「フリー」は自由の意味じゃない!
フリークライミングとは、道具を使わず自分の体力とテクニックを使って登る行為の総称です。「フリー」とは「ハンズフリー」のような「使わない」という意味をさしていて、シューズや安全確保のための道具は使いますが、前進することには道具を使用しないスタイルを指します。今話題のボルダリングも、このフリークライミングのうちの1つなんですよ!
フリークライミングのスタイル
フリークライミングは上の図のようにロープクライミングとボルダリングの2つに大別されます。アウトドアでのフリークライミングでは元々ある自然の岩を登り、インドアでは人工のホールドを利用して登ります。
インドアのフリークライミングは、決められたルートや課題を登るので、スポーツクライミングとも呼びます。
ボルダリング
フリークライミングの中でも、最も手軽に始められるのがボルダリング。5m以下の壁を決められたホールドを使って登りきるシンプルなスタイルです。語源はBoulder(ボルダー)=「巨石を登ること」からきています。ここ数年ででボルダリングジムも急増し、今人気のスポーツです。フリークライミングを始めたい!という方は、まずはボルダリングから挑戦してみましょう!
ロープ:使用しない
高さ:3~5m
最低人数:1人
トップロープクライミング
ロープクライミングは高さ10m以上壁を登るので、安全確保にロープを使用します。登る人を「クライマー」、安全を確保する人を「ビレイヤー」と呼び、2人1組で行うのが基本的なスタイル。トップロープは、ルートの一番上(トップ)に先にロープをかけておき、吊り下げられた様な状態で登ります。すぐにロープにぶら下がることができるので、リードクライミングに比べると危険が少なく、難易度が低いです。ロープクライミングを始めたい人はまずこのトップロープで練習をしましょう!
ロープ:使用する
高さ:10m~20m(ルートによって異なる)
最低人数:2人
リードクライミング
リードクライミングもトップロープクライミングと同様に2人1組で行います。大きな違いは、クライマー自身が支点にロープをかけながら登る点です。トップロープクライミングに比べると難易度が格段に上がり、フォール(落下)した際の距離も大きくなるので、トップロープクライミングをしっかりマスターした人がトライできるスタイルです。
ロープ:使用する
高さ:10m~20m(ルートによって異なる)
最低人数:2人
アウトドアでのクライミングスタイル
ひと昔前は現在ほどクライミングジムの数はなく、外の岩を登るための練習の場としての立場が根強くありました。現在は室内のクライミング人口が爆発的に増え、インドアでしか登らないという人も多くいますが、ボルダリング・クライミングともに外の岩でもさかんに行われています。基本的なシステムはインドアと共通ですが、高度感などが全く異なるので、インドアとグレードの感覚は異なるものです。
フリークライミングの対義語「エイドクライミング」
フリークライミングとは反対に、登るために道具を使用するスタイルを「エイドクライミング」「人工登攀」と呼びます。断崖絶壁を登る際に、アブミというはしご状のものなどを使用します。数あるクライミングのスタイルの中でも、最も高度なテクニックを要するスタイルの一つです。
究極!「フリーソロクライミング」
フリー“ソロ”クライミングとは、その名の通り1人でフリークライミングを行うこと。安全確保の道具を使わずその身ひとつで岩壁を登る究極のクライミングで、世界的に有名なクライマーとしてはアレックス・オノルドなどがいます。地上800mの高さで、口笛を吹きながら登っていくその姿はまさに「エクストリーム」の一言です!
まずはボルダリングジムに行ってみよう!
実際にフリークライミングができるジム・施設を紹介します。ボルダリングジムがほとんどですが、中にはロープを使ったトップロープ・リードクライミングを体験できるところもありますよ。関東はじめ、地域別にYAMA HACKの記事で紹介しているので、お近くのジムに実際に出かけてみましょう!
新しい世界への第一歩
日々の練習の積み重ねで技術を身につけていくクライミング。ボルダリングジムなども増えてきて、身近なスポーツになってきました。課題をクリアして自分のレベルを上げていくことで新しい世界が広がっていく喜びは何物にも変えられません。イベントなどもいろいろ開催されているのでジムで練習したり、外岩で遊んだり、是非一度体験してみてください。