日本三霊山って知ってる?
霊山とは、神仏などをまつってある神聖な山。また、すぐれて立派な山のことを指します。古くから山自体を神聖視し、崇拝の対象とする山岳信仰が根強い日本ではこの『霊山』が数多く存在しています。その中でも、山岳信仰の頂点に立つ富士山・白山・立山の3つは「日本三霊山」と呼ばれているんです。
三霊山はそれぞれが表す象徴に違いがあり、立山は男性性を、白山は女性性、富士山は男性性と女性性を合わせた二元性を象徴しています。
日本三霊山①富士山
日本最高峰として名高い富士山は、有史以来度々噴火してきたことなどから人々に畏怖の念を抱かせる存在で、富士山を神と見立てるなど、富士山に対する信仰が自然と生まれていきました。信仰には山岳信仰や神道的なものから修験道の村山修験、民間信仰の富士講などいくつか種類がありますが、代表的なものとして浅間信仰があります。
女神「コノハヤサクヤヒメ」が宿る富士山
浅間信仰は、富士の山神である浅間大神を祀る神社が麓の各地で設立されるようになったことに端を発し、信仰が形作られ深まっていきました。この祀られている浅間大神というのが、コノハナノサクヤヒメのことだと言われています。
コノハナノサクヤヒメは日本神話の女神で、美しい女性であったことが古事記にも記述されています。天照大神の孫であるニニギノミコトを夫としますが、身籠った際に自分の子ではない疑いをかけられました。神の子なら無事に生まれるはずと、無実を証明するために小屋に籠って火をかけ、無事に出産を果たしたという火中出産の逸話があります。ちなみに、このとき生まれた子の孫が初代・神武天皇といわれています。
この火中出産の逸話が火山で秀峰の富士山と結びつき、富士山の神がコノハナノサクヤヒメとされるようになりました。