テント泊登山の荷物って重いよね…
テント泊での登山が大好きだけど、荷物の重さでテント場に着く頃にはぐったり… なんてことありませんか? テント泊の装備だと、日数にもよりますが1泊でもザックの総重量は10kgは優に超えてしまいます。
しかし、どうにか荷物を軽くできないものかと考えている方に朗報!最近では、軽量化されたザックやテントなど、無駄を削ぎ落とした山道具がたくさんあるんです。軽量化されているとはいえ高機能で使いやすさも◎。今回はそんな「ウルトラライト」な道具で、テント泊装備を見直してみたいと思います。
ところで、最近よく聞く「UL=ウルトラライト」って?
最近良く耳にする「UL=ウルトラライト」。ウルトラライトとは、ザックの中身を厳選し可能な限り身軽に出かけ、深く自然と向き合おうという考え方のこと。『ザックが軽いといつもより快適に速く登れる=体力消耗が軽減され、早く行動できると安全度が高まる』ということにも繋がります。
「FP=ファストパッキング」とどう違う?
ULと同義で使われることが多い「FP=ファストパッキング」ですが、ニュアンスがやや違うとの意見もあります。ファストパッキングでは『より長くより速く移動する』ことを基本としています。
例えば、トレランでは走りやすさを考慮し、軽量で小さく収まるものが必要となり、ファストパッキングが主流です。それに対して、ULは軽量で小さい方が良いですが、ある程度サイズがあっても『軽くて快適に登山できること』を基本としています。
UL装備を考える上で気をつけたいことって?
ザックの総重量を減らし、ウルトラライト装備にするためにできることは、『余計なものを置いていくこと』と『1つ1つの道具を軽くすること』。そんな取捨選択の中で、気をつけなければいけないことは何でしょうか。
必要な装備は削らないこと
いくら「身軽に!」といっても、必要最低限の装備は携えて行きましょう。危険な岩山にヘルメットを持っていかなかったり、必要な量の水や食料を持っていかければ命の危険に繋がります。「今まで出番が1度もなかったから、ファーストエイドキットを置いていこう」なんて考えるのも間違い!
安全性を考慮して必要なものをきちんと確保できれば、ザックの中身を減らすのも増やすのも自分次第です。
自分のレベルや登る山にあった装備を選ぶこと

荷物の軽量化を最優先し、場所や季節を考慮せず軽さだけで装備を考えるべきではありません。極論ですが、傾斜のきつい雪山にアイゼンを持っていかない、厳冬期なのに軽いからといってツェルトしか持っていかない等は、命に関わることにもなりかねません。
いつものテント泊装備の重さはどれくらい?
いつものみなさんのテント泊装備(1泊)の重量はどのくらいですか? 写真は編集部員Eの装備です。比較的軽い方なのでは!?と自負しているようですが、どのくらいなのでしょうか。
早速、荷物を詰め込んだザックを計測。
10.4kg!
やはり10kgを超えていますね。荷物の量に合わせてザックを小さくしたり、テントも2~3人用をソロテントに変えてみても良いかもしれません。
ここからは、この装備をUL装備に変えるべく、ギアを厳選していきましょう。マイナス3kgを目指し、総重量7kgを目標にしたいと思います!
ULを実現!自分至上最強のテント泊装備はこれだ!
テント泊装備の重量はお米10kgに相当すると思うと、そりゃ重いはずだ…と改めて感じますね。最新の登山用ギアは軽量化が進み、装備の総重量の軽減が図りやすくなっています。そこで、UL装備にぴったりなギアを厳選!無雪期のテント泊用に、軽くて高性能かつ快適性にも考慮した、ULテント泊装備を考えてみました。
ザック
山と道 THREE
容量:45~50リットル
重量:536~594g
荷物が多くなる縦走登山では、大きなザックが必要となる分ザック自体も重くなります。40リットルのザックは1,000gを超えるものが多い中、山と道のTHREEは半分ほどの重量。非常に軽く、使いやすさも考えられた高機能なザックです。
テント
MOUNTAIN HARDWEAR ゴーストUL1テント
収容人数:1人
重量:751g(ペグ抜き)
設営しやすい自立式で、前室あり、3シーズン対応で800gをきる軽量!荷物の中でも重くなりがちなテントですが、軽量かつ機能性を持つバランスの良いテントです。
シュラフ
NANGA ミニマリズム180
サイズ:最大210×80cm
重量:325g
最高級シルバーグースダウンを使用し、圧倒的な軽さを実現させたシュラフ。コンパクトでありながら強度や温かさも犠牲にしない、これぞULなアイテムです。
マット
山と道 UL Pad 15
サイズ:L/175×50×1cm
重量:131g
断熱性の高い素材で保温力も高く、スリーピングマットの中で圧倒的な軽さを誇ります。簡単にカットでき自分のスタイルに合わせてカスタマイズできるところもポイントです。
ランタン
Landport ソーラーパフ
サイズ:11×11×11cm(収納時11×11×1cm)
明るさ:(弱)60ルーメン/(強)90ルーメン
点灯時間:(弱)12時間/(強)6時間
重量:75g
折り紙のように畳めるソーラーランタン。軽いだけではなくコンパクトに収納可能な上に、ソーラー充電式なので電池不要でエコなところも◎。
バーナー
snow peak ギガパワーマイクロマックスウルトラライト
収納時サイ:ズ67×34×80mm
重量:56g
とにかく軽量でコンパクトなのに、風にも強い!ワイヤータイプの火力調整ハンドル付きで、使い勝手の良さも抜群です。
ガス缶
snow peak ギガパワーガス110プロイソ
容量:110g
重量:約200g
スノーピークの五徳を使うなら、同メーカーのガス缶がおすすめ。ギガパワーシリーズの性能を最大限に引き出してくれます!
クッカー
EVERNEW チタンマグポット500
サイズ:サイズ:径9.7×高さ8.7cm
容量:550ml
重量:75g
チタンならではの軽さはもちろん、110gのガス缶をすっぽり収納できるサイズが◎。底面には滑り防止の凹凸加工あり。
カトラリー
ごはん
NISSIN カップヌードル リフィル (詰め替え用)
湯量目安:330ml
内容量:72g(3つで216g)
みんな大好きカップヌードル!通常のはカップヌードルの内容量は77gなので、3つ持っていく場合、詰め替え用なら15gの減量に。コンパクトに収まるのも嬉しいですね!
行動食
エナジーオーツスナック
カロリー:264kcal
内容量:65g(5つで325g)
登山中のエネルギー補給にもってこい!腹持ちが良く、栄養価の高いエナジーバーです。チョコ、チェリーココナッツ、バナナブレッド、アップルシナモンなど、豊富な味を楽しめます。
水
トレッキングポール
LEKI マイクロバリオ カーボン
長さ:110~130cm(収納時37㎝)
重量:223g(2本446g)
カーボンシャフトを採用した軽量トレッキングポール。3段折りたたみ式で、使わないときは付属のスタッフサックにコンパクトに収納可能。グリップも握りやすく、機能性も文句なしです。
ヘッドライト
Black Diamond イオン
照射距離:38m
電池寿命:180時間
電池:単4リチウム×2本
重量:55g(電池込)
超コンパクトモデルで軽量ながら、最高水準の防水機能つき!上位機種に引けを取らない機能が◎です。
ヘルメット
コンパス
SILVA No.3
サイズ:54×108mm
重量:33g
コンパスといえば定番のこちら。精度の高さはもちろん、その耐久性は世界で認められているほど。
ファーストエイドキット
LIFELINE ファーストエイドキットS
サイズ::16×7×3.9cm
重量:117g
登山の必携アイテムであるファーストエイドキット。コンパクトながら必要最低限のアイテムは搭載されているので安心です。
充電器
ANKER Astro E1 5200mAh
サイズ:9.7×4.3×2.3cm
重量:119g
意外と重さのあるモバイルバッテリーの中でも小型で軽量なのがこちら。iPhone6または7なら、フルチャージが2回可能です。
防寒着
モンベル プラズマ1000ダウンジャケット
収納サイズ:10×14cm
重量:130g
モンベルのダウンは驚くべき軽さ。付属の袋にコンパクトに収納可能で持ち運びにも便利。世界最高品質である1000フィルパワーを誇り、保温性も抜群です。
着替え

Arc’teryx フェイズ SL LS クルー シャツ
重量:115g
超軽量なだけでなく、伸縮性・速乾性に優れたベースレイヤー。運動性の高い登山にも最適です。
いつもの装備と重量を比較すると…
厳選したUL装備のトータル重量はなんと、5.9kg!目標の7kgを1kgほど下回る結果に!今回はごはんと行動食がかなりストイックな感じなので、ちょっとアレンジした方が良さそうですね。
さらに、いつもの装備の重量と比べると、4.5kgも軽くなりました!これくらい軽くできれば、かなり快適に登山ができるのではないでしょうか。早速ギアを見直したいものです…
UL装備で快適&安全な登山を
いかがでしたか? いつものテント泊装備をちょっと見直すだけでも、自分至上最強のULテント泊装備ができちゃうんです!高機能で軽量なアイテムは物欲を刺激されるものの、手が出しにくい価格だったりもします。いきなり全部をそろえるのは難しいけれど、買い替えの際やこれからギアの購入を考えている場合に、重量も考慮に入れて参考にしてみてください。UL装備でより快適で安全な登山を楽しみましょう!