登山ウエアのあの素材、スゴイということは分かっているけど…

そこで今回は、著名な素材をピックアップ。クイズであなたの素材マニア度をチェックしてみましょう!
素材に挑む! さぁ、あなたは何問正解できるか!?
素材にまつわるちょっとマニアックなクイズを出題。全10問、全て3択問題です。素材マニアの称号をかけて、いざ、チャレンジ!第1問
ベースレイヤーに選ぶなら、どんな特性の素材が最適?
①透湿性や保温性の高い素材②防風性や防水性、防寒性の高い素材
③吸湿発散性の高い素材

正解は③吸湿発散性の高い素材。
登山中の体温調整において、非常に重要なベースレイヤー。直接肌に触れるものだからこそ、しっかりと汗を吸い取って発散し、肌をドライに保ってくれる素材を選ぶ必要があります。逆に、コットンのように吸水性や吸湿性が高く、水分を吸ってしまうと乾くまでに時間がかかる素材は登山に不向き。水分の蒸発に伴って体の熱を奪ってしまい、低体温症になるリスクもあります。「①透湿性や保温性の高い素材」はミドルレイヤー、「②防風性や防水性、防寒性の高い素材」はアウターレイヤーに適した素材です。
▼ベースレイヤーについて詳しく見てみよう!
第2問
登山ウエアでお馴染みの素材、(A)~(C)に入る特性の組み合わせが正しいのは?
[ナイロン]摩耗耐性が高く、(A)に優れている[ポリエステル]吸湿性が低く、(B)に優れている
[ポリウレタン](C)が高く、温度や湿度の急激な変化に強い
①A:防風性 B:速乾性 C:伸縮性
②A:伸縮性 B:防風性 C:速乾性
③A:速乾性 B:伸縮性 C:防風性

正解は①。
[ナイロン]摩耗耐性が高く、(防風性)に優れている[ポリエステル]吸湿性が低く、(速乾性)に優れている
[ポリウレタン](伸縮性)が高く、温度や湿度の急激な変化に強い
3素材共に化学繊維であり、アウター・ミッドレイヤー・インナーを問わず登山ウエアでよく使われています。
▼素材特性について詳しく見てみよう!
第3問
ナイロンの7倍、コットンの10倍の強度を持つという驚異的な素材は?
①クールマックス®②コーデュラ®
③ゴアテックス®

正解は「②コーデュラ®」。
インビスタ社の登録商標であるコーデュラ®は、圧倒的な高い強度を持ち、耐久性を必要とするアイテムに採用されているタフな素材。その強度はナイロンの7倍、コットンの10倍というから驚きです。「①クールマックス®」もインビスタ社の登録商標。素早く汗を吸収・蒸散し、体の快適な湿度を保持し体温を下げる涼感素材です。そのスピードは綿素材より5倍の速さだとか。
▼驚きの耐久力を持つ靴下がある!?
第4問
コーデュラ®と見た目が似ていて、同じように強靭な繊維の名前は?
①バリスティック②バリスティッチ
③バリスピック

正解は「①バリスティック」。
「バリスティック」はアメリカのデュポン社が開発した、強度や耐摩耗性が非常に高い素材。その実力は軍の防弾チョッキなどに採用されるほど。強靭が故に、バリスティックの製品は硬く重い場合が多いですが、キャンプなどのアウトドア用品やビジネスバッグで使われています。そして、バリスティックを開発したデュポン社は、コーデュラ®を開発したインビスタ社の親会社であり、インビスタ社にはコーデュラバリスティックナイロンという素材も存在。もうこの辺りから訳がわからなくなってくるのではないでしょうか…。いずれもとにかく丈夫でタフ。日本ではモンベルがオリジナルのナイロン素材で「バリスティック®」の商標を登録しています。
第5問
防水透湿素材として有名なゴアテックス® プロダクト。大きく分けると3種類ありますが、高い耐摩耗性を持ち、マウンテニアリング向けに作られたのは?
①GORE-TEX® プロダクト②GORE-TEX®Pro プロダクト
③GORE-TEX®Active プロダクト

正解は「②GORE-TEX®Pro プロダクト」。
マウンテニアリング、フリーライドスキー、マウンテンガイドなどの過酷な環境にも対応するのが「GORE-TEX®Pro」です。トレッキング、ゴルフ、釣、日常など幅広いシーンで使えるのが「GORE-TEX®」。ランニング、クロスカントリー、マウンテンバイクなどの激しい有酸素運動時に適しているのが「GORE-TEX®Active」です。様々なブランドが製品の用途に合わせて使い分けていますので、ゴアテックス®製品を見かけたらぜひチェックしてみてください。▼ゴアテックス®について詳しく見てみよう!
ここで半分、調子はいかがですか? え、簡単すぎるって!? このままどんどん行きますよ~!
第6問
アウトドアブランドが独自開発した防水透湿素材、組み合わせが正しいのは?
①オムニテック®(モンベル)/ドライテック®(ザ・ノース・フェイス)/ハイベント®(コロンビア)②オムニテック®(コロンビア)/ドライテック®(モンベル)/ハイベント®(ザ・ノース・フェイス)
③オムニテック®(ザ・ノース・フェイス)/ドライテック®(コロンビア)/ハイベント®(モンベル)

正解は②。
「オムニテック®」はコロンビア、「ドライテック®」はモンベル、「ハイベント®」はザ・ノース・フェイス。各ブランドはGORE-TEX®社の素材を採用した製品を生み出していますが、独自の『防水透湿素材』の開発も行っているんです。耐水圧、透湿度が非公開のメーカーもありますが、こだわりの高機能素材であることは確か。購入の際のポイントにしてみては?
▼ブランド独自開発の防水透湿素材は他にもいっぱい!
第7問
高い技術力とフィールドで培われたアイデアによって、数多くの新素材で製品を生み出しているアウトドアブランドであるファイントラック。そんなファイントラックが開発した世界初のシート状立体保温素材の名前は?
①ファインパリゴン®②ファインプリゴン®
③ファインポリゴン®

正解は「③ファインポリゴン®」。
ジャケット、グローブ、寝袋などに採用されている「ファインポリゴン®」。最大のポイントは“濡れに強く、蒸れが少ない”こと。保温素材の代名詞ともいえるダウンは、濡れるとどうしてもヘタってしまいますが、ファインポリゴン®は雨や汗で濡れてもヘタらず、保温力をキープ。寒さの厳しい登山でも活躍しそうです。▼<fine track>吸汗復活剤まである!
第8問
山岳ガイドやトップアスリートが大絶賛する高機能下着とえいば、ミレーの”ドライナミック™” ですが、そのメイン素材として使われているポリプロピレンの特徴は?
①熱伝導率が高い②耐熱性が高い
③保水しない

正解は「③保水しない」。
水を吸収しない性質を持つポリプロピレンを主体に作られているため、毛細管現象により吸い上げられた汗は、上に重ねた吸汗速乾性のTシャツに移り、肌をドライに保ってくれます。①と②はポリプロピレンの特徴としては真逆。ポリプロピレンは熱伝導率が低いため、体温が奪われにくくなっています。全く吸湿性がなく耐熱性が低いため、通常の衣類では使用されることの少ないポリプロピレンですが、その特性が”ドライナミック™” では優位に働いているようです。第9問
うっとりするような肌触りが魅力のフリース素材。フリースといえばPOLARTEC®が有名ですが、そんなポーラテック社の前身であるモルデンミルズ社とパタゴニア社の共同開発で生まれたフリースの名称は?
①シンチラ・フリース②シンシラ・フリース
③チンチラ・フリース

正解は「①シンチラ・フリース」。
快適な登山ウエアの素材を追求していたパタゴニアの創設者イヴォン・シュイナードは、理想的な素材をモルデンミルズ社で発見。改良を重ね共同開発により誕生したのがシンチラ素材です。シンチラは、フリースの肌触りをsynthetic(本物でない)とchinchilla(チンチラ)と表現した造語。軽くて保温性の高いフリースは、肌寒い時期の登山の必需品です。▼POLARTEC®について詳しく見てみよう!
▼パタゴニアのフリースが大人気!
第10問
強度がピアノ線の約8倍でありながら、水に浮くほど軽い、そんな注目の素材は?
①タイベック®②ダイニーマ®
③ベイマックス®

正解は「②ダイニーマ®」。
「ダイニーマ®」は、非常に強度が高く、耐衝撃吸収性にも優れたポリエチレン繊維。あらゆる高機能繊維の中でも軽量のため、登山ではウルトラライト系のアイテムに採用されていることが多い最先端素材です。吸水による劣化がないという強みも。「タイベック®」は高密度なポリエチレン不織布であり、強靭で耐久性のある素材。防護服や工業用資材によく使われています。「ベイマックス」はディズニー映画ですね。全問正解できたら、正真正銘の素材マニア!
