【解説】最もハードな登山スタイル?アルパインクライミングとは

2018/10/18 更新

「ロッククライミング」や「フリークライミング」などを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。どれも“登る”行為ですが、様々なスタイルがあります。今回はその中でも、最もハードなスタイルと言われる「アルパインクライミング」についてご紹介します。フリークライミングとの違いから基礎技術など、アルパインクライミングの魅力を徹底解剖!


アイキャッチ画像出典:PIXTA

クライミングのスタイルも多種多様

アルパインクライミング
出典:PIXTA
クライミング(climbing)とは、垂直に近い地形や人工物等を自らの手や足、もしくは道具を使用して登ることを意味します。日本では登攀(とうはん)と表現することも。「ロッククライミング」と聞くとなんとなくイメージできる方も多いのではないでしょうか。しかし、ひとえにクライミングと言っても、目的や登り方など、様々なスタイルがあるのです。

アルパインクライミングってどんなもの?

アルパインクライマー アルパインクライミングとは、登山とクライミング両方の要素を合わせ持つ「登山スタイル」の一つ。もともとは“ヨーロッパアルプスでのクライミング”という意味ですが 、日本では“山岳地域における登攀”と解釈することが多いです。目的が頂上へ登ることや岩壁自体を登ることにあり、時には道具を利用した人工登攀の技術を用いることも。純粋な登攀に加え、安全確保技術などの高度なテクニックが必要になるため、非常に難易度が高いスタイルと言えます。

フリークライミングと何が違うの?

ボルダリング
出典:PIXTA
フリークライミングとは“道具を使わず自分の体力とテクニックを使って登る行為”の総称であり、岩登りの「手法」を意味しています。アルパインクライミングは前述の通り、クライミング要素の強い「登山スタイル」の一つで、“難易度の高いルートを選んだ登山“と表現してもよいでしょう。対するフリークライミングとは、インドア・アウトドア問わず、“登る行為そのものの難しさ”を追求するものであり、それぞれ目的が異なるのです。


アルパインクライミングの醍醐味とは

登山道の無い自然のままの地形を進むことがアルパインクライミングのスタイル。この“冒険的”要素はアルパインクライミングの醍醐味の一つです。

高度感は別次元!断崖絶壁のロッククライミング

断崖絶壁 アルパインルートでは「絶対に落ちてはいけない」という暗黙のルールがあります。そのため、先に登るリードクライミング時には他にはない緊張感と高度感を味わうことができます。

凍った滝の氷壁!アイスクライミング

アイスクライミング
出典:PIXTA
凍った滝などの氷壁を登るアイスクライミングもアルパインクライミングの一種。ロープを使って安全を確保することは同様ですが、アイスアックスとアイゼンという道具を使いながら登るのが大きな特徴。岩壁とはまた違った難しさがあり、冬期の楽しみの一つです。

岩と氷!ミックスクライミング

ミックスクライミング
出典:PIXTA
岩と氷が混合したルートを登るクライミングのこと。アックスとアイゼンを使いながら凍りついた岩を登っていきます。本来のアルパインクライミングに最も近いスタイルと言えるでしょう。

アルパインクライミングの基本的な技術

純粋な登攀技術に関しては、スポーツクライミングの方がフィジカルやテクニック的に高難度です。しかし、アルパインクライミングを行うには安全管理のための様々な技術を習得しなくてはならない為、複合的な難しさがあります。基本的な技術を紹介します。

スタカット(随時登攀)

スタカット
出典:PIXTA
アルパインクライミングは2人かそれ以上でパーティを組むのが一般的。2人の場合、登るルートを一定の距離で区切りながらアンザイレン(お互いにロープで結ばれた状態)で、片方が登っている間はもう片方が安全を確保する「スタカット(随時登攀)」というシステムで交互に登ります。

支点構築

支点
出典:PIXTA
クライミング中の万が一の墜落を停止するためや、休憩する際に体重を預けるためなど、安全を確保するには強固な支点を作る必要があります。支点を作るにはハーケンやボルトといった残置物を利用するケースと、カムやナッツという道具を使って自然物から支点を作る「ナチュラルプロテクション」という2つの方法があり、どちらも高度なテクニックです。

懸垂下降(けんすいかこう)

懸垂下降
出典:PIXTA
登山は登りより下りの方が難しいもので、急な崖を登ることが出来ても降りることは非常に困難です。そんな場合に使う技術が懸垂下降。ロープを使って高所から安全に下降する方法で、アルパインクライミングを行う上で必須の技術です。

学習方法

勉強
出典:PIXTA
登山は危険な場所に身を置く行為です。特にクライミングでの事故は重大な事故に繋がる確率が高く、常にリスクを考えなければなりません。そのリスクをゼロにすることは不可能ですが、限りなくゼロに近づけるためには「知識」「技術」「経験」が必要不可欠。アルパインクライミングは始めるには難易度が高いですが、今回はそのステップとして必要なものをご紹介します。

講習会に参加してみよう!

アルパインクライミングに限らず言えることですが、独学にはどうしても限界があるため、経験者から教えてもらうことがベスト。しかし、山岳会などに所属することも簡単には決められないという方も少なくないと思います。そんな方におすすめなのが有料の講習会です。初心者から経験者まで、幅広い層に合わせて講習会が開かれているのでチェックしてみてください。

 

■石井スポーツ登山学校

石井スポーツ 登山・スキー・アウトドア専門店「ICI石井スポーツ」が手掛ける講習会。日本山岳ガイド協会認定ガイドや専門スタッフが担当しており、クライミング初心者からスキルアップしたい人まで、幅広い層に向けたカリキュラムが組まれている。

石井スポーツ 登山学校

 

■モンベル アウトドアチャレンジ

モンベル
出典:モンベル
アウトドア総合メーカー「モンベル」が日本全国で開催するアウトドア・ツアー、イベント。初めてのロープワーク講習会から公認山岳ガイドが指導する実践講習会まで、レベルに合わせて講習会に参加することが可能。北アルプスのバリエーション「剱岳源次郎尾根」に行くツアーまであります!

モンベル・アウトドア・チャレンジ(クライミング)

書籍を活用して学習しよう!

クライミングの基礎技術は反復練習で身に着けるもの。より理解を深めるためには書籍を利用した自己学習が効果的です。基本的な概念を理解することが技術を身に着ける一歩目となります。

『アルパインクライミング』
用具や基本技術から応用技術まで分かりやすいイラストや写真で解説。アルパインクライミングの全体像を把握するのにおすすめです。

ITEM
アルパインクライミング (ヤマケイ・テクニカルブック―登山技術全書)
出版社: 山と溪谷社

『増補改訂新版 イラスト・クライミング』

ロープの結び方などの基本から複雑なクライミングシステムなど、分かりやすいカラーイラストで解説。技術やシステムを学びたい人におすすめです。

ITEM
増補改訂新版 イラスト・クライミング
出版社: 東京新聞出版局

伝統的な登山スタイル

剣岳
出典:PIXTA
アルパインクライミングは難易度が高く、気軽に始められるものではありません。しかし、そのスタイルには古くからの伝統や、登山者のロマンが詰まっている素晴らしさがあります。登山やフリークライミング、自分の好きなスタイルを見つけて安全に山を楽しみましょう!

関連する記事

関連する山行記録 byヤマレコ

クライマー
この記事が気に入ったら
「いいね!」をしよう
YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

登山専用コミュニティサイト「ヤマレコ」

OFFICIAL SNS

 

LINEでYAMA HACKをもっと手軽に。

登山用品から登山・トレッキングまで山に関する情報を毎日配信!
LINE友達限定の毎月当たるプレゼントキャンペーンも開催中!