤモンドダスト」といった、稀少な景色を見る事ができることも。
標高の高い旭岳は、多くの高山植物が咲き誇るエリア。7月下旬にピークを迎える美しい花々の群落は、アイヌ語で「カムイミンタラ(神の庭)」とも呼ばれています。北海道は緯度が高く、さらに旭岳は高所のため夏でも気温が低くくなることから、お花畑と雪渓が同時に楽しめるのも魅力の一つです。そこに青い空と緑のカラーが加わり、旭岳は一層華やかな風景に。
8月の終わりにもなると山は紅葉の準備を始めます。旭岳は日本で一番早い紅葉スポットとしても有名!夏の新緑がまだ残る中、ウラジロナナカマドやチングルマなどの赤や黄色に染まっていく光景は美しい姿です。紅葉のピークである9月の連休には、絶景を見るために海外からも多くの観光客がやってきます。
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青く輝く姿見の池
旭岳を訪れた際にぜひ立ち寄っておきたいのが「姿見の池」。標高1600mの地点で旭岳を間近に見ることができるので、人気のフォトスポットとなっています。また、青く輝く水面に映る旭岳の姿は、神秘的な光景。ロープウェイ「姿見駅」から歩いて30分ほどでアクセスできるので、本格的な登山客だけでなく観光客にもおすすめの場所といえます。
ロープウェイで標高1,600mまでラクラク
旭岳に多くの観光客が集まる理由は、ロープウェイで手軽に絶景が楽しめるからといえるかもしれません。国内で唯一高山帯まで運行しているロープウェイは、10分で5合目までアクセスすることが可能。ロープウェイに乗りながら旭岳を含む大雪山の絶景が望めるので、登山者からファミリーにまで幅広い層に親しまれています。
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旭岳の天気は?
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旭岳ハイキング・登山の注意点
登山はもちろん、旭岳でハイキングなど軽い散策を楽しむときも服装や靴には注意する必要があります。自然の中を歩く以上はどんなハプニングが起こるか分からないので、しっかりと準備をして山に出かけましょう!
夏でも寒さに注意!
大雪山系に属する旭岳の気温は、本州の3000m級の山に匹敵します。夏でも寒いと感じることがあり、山頂や稜線付近では7月でも雪やみぞれが降ることがあります。さらに旭岳は風が強い山としても有名で、平地やテン場が穏やかでも稜線上で強い風が吹くことも珍しくありません。低体温症のリスクを避けるためにも、レインウェアや防寒具は万全にしておきましょう。
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▼防風性のあるアウターを持参しよう!
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散策コースでもスニーカーか登山靴で!
旭岳は気軽に散策できるコースから、本格的な登山コースまでさまざまなコースがあります。散策コースは登山道は整備されていますが、砂利道などもあるため、靴はスニーカーか登山靴で行くのがおすすめ。ヒールの高い靴やサンダルだと足をくじいたり、ケガをしたりする恐れがあります。また大雪山系は雨が多いエリアなので、歩きやすさに加えて防水機能もあると安心。山頂まで行く予定の人は、必ず登山靴を着用しましょう。
▼歩きやすい一足を持参しよう
周辺の山にはヒグマが!念のため対策を
トレッキングなど山の活動が楽しくなる季節は、エサを求めるヒグマとも遭遇しやすくなります。旭岳でヒグマの目撃情報はあまりありませんが、周辺の大雪山系の山々には多くのヒグマが生息しています。特に縦走するときは注意が必要で、事前にヒグマ情報を確認したり、鈴などで熊よけの対策をしましょう。
【難易度★】ロープウェイで気軽に散策
本格的な登山が苦手という方でも、旭岳は気軽に素晴らしい景色が楽しめる山。ロープウェイを使えば、簡単に見晴らしのいいエリアまで行くことができます。初心者から観光客まで誰もが楽しめる、それが散策コースです。
距離 | コースタイム | 難易度 |
---|---|---|
1.7km | 45分 | ★ |





【難易度★★】ロープウェイから山頂へ
旭岳山頂を目指す方法は、ロープウェイを利用して登る方法と旭岳登山口からアクセスする方法の2パターンがあります。登山者の大半はロープウェイを使うことが多いようですが、登山口からアタックすればさらに達成感を味わうことが出来ますよ!
最高点の標高: 2266 m
最低点の標高: 1607 m
累積標高(上り): 705 m
累積標高(下り): -705 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:4時間55分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい





余裕のある人はロープウェイを使わずに山頂まで
最高点の標高: 2266 m
最低点の標高: 1099 m
累積標高(上り): 1437 m
累積標高(下り): -1437 m
- 【体力レベル】★★★★☆
- 日帰り
- コースタイム:9時間05分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要


【難易度★★★】旭岳からぐるっと周遊
大雪山の主峰・旭岳から間宮岳を縦走するコース。夏場でも雪渓が残る裏旭のルートを周遊して姿見まで戻ってくるこのコースは、高山植物や山々の絶景が楽しめますが、途中、足場の悪いところもあるので注意して進みましょう!
最高点の標高: 2266 m
最低点の標高: 1592 m
累積標高(上り): 1221 m
累積標高(下り): -1221 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:7時間40分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
周遊コースのスタートである姿見駅までは、ロープウェイまたは登山口から登ってアクセスします。山頂までは姿見の池、旭岳石室を抜けて、ガレた道を歩いていくコース。金庫岩を越えて、ラストに勾配のある坂を登ると山頂が見えてきます。旭岳山頂までのコース詳細については【難易度★★】のコースをご参照ください。
旭岳山頂から裏旭へ向かうルートは、下りから始まります。ザレた急斜面は滑りやすいので注意が必要です。日陰やくぼ地などは、夏場でも雪渓が残っていることがあるので特に慎重に。
斜面を下りた先は、歩きやすい広々とした登山道。気持ちのいい景色とミヤマリンドウなどの高山植物が楽しめます。山頂は迫力のあるお鉢や雲海が望める抜群のロケーション。すぐ近くには北鎮岳、遠くには黒岳も見えますよ。
間宮岳山頂から中岳分岐までは、再び開放的なコースを進んでいくことになります。稜線を歩いている途中に見かけるイワギキョウやコマクサなどの色鮮やかな花は、登山者の目を楽しませてくれる存在です。
中岳温泉へは、比布岳を間近に見ながら下る道。紅葉シーズンは特に美しいパノラマが。天然の露天風呂がある中岳温泉は、疲れた足を癒すのにぴったりのスポットです。
中岳温泉から裾合平へ向かうルートは、さわやかな青空の中、見晴らしのいい木道を歩いていきます。夏にお花畑が広がる木道沿いは、白いチングルマやピンクのヨツバシオガマなど、きれいな花を楽しみながら散策できます。
帰りには温泉で極楽タイム!旭岳温泉
山に登ったあとは、汗を流してさっぱりしたいもの。旭岳の麓には、肌ざわりのいい「旭岳温泉」があります。誰もが自由に入浴できる野湯から定番の温泉施設までと極楽スポットは豊富です。旭岳ロープウェイ周辺にも、数多くの日帰り入浴施設があるので、ぜひ帰りに立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
傷の湯とも呼ばれる上質な湯
無色透明で、肌に優しい旭岳温泉のお湯は、骨折やすり傷など外傷に効果的といわれています。泉質は「カルシウム、マグネシウム、ナトリウム – 硫酸塩、塩化物泉」で、源泉温度は49度前後とやや熱めです。
▼旭岳ロープウェイ駅周辺の温泉施設はこちら!日帰り情報も
旭岳へのアクセス・駐車場・小屋情報
今回ご紹介した旭岳ロープウェイ駅までは、車や電車でアクセスすることが可能。ここでは、旭岳の駐車場とロープウェイ情報、小屋情報についてまとめました。
旭岳小屋
旭岳石室は、姿見の池の隣にある避難小屋。通常の宿泊はできず、緊急時のみ利用が可能です。小屋は無人で、食事や寝具などはありません。
料金:無料
住所:姿見の池に隣接
電話番号:01658-2-2574(環境省 北海道地方環境事務所 上川自然保護官事務所)
旭岳ロープウェイ

大雪山のダイナミックな景色を手軽に楽しめる旭岳ロープウェイ。オールシーズン運行しているため、各自のスケジュールで乗車が可能です。駅にはお土産品やご当地グルメもあります。
料金(普通運賃):
トップシーズン (6/1~10/20) | シーズン (10/21~5/31) | |||
往復券 | 片道券 | 往復券 | 片道券 | |
大人 | 2,900円 | 1,800円 | 1,800円 | 1,200円 |
小人 | 1,450円 | 900円 | 900円 | 600円 |
営業期間:通年
駐車台数:普通自動車・バイク 150台、中型自動車以上(バス等)10台
駐車料金:1日1回/普通自動車・バイク 500円、普通自動車以外 1,500円 ※ 11月〜5月の駐車料金は無料
住所:北海道上川郡東川町旭岳温泉
電話番号:0166-68-9111
【旭岳ロープウェイへのアクセス方法】
●電車・バスでのアクセス方法
札幌駅→スーパーカムイ1号→旭川駅→旭川電気軌道バス いで湯号→旭岳(ロープウェイ山麓駅前)下車
●車でのアクセス方法
道央自動車道 旭川北IC→道道37号→道道1160号→旭岳ロープウェイ
旭岳温泉駐車場
旭岳温泉の駐車場は、旭岳ビジターセンター前の駐車場を含み全部で4ヶ所です。駐車場は有料と無料の場所があり、季節によって料金の有無が変わるところもあります。
料金:11月~5月は無料、その他期間は有料
駐車台数:100台(無料)、150台(有料)
▼旭岳ロープウェイについての詳細はコチラをチェック!
旭岳はファミリーから登山者までが楽しめる山
旭岳は、大雪山系に属する北海道で最も高い山。登山をしない観光客やファミリーでも、ロープウェイから迫力のある優美な景色や紅葉を楽しむことができます。旭岳を歩くときはコース難易度に関係なく、しっかりと防寒着・靴を準備するのが大切。素敵な動植物とのふれあいを、ぜひ楽しんでみてくださいね!
【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。