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UL化に大きく貢献する軽量テント


軽い!速い!簡単!ストックシェルター


少々ストイックに感じるかもしれませんが…
✔快適性よりとにかく軽量化を重視したいULハイカーやファストパッカー✔設営に手間を掛けたくない人
✔省スペースで設営できる幕体が欲しい人
は、ぜひ参考にしてみてください。
さて、それでは早速シェルター詳細について見ていきましょう!
ストックシェルターの4つのメリット
メーカーやモデルが異なっても特徴や寸法、設営方法などに差異はないため、本記事では、ストックシェルター共通の内容について説明します。①とにかく軽い!

やはりなんと言ってもその軽さです。「PRO」モデルは本体重量175g。 ペグやスタッフサック込みで200g。筆者保有のものは7年前の旧モデルですが、それでも総重量で実測約245gと超軽量。(トレイルシェルターは280g)
②めちゃくちゃ小さい!

収納時の大きさは、約17cmx8cm。 標準的な500mLペットボトルのサイズが約20cmx6cmのため、相当な小ささであることがわかります。 常にザックに放り込んでおいても気にならないサイズです。
③設営が超簡単!
なんと、ストック2本+ペグ2本で設営が完了! しかも、必要な設営時間はわずか1分です。 耐風性や快適性を上げるひと手間 (フットプリント挿入+左右のペグダウン) を入れるともう少し掛かりますが、それでも2分ほどで完了します。④ (オマケ) 目立つ!人気者になれる…かも?

ここはご承知を! ストックシェルターのデメリットは?
①居住空間が狭い!

対策:割り切って寝るだけにする!
着替えはWCなどで行い、煮炊きはシェルターの外で。お酒なども外で楽しみましょう。 ※そもそも煮炊きは外でが基本。
②完全防水ではない!

対策:好天予報のときに使用しよう!
縫製ラインはシームシーリング出来るので、自分でやっておいても良いでしょう。(但し、重量は微増) ただ、悪天候予報のときは、そもそもハイクを控えた方が良いですし、不幸にも天気が崩れてしまったときは、安全を考慮し、小屋泊に切り替えるなど臨機応変な対応が好ましいです。
③前室がない!

物を置く前室スペースはありません。これは靴も含めてシェルター内にすべて持ち込む必要があるということです。
対策:荷物をコンパクト化し、少しでもスペース確保に努めよう!
自身の持ち物すべてをシェルター内にしまう必要があるため、荷物全体のコンパクト化が必要となります。 また、登山靴/トレランシューズはビニール袋に入れ、必ずシェルター内にしまってから寝ましょう。 予想外の雨や朝露でびしょ濡れになると大変です。
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④結露しやすい!

対策1):こまめに拭けるよう吸水性の高いクロスを持参しよう!
筆者は結露をさほど気にしていませんが、クロスがあると便利です。
対策2):寝袋に防水対策をしよう!
足元は常にシェルター内壁と触れています。 また結露が溜まり、風が吹いて幕体が揺さぶられると室内に小雨が降ります。 寝袋が濡れないよう、シュラフカバーやViviなどで対策をしましょう。
対策3):ファスナーを少し開けておこう!
現行モデルならダブルスライダーになっているため、上下を少し開けておくことで換気の助けになります。
でも、デメリットは実はメリット?!
シェルターのデメリットをいくつか紹介しましたが、これはあくまで一般的に感じるだろうと思われることを列挙したまで。筆者自身は、実はまったくデメリットと感じていません。 逆に、ここまで携行性とスピード設営重視のミニマム仕様に特化してくれたことに感謝しています。 後は自分がどれだけ「重量」と「嵩」を許容し、「快適化」を求めるかの「足し算」ですので、いわばオプション追加を自分で選べカスタマイズできるのです。本当に優れたギアだというのが本音です。さて、ここまでで、ある程度ストックシェルターがどんなものかイメージできたと思います。 それでは実際の活用シーンを確認していきましょう!
驚くほど簡単! シェルターの設営手順
ミニマム設営方法 (筆者式)






尚、メーカーサイトでは②③の手順が逆ですが、風のある日は筆者式の方が設営しやすくお薦めです。
耐風性が欲しい場合は忘れずに


すべてが至って簡単です。 これならツェルトなどの設営の際に必要な細引き技術と知識がなくても設営できますね。
尚、ストックシェルターの「スピード設営」という良さをスポイルしないよう、筆者は強風時以外サイドのペグダウンは行いません。 但し、状況次第ですので、強風時や安心感を求める場合はペグダウンしましょう。
快適化したい場合は+αの改良アイデア
フットプリント(グラウンドシート)

筆者のフットプリントは、100均で購入したアルミシート。 採寸して、きっちりやりたい方も居られるでしょうが、ズボラな筆者が簡単な方法を紹介します。 風のない屋外、または屋内で作業しましょう。





ポイントは、幕体より少し小さめにカットすること。 万が一の降雨になった際、大きいと水溜りになります。

いざという時のために…細引きを用意!

ストックシェルター使用時の注意点まとめ
①雨予報のときは使用しない。
前述のとおり、耐水生地だが完全防水処理はされていないため、好天予報のときに利用しましょう。
②強風時にも控えるのがベター。
幕体そのものの大きさ・形状から、風に対する受圧面積が少ないため、風荷重は大きくありませんが、ペグ固定は2本、最大でも4本のため、強風時の使用は好ましくありません。
③設営場所を選ぼう。
なるべく風の影響が少ないテント場にて設営しましょう。 事前に調査し、樹林帯のテント場など幕営適地はたくさんあります。
④基本的に緊急用であることを忘れない。
このシェルターの良さは、軽量、且つコンパクト、設営がスピーディーなことです。 そのため、犠牲にしていることはたくさんあり、それらを求めることは出来ません。 快適性・安全性の程度をよく理解しておきましょう。
【総評】圧倒的なメリット勝ち!

尚、いくら簡単とは言え、事前に設営し手順を確認・練習しておきましょう。
それでは皆さま、どうぞ良い山行を!
信州トレイルマウンテン※人気商品のため、現在欠品中
文・出典表記がある写真以外の撮影 三宅 雅也 (山岳ライター、長野県自然保護レンジャー)