九重山(くじゅう連山)|コースは自由自在!貴重な植物が残る、日本有数の雄大な湿原も

2022/11/22 更新

九重山は九州最高峰の中岳を始めとした、1,700m級峰の連なりのことを指します。別名「九州の屋根」とも呼ばれ、古くから親しまれてきました。ラムサール条約登録湿地の坊ガツルなど、世界的にも貴重な自然遺産が残る場所。この記事ではくじゅう連山の魅力やおすすめコースをご紹介します。

山柳

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山柳

2018年から登山を開始した、中級ハイカーです。 千葉県近郊の山を中心に日帰り登山をしています。夏から秋にかけて、泊まりで山を登っています。 特筆すべきスキルがない私でも、さまざまな山に挑戦できることを伝えたいです。

山柳のプロフィール

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アイキャッチ画像撮影:YAMAHACK編集部

九重山ってどんな山?

九重山 稜線
撮影:YAMAHACK編集部
九重山(くじゅう連山)は阿蘇くじゅう国立公園の一部で、今も噴煙を上げる山がある火山群。山域は東西15kmにもおよび、20以上の火山が集合する地帯です。
くじゅう連山には15もの登山口があり、なかには初級者でも登れるコースも。主峰である久住山は日本百名山にも数えられ、その美しい山容は多くの文人から称えられています。

希少な植物が残る湿原

坊ガツル
出典:PIXTA
九重山の湿原「坊ガツル」は、標高1,200mにある吸収最高地点にある湿原です。地下水で植生が維持されている中間湿原としては国内最大級。長者原にあるタデ湿原とともに、ラムサール条約の登録湿地となっています。
坊ガツルはノハナショウブなど、さまざまな高山植物が咲き誇り、九重山の中でも人気が高いスポット。キャンプ地もあるので、ここで宿泊するのもおすすめです。

季節ごとに見どころが変わる自然風景

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出典:PIXTA
5月下旬〜6月中旬の季節は、九州の山ではミヤマキリシマが咲き始めます。その中でも、九重山のミヤマキリシマは、まるで花畑のように斜面に咲き誇ることで有名。ピンク色に染まる斜面は圧巻ですよ。
夏になるとルリタマアザミやイブキトラノオを始めとした花々が。秋になると、壮大な紅葉の絨毯が広がり、一目を見ようと多くの人が訪れます。

九重山の噴火警戒情報

硫黄山 噴煙
出典:PIXTA
九重山は今もなお活動が続けられている火山群。硫黄山の噴気孔群では、高温のガスが噴出しています。噴火警戒レベルは「1(活火山であることに留意)」ですが、登る前に最新の情報をチェックしてください。
気象庁|九重山

九重山の天気と地図をチェック

九重山に登る前に、天気を調べてから登りましょう。事前に地図を用意し、分岐などルートチェックしてから安全に登ってください。

昭文社 山と高原地図 阿蘇・九重 由布岳


九重山のおすすめコースをご紹介

九重山のなかで、おすすめのコースを紹介します。人気が高いのは①の牧ノ戸峠登山口から登るルート。アクセスもしやすいので、初めて登る方にもイチオシです。

初級者におすすめ!牧ノ戸峠~久住山往復コース
健脚向け!赤川登山口~久住山周回コース
秘湯を目指して!法華院温泉コース

初級者におすすめ!牧ノ戸峠~久住山往復コース

合計距離: 9.05 km
最高点の標高: 1748 m
最低点の標高: 1330 m
累積標高(上り): 577 m
累積標高(下り): -577 m

【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コースタイム:4時間15分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
牧ノ戸峠(25分)→沓掛山 (45分)→扇ヶ鼻分岐(30分)→久住分れ(5分)→分岐(15分)→分岐(15分)→分岐(5分)→久住山(5分)→分岐(10分)→分岐(10分)→分岐 (5分)→久住分れ (30分)→扇ヶ鼻分岐(40分)→沓掛山(15分)→牧ノ戸峠
牧ノ戸峠から主峰の久住山まで往復するルート。スタート地点ですでに約1,300mあり、標高差が少ないのでゆっくりと登れます。足をのばせば星生山や稲星山、中岳へも縦走も可能。
牧の戸登山口
出典:PIXTA
牧ノ戸峠はやまなみハイウェイの最高地点。ドライブやサイクリングの中継地点としても人気で、売店や飲食店、水洗トイレもありますよ。登山道の序盤は舗装された歩きやすい道が続きます。
東屋
撮影:YAMAHACK編集部
第一、第二展望台までは軽装の観光客でも登れる道です。途中に展望の良い東屋があるので、ここで休憩するのも良いでしょう。
九重山 樹林帯
撮影:YAMAHACK編集部
樹林帯を通りつつ、岩場のある道へと変わっていきます。
沓掛山
撮影:YAMAHACK編集部
牧ノ戸峠から約30分弱で最初のピーク、沓掛山(くつかけやま)に到着。山頂標識は登山道から少し上がったところにあるので見逃さないよう注意。天気の良い日は長者原や三俣山などが見えますよ。
星生山
撮影:YAMAHACK編集部
体力に自信のある方は扇ヶ鼻分岐を、星生山方面に行くのもおすすめです。北に三俣山、南に久住山が見える大展望が待っていますよ。
久住山避難小屋
撮影:YAMAHACK編集部
扇ヶ鼻分岐を右に進むと、気持ちの良い稜線歩きが待っています。星生山との合流地点には、令和2年にリニューアルした久住山避難小屋が。トイレも整備されていますよ。
久住分れ
出典:PIXTA
避難小屋のすぐそばには、久住分れという分岐があるので久住山方面へ向かいましょう。
久住山
撮影:YAMAHACK編集部
山頂付近は岩場に加え、ザレているので足元に注意してください。歩きにくい道を乗り越えれば九重山の最高峰、久住山の山頂に到着です。
御池
撮影:YAMAHACK編集部
余裕があったら稲星山~中岳を縦走してみましょう。御池というエメラルドグリーン越しに見る九重山は絶景ですよ。

健脚向け!赤川登山口~久住山周回コース

合計距離: 5.83 km
最高点の標高: 1745 m
最低点の標高: 1029 m
累積標高(上り): 746 m
累積標高(下り): -746 m

【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コースタイム:4時間10分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
赤川登山口駐車場(150分)→分岐(5分)→久住山(5分)→分岐(90分)→赤川登山口駐車場(30分)
久住山まで距離は近いですが、山頂付近に急登があるので、体力のある方向けのルート。マイカーのみのアクセスとなるので注意しましょう。熊本地震以降に再整備され、以前より歩きやすい登山道となっています。
赤川登山口
赤川登山口は人通りが少なく、静かな山歩きが楽しめるコース。最初はゆるやかな舗装路を歩いていきます。舗装路を進んでいくと、扇ヶ鼻と久住山の分岐が出てくるので、久住山側へ直進してください。
渡渉ポイント
途中には渡渉ポイントもありますが、近年整備されたおかげで橋で渡ることができますよ。
赤川登山口 登山道
雄大な久住山の姿が見えてくると、ガレた急登が始まります。転倒しないように注意しながら進みましょう。下山時も足を滑らさないように、気をつけてください。

秘湯を目指して!法華院温泉コース

合計距離: 10.2 km
最高点の標高: 1512 m
最低点の標高: 1034 m
累積標高(上り): 656 m
累積標高(下り): -656 m

【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コースタイム:5時間5分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ルート概要
くじゅう登山口(40分)→分岐(30分)→雨ヶ池越(42分)→あせび小屋(15分)→分岐(3分)→法華院温泉(90分)→すがもり越避難小屋(5分)→諏蛾守越(30分)→分岐(25分)→駐車場(25分)→くじゅう登山口
気持ちの良い湿原歩きが堪能できるルートです。秘湯「法華院温泉」は九州で一番高い場所にある温泉。法華院温泉で1泊して、翌日に三俣山へ登るのも楽しいですよ。

長者原ビジターセンター
出典:PIXTA
ビジターセンターの脇を通り、タデ原湿原の中を進んでいきます。タデ原湿原の植生を観察しながら進んでいきましょう。
雨ヶ池
出典:PIXTA
長者原自然研究路の森をを進んでいくと、雨ヶ池に到着します。雨ヶ池は平坦な登山道なので、ゆっくりと歩きながら景色を楽しみましょう。
坊ガツル 初夏
出典:PIXTA
雨ヶ池から約1時間ほど歩くと坊ガツルに着きます。広大な湿原のなか、整備された道を歩いていきましょう。
法華院温泉
出典:PIXTA
坊ガツルの北西には今回の目的地、法華院温泉があります。温泉ではシャンプやー石鹸は使えないので注意してください。下山する際は、往復して湿原を楽しむのも良いですが、どこから見ても三峰み見えることから名前がついた三俣山を眺めながら周回するのもおすすめ。

法華院温泉

鎌倉時代から続いたお寺が、明治時代に山小屋として生まれ変わった歴史ある施設。源泉かけ流しのお風呂からは大船や平治、立中の3つの山が見える大きな窓があります。売店の品々も充実しているので、補給ポイントとしてもおすすめ。
電話:090-4980-2810
営業期間:通年
料金:1泊2食付き(大部屋)一般/10,000円、小学生以下/4,000円、テント泊 800円、日帰り湯 500円
法華院温泉|公式サイト

各登山口へのアクセス

紹介した九重山登山口へのアクセスをご紹介します。駐車場の場所などをチェックしてから出発してください。

牧ノ戸峠登山口

【クルマの場合】
九州横断自動車道「九重」ICー県道40号ー県道681号ー県道40号ー県道40号/県道621号ー県道11号ー牧ノ戸峠駐車場

■牧ノ戸峠駐車場
台数:約200台
トイレ:あり
料金:無料
【公共交通機関の場合】
・JR久大本線「豊後中村」駅下車、九重町コミュニティバス「九重横断線」乗車ー「牧ノ戸峠」下車ー牧ノ戸登山口
・JR「別府」駅or「由布院」駅下車、九州産交バス「九州横断バス」乗車ー「牧の戸峠」下車ーくじゅう登山口
九重町|コミュニティバスの運行について産交バス情報サイト|九州横断バス

赤川登山口

【クルマの場合】
九州横断自動車道「九重」ICー県道40号ー国道210号ー県道681号ー県道40号ー県道11号ー国道442号ー赤川登山口 駐車場

■赤川登山口 駐車場
台数:約40台
トイレ:あり
料金:無料

くじゅう登山口

【クルマの場合】
九州横断自動車道「九重」ICー県道40号ー国道210号ー県道681号ー県道40号ー県道40号/県道621号ー長者原駐車場

■長者原駐車場
台数:約450台
トイレ:あり
料金:無料
【公共交通機関の場合】
・JR久大本線「豊後中村」駅下車、九重町コミュニティバス「九重横断線」乗車ー「九重登山口」下車ーくじゅう登山口
・JR「別府」駅or「由布院」下車、別府駅前本町バス停、九州産交バス「九州横断バス」乗車ーくじゅう登山口[長者原]下車ーくじゅう登山口

下山後に立ち寄れる温泉情報

温泉
出典:PIXTA
九重山は温泉地としても人気があります。下山時に立ち寄りやすい施設を紹介しますので、ぜひ立ち寄ってください。

九重星生ホテル

4種類の天然温泉が、かけ流しで楽しめる日帰り温泉があるホテルです。天然温泉のなかでも酸性緑礬泉は、皮膚病に良いとされ、飲めば胃腸にも効果があるとされている薬湯。湯船の種類は16種類もあるので、宿泊してゆっくり入浴するのもおすすめです。
住所:大分県玖珠郡九重町大字田野230
電話:0973-79-3111
営業時間:平日/10:00~19:30、火・金 /14:30~19:30、土・日/10:00~19:30(全日最終受付時間18:30)
料金:1,000円、小人(3歳以上小学生以下)500円

九重星生ホテル|公式サイト

赤川温泉 赤川荘

源頼朝時代に発見された、成分豊富なコバルトブルーのお湯が評判の温泉。赤川温泉のお湯は硫化水素と炭酸ガス、両方含まれている希少性の高いお湯です。美肌の湯としても有名で、飲めばデトックス効果も。赤川温泉石鹸と呼ばれる、源泉水を使った手作りの石鹸も販売されています。
住所:大分県竹田市久住町久住4008-1
電話:0974-76-0081
営業時間:10:00~18:00(最終受付17:00)、営業日/[金][土][日][月]
料金:大 人 1000円、小学生 700円、 幼児 500円、乳児 無料 (1歳未満)

赤川温泉 赤川荘|公式サイト

法華院温泉高原テラス

長者原ビジターセンターにほど近く、自然に溶け込むような立地で温泉が楽しめる施設です。鉄分を多く含んでいるため、疲労回復効果にもってこいの湯質。アメニティが豊富で、清潔感のある館内には休憩所もあります。
住所:大分県玖珠郡九重町田野260-1
電話:0973-79-2230
営業時間:11:00~19:00(※冬季12月~2月/11:00~18:00 最終受付17:00)
料金:500円

法華院温泉高原テラス|公式サイト

何度でも楽しめる広大な景色

九重山御池 稜線
撮影:YAMAHACK編集部
九重山は美しい湿原や、壮観な景色が楽しめる山です。初級者でも簡単に登れるコースもあり、レベルアップにも最適。登山口を変えて登れば、何度も違う魅力に触れられます。季節ごとに見どころが変わる九重山に登りに行きましょう!
※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。

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