軽くてコンパクトな寝袋がほしい!夏山登山におすすめなのは?
この夏、数日の休みを利用してテント泊や長期縦走にチャレンジする予定の人も多いのではないでしょうか。
どうしても荷物が多くなりがちなテント泊登山では、寝袋もできるだけ軽量でコンパクトに収納できるものがいいですよね。まずは、選び方のポイント2つを確認してみましょう。
①対応シーズン|どの時期・どんな山で使う?
夏用と冬用の大きさの違いは一目瞭然。夏用<3シーズン用<冬用と、対応シーズンが広がるほどにボリュームが増し、重くなる傾向にあります。
夏山で使うなら、夏用または3シーズン用を。各メーカーがモデルごとに「使用温度目安(耐久温度・快適温度)」を表記しており、一般的には「使用目安温度+5度」を目安に選ぶのがよいとされています。どのシーズン・どんな気候の山で使用するかを踏まえて選んでみましょう。
軽量さとコンパクトさを求めるなら夏用シュラフがおすすめです。ただし、山岳地域では天候によって気温が上がりにくかったり、夜間ぐっと冷え込むことも。理想はその時々で夏用と3シーズン用をうまく使い分けたいですね。
収納時のサイズ感は、2Lペットボトルを目安にしましょう。およそ高さ30cm×幅(直径)15cm程度です。重さは500g~600gほど。
夏は気温が高いので、比較的軽量でコンパクトな寝袋で対応できます。
②中綿の素材|軽量&コンパクトならダウンが優勢!
寝袋の中綿は、「化学繊維(化繊)」と「ダウン」の2種類があります。
化繊は比較的リーズナブルで、水濡れにも強いすが、小さくなりにくく、ダウン製品に比べて重量もあります。軽量さとコンパクトさを求めるなら、ダウン製品がおすすめです。
ダウンは、ダウンボールやフェザーの間に空気を溜め込むことで温かさを生み出します。収納する際は、その空気を溜め込む部分を押しつぶすことで空気が抜けるので、小さくコンパクトにすることができるのです。
その反面、ダウンは水濡れに弱いというデメリットも。一度濡れてしまうと乾きづらく、保温力が落ちてしまいます。テントの結露などでの濡れが心配な場合は、シュラフカバーを併用するとよいでしょう。
はじめての寝袋に人気!<モンベル>ダウンハガーシリーズ
保温性・快適性・軽量性のバランスの良さが人気のモンベルのダウンハガーシリーズ。900FP・800FP・650FPの3種類あり、かさ高を表すフィルパワー(FP)の数値が高いほど保温性があり良質で、軽量かつコンパクトですが、値段は高くなります。
製品名 | ダウンハガー650 | シームレス ダウンハガー800 | ドライ シームレス ダウンハガー900 | ||||
#5 | #3 | #7 | #5 | #3 | #5 | #3 | |
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税込価格 | ¥22,000 | ¥25,850 | ¥26,400 | ¥28,600 | ¥33,000 | ¥42,900 | ¥49,500 |
総重量 | 599g | 720g | 412g | 462g | 555g | 488g | 582g |
収納サイズ | 14×28cm | 15×30cm | 12×24cm | 12×24cm | 13×26cm | 12×24cm | 14×28cm |
快適温度 | 8℃ | 3℃ | 11℃ | 8℃ | 4℃ | 9℃ | 5℃ |
使用可能温度 | 3℃ | -2℃ | 7℃ | 3℃ | -1℃ | 5℃ | 0℃ |
ダウンハガー650 #5/#3
“ダウンハガー650”シリーズは製品名にもある通り、650FPの良質なダウンが封入されています。モンベル独自のスーパースパイラルストレッチ™システムは、最大伸縮率がなんと124%!就寝中の体の動きを妨げず、圧迫感のない寝心地です。
シームレス ダウンハガー800 #7/#5/#3
シームレスダウンハガーシリーズに封入されているのは高品質のEXダウンで、大きなダウンボールは小羽枝の密度が高く、保温性はもちろん軽くて収納性に優れています。表地には耐久撥水加工が施され、内側にはスーパースパイラルストレッチ システムを採用。
シームレス ダウンハガー800 #7シームレス ダウンハガー800 #5シームレス ダウンハガー800 #3
ドライ シームレス ダウンハガー900 #5/#3
シームレス ダウンハガーの上位モデル。軽量性・収納性の他に防水透湿素材(ゴアテックス インフィニアム™ ウインドストッパー® ファブリクス)を採用しています。使用時の蒸れや湿気を逃し、身体もダウンもドライな状態をキープ。防水スリーピングバッグなので、シュラフカバーは不要です。
ドライ シームレス ダウンハガー900 #5ドライ シームレス ダウンハガー900 #3
日本の山岳シーン向け!<イスカ>エアシリーズ
イスカのシュラフは6つのシリーズがあり、その中でも“エア”シリーズは「かるい・ちいさい・あたたかい」をコンセプトに日本の山に対応したシュラフです。そして“エア”シリーズは、「エア」「エアドライト」「エアプラス」の3種類のモデルがあります。
製品名 | エア | エア ドライト | エア プラス | |||
280X | 190 | 290 | 480 | 280 | 450 | |
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税込価格 | ¥3,1900 | ¥24,750 | ¥30,800 | ¥40,700 | ¥37,400 | ¥47,300 |
平均重量 | 570g | 415g | 560g | 870g | 550g | 840g |
収納サイズ | 14×24cm | 12×21cm | 14×24cm | 16×32cm | 14×24cm | 16×32cm |
最低使用温度 | 2℃ | 8℃ | 2℃ | -6℃ | 2℃ | -6℃ |
FP | 800FP | 750FP | 750FP | 750FP | 800FP | 800FP |
エア 280X
「日本の夏山の定番のシュラフ」と謳われているエア280X。アウターシェルの生地は耐熱性・耐摩耗性と引き裂き強度に優れた“ナイロン66”を使用しているので、永く愛用できます。特に、夏の北アルプスのテント泊などにおすすめです。
エアドライト 190/290/480
エアを基本に作り出されたエアドライトは、750FPのダックダウンを封入しています。そのダウンには撥水加工が施され、湿気や濡れなどのデメリットを防止。保温性を保ちながら、シュラフ内はドライで快適です。エアドライト290とエアドライト480は、ショートサイズも展開中。
エアプラス 280/450
“エアプラス”シリーズは、「かるい・ちいさい・あたたかい」をさらに極めたダウンボールの大きいグースダウンを採用したフラッグシップモデル。かさが高く細かい小羽枝はたくさんの空気を抱えるので、高い保温性のほか軽量性にもつながります。
最上位モデル!<ナンガ>オーロラライトシリーズ
シュラフカバーのいらない防水シュラフ”オーロラ”を継承しつつ、軽量性と収納性を実現した”オーロラライト”シリーズ。使用する季節によって、夏向けの円筒状のシングルキルト構造・保温性能を活かす四角状のボックスキルト構造・効率良く保温できる台形状のボックスキルト構造を採用しています。
製品名 | オーロラライト | |
350DX | 450DX | |
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税込価格 | ¥37,400 | ¥42,900 |
総重量 | 750g | 865g |
収納サイズ | 13×25cm | 14×30cm |
快適使用温度 | 5℃ | 0℃ |
下限温度 | 0℃ | -5℃ |
FP | 760FP | 760FP |
オーロラライト
防水透湿性を持つナンガ開発の15デニールの“オーロラテックス®”に、15デニールの軽量かつ丈夫なリップストップナイロンを裏地に採用。また“オーロラライト”シリーズはヨーロッパ産のホワイトダックダウン(DX)を使用し、コストパフォーマンスにも優れています。
コスパを追求したい人に最適!<タケモ>のダウンシュラフ
生地やダウンなどの素材と、快適に使用できるような構造にこだわりながらネット販売のみに限定し、「本物と呼べる良いものをより安く!」を実現。シュラフメーカーに30年勤務した創立者のノウハウが詰まった、こだわりのシュラフを展開しています。
製品名 | スリーピングバッグ | ||
2 | 3 | 5 | |
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税込価格 | ¥20,900 | ¥24,200 | ¥30,800 |
重量 | 約500g | 約730g | 約960g |
収納サイズ | 13×25cm | 15×28cm | 17×34cm |
最低使用温度 | 8℃ | 2℃ | ー6℃ |
FP | 750FP | 750FP | 750FP |
スリーピングバッグ
表地と裏地には、とても軽くて丈夫な20デニールのポリエステルに撥水加工を施し、ダウンは高品質の750FPのホワイトダックダウンを封入。シングル構造やボックス構造、またネックチューブなど、スリーピングバッグのモデルによって最適な機能を余すことなく採用されています。
1万円台!ひとまず安い寝袋を試してみたいなら……
シュラフは登山装備の中でも、それなりの価格になってしまうものの一つ。「頻繁にテント泊するかまだ分からない」「本格的なシュラフを買う前に、一度安いシュラフで試してみたい」と言う人は、1万円台のシュラフを検討してみるのも一つの手です。
<Naturehike> マミー型ダウン寝袋
スリーシーズン用のシュラフで、グースダウンが300g封入されています。肩口には冷気の浸入を防ぐショルダーウォーマーが付いていますが、頭部を包むフードはないので、夏山や低山やキャンプなどにおすすめです。表・裏生地は撥水加工を施した20デニールの400Tダウンプルーフナイロンで、濡れを防いで汚れも付きにくく、乾燥時に吊り下げられるループ付き。
<Naturehike> マミー型ダウン寝袋 CW300
【重量】約630g
【収納サイズ】約φ13×29cm
【最低使用温度】約0℃
【FP】750FP
<Soomloom> マミー型ダウン寝袋(羽毛量600g)
重量は1kgを越えますが、頭部を包む調節可能な3D立体フードが付いています。密度の高い400Tナイロンは肌触りが柔らかく、軽い防水機能が備わっています。ファスナーは両開きで、使用する季節によって温度調節も容易。収納袋にコンプレッションベルトが2本共縫いされているので、巾着タイプの収納袋より効率良く圧縮できます。
<Soomloom> マミー型ダウン寝袋
【重量】1.1kg
【収納サイズ】20x23㎝
【最低使用温度】‐5℃
【FP】650FP
秘密兵器「コンプレッションバッグ」でさらにコンパクトに!
もっとコンパクトになればいいのに……そんなときは、圧縮して体積を小さくできる「コンプレッションバッグ」を活用してみましょう。
軽くてコンパクトなシュラフは、夏山登山を快適にしてくれる!
重いテント泊装備を担いで長時間歩くのは大変ではありますが、そのぶん夏山の魅力を存分に堪能することもできます。寝袋やマットは、しっかりと睡眠をとってそれまでの肉体疲労を軽減し回復するための大切なアイテム。紹介したシュラフは、それぞれメーカーごとに特徴がありますが、初めてのシュラフにもぴったりです。ぜひ気になったシュラフを手に取って、夏山でのテント泊を快適に過ごしましょう。