目次
シュラフカバーってそもそも何?

役割としては主に2つで、一つがシュラフを濡れから守る「防水」機能。もう一つが熱を保持してくれる「保温」機能です。
この2つの機能だけでも、山では大きな力を発揮してくれる大切な機能なんです。
1枚あるだけで段違い!
まずはシュラフカバーの2大機能である「防水」と「保温」。それぞれについて詳しく解決します。雨や結露から守る「防水機能」

「テント内が結露して、シュラフが濡れてしまった」
そんな経験ありませんか?実はそれ、ダウンシュラフとしては黄色信号かも。
高い保温性を誇るダウンですが、ダウンは水に弱く、濡れると保温力が極端に低下してしまうんです。
シュラフが濡れて凍えた夜を過ごさないためにも、シュラフを濡れないよう守る必要があります。

シュラフカバーは防水性の高い素材で作られているものが多く、雨や結露はもちろん、うっかりテント内で水をこぼしてしまうようなアクシデントからもシュラフを守ってくれます。
完全防水のものから簡易防水で価格を抑えたものまで、幅広く販売されているため、想定される状況に合わせて選び、しっかりシュラフを守っていくことが大切です。
シュラフ(寝袋)を補う「保温機能」

シュラフカバーをつけるとシュラフとの間に空気の層ができるため、保温力のアップが期待できます。
中には、内側がサバイバルシートのような熱を保持させる素材で作られているものも。

シュラフの保温力アップについては、下記の記事でもまとめているので参考にしてみてください。
防水・保温だけだと思ってない?他にこんな役割も!
メインの役割は防水・保温機能ですが、活用方法はそれだけにとどまりません。今回は代表的な5つの活用方法をご紹介します。①単体でシュラフの代わりに

サイズもシュラフと比べると圧倒的にコンパクトなため、荷物を極限まで少なくしたい登山者やウルトラハイカーの方にもおすすめです。

②パックライナーとして

ゴアテックス素材であれば完全防水で安心ですし、そうでない場合も更にザックカバーを併用して防水性を強化すれば、雨量の多い雨でも高い防水性を期待できます。
③シュラフの汚れを防止

「もしシュラフにコーヒーや飲みものをこぼしてしまったら‥」想像するだけで洗うのが面倒ですよね。
シュラフカバーをつけていれば、万が一コーヒーや食べ物をこぼしてしまったとしてもシュラフカバーのみを洗い、シュラフ自体は乾かす程度でOK。メンテナンス性が格段にアップします。このおかげでテント内での過ごし方がかなり楽になりました。
④非常時のシェルターとして

その点シュラフカバーであれば、体全体をすっぽりと覆うことが可能。ツェルトと合わせて使うことで風をシャットダウンでき、保温性が格段に高まります。
万が一のアクシデントでも力を発揮してくれるのがシュラフカバーなんです。
⑤山小屋泊でシーツ代わりに

ガザガサした素材のものだとやや快適性が落ちてしまう可能性があるため、素材が柔らかいものを選べばより快適に使うことができます。
逆にこんなデメリットも
シュラフの蒸れ、濡れの原因に

人は寝ている間にコップ一杯分ほどの汗をかくと言われています。実際寒い場所でシュラフカバーを使って一晩寝ると、朝には上の写真のように内側に水滴がびっしりついていることがあります。
もちろんシュラフカバーには透湿性が高い素材が使われているため、高いレベルで蒸れを防いでくれますが、シュラフ単体で使ったときと比べればどうしても蒸れやすくなってしまいます。
ある程度の蒸れは仕方ないと割り切りつつ、できる限り水分を外に出せるよう、透湿性の高い素材を選ぶことが大切です。
荷物が増える

軽量性を優先させたい方は、2レイヤー(後ほど解説)のコンパクトなものを選ぶか、もしくは必要性が低いと思われる状況なら持っていかないというのも一つの選択肢です。
安くはない価格
安いものであれば6000円前後ですが、高機能なものだと2万円を超える製品も。試し買いをするには勇気のいる価格ですよね…。自分に必要か否かをしっかり調べた上で購入することが大切です。防水性の高いシュラフを買ってしまうのもあり
最近はシュラフカバーが不要の、防水性・保温性が高いシュラフが販売されるようになりました。これであればシュラフカバーは不要なため、追加で持っていく必要もなくなります。ただネックなのは値段が高いということ‥。予算に余裕があれば是非検討してみてください。
フィルパワー スパニッシュダックダウン80-20% (650FP)
・総重量:1,185g
・ダウン量:500g サイズ レギュラー
・収納サイズ:21×28cm
・快適使用温度:下限温度 1℃ / -4℃
暖かい
フワフワで気持ちいいです。温まったら足元のファスナー開けて換気出来るのがよかったです。そして、ファスナー光るのが気が利いていますね。ネットが付属されており普段は吊り下げております。なぜなら収納袋に詰め込むのにとても、時間がかかって苦労するからです。
出典: 楽天みんなのレビュー
シュラフカバーはこんな人におすすめ!
ここまでシュラフカバーの隠れた役割や懸念点をお伝えしてきましたが、結論としてすべての人にシュラフカバーが必要というわけではありません。ここではシュラフカバーをおすすめしたい人を大きく3つに分けてご紹介します。
①厳冬期のテント泊登山をする人

②2泊以上のテント泊登山をする人

ただ2泊以上となるとそうはいきません。初日に濡れたら翌日以降もずっと同じ状況で使わないといけなくなりますし、乾かそうとしても気温の低い山ではなかなか乾きません。寒い思いをしないためにも、長い期間山にいる場合はシュラフカバーを持っていくと安心です。
③シュラフを汚したくない方

以上3つのシーンに分けて解説しましたが、あくまでも代表例のためこれらが全てではありません。1泊だとしても明らかに雨が予報されているテント泊登山や、緊急用のツェルトとして持っていきたい場合など、その時の状況に合わせて持っていくか否かを検討してみてください。
シュラフカバーの選び方
シュラフカバーが必要なシーンがわかってきたところで、次にシュラフカバーの選び方をご紹介します。①2レイヤーか3レイヤー
シュラフカバーには2レイヤーと3レイヤーがあり、それぞれ異なる良さがあります。・軽くコンパクトな2レイヤー

表地と防水透湿素材の2層でできているのが2レイヤータイプ。生地が薄いため、軽量でコンパクトに収納できるのが特徴です。

内側は防水透湿素材が露出しているため、単体での使用は基本的にはできません。

■2レイヤーはこんな人におすすめ:
軽量化・コンパクト化をしたい人、手頃なものを買いたい人
・防水・透湿性の高い3レイヤー
3レイヤーは表地と防水透湿素材に合わせ、裏地を併せもったタイプです。裏地があることで、内側の素材が結露を吸って拡散してくれるため、高い透湿性を期待できます。


■3レイヤーはこんな人におすすめ:
単体でも使いたい人、高い透湿性を求めたい人、値段が張ってもずっと使い続けられるものを買いたい人
②素材を選ぶ
最も高機能な素材として代表的なのが「ゴアテックス」です。防水性、透湿性ともに高く、シュラフカバーに求めたい機能を高レベルで満たしてくれます。厳冬期の登山や長期間の登山を考えている人は是非検討したい素材です。

③シュラフのサイズに対してゆったり目を選択
意外と大事なのがシュラフカバーの横幅。ゆったり余裕のあるものでないとダウンを圧縮してしまい、保温効果を低下させてしまいます。
④ジッパーのあり、なし
シュラフカバーには、ジッパーがあって大きく開くものと、ジッパーがなく上からかぶせる2つのタイプがあります。
一方ジッパーなしだと軽量でコンパクトなものが多いですが、かぶせるのを面倒に感じる場合があり、温度調整もジッパーあり程には簡単ではありません。
■それぞれこんな人におすすめ
ジッパーあり:快適性を重視する人
ジッパーなし:コンパクトさ・軽量性を重視する人
おすすめのシュラフカバーを紹介
ここまですでにいくつかのシュラフカバーを紹介してきましたが、最後にそれらも含めておすすめの商品を素材別にご紹介します。①ゴアテックス
・平均重量 : 360g
・サイズ : 87cm×209cm
・収納サイズ : 7×8×22cm
3層ゴアテックスはやはり高いだけあって高性能です。ある程度寒さ慣れしている人なら夏はシュラフなしでオーケーなので軽量化に役立ちますね。冬の結露状況を早く試したいと思います。
出典: 楽天みんなのレビュー
シュラフカバーの中では最も高価格帯ですが、ゴアテックス素材で作られたその機能性の高さは折り紙付き。厳冬期登山者から縦走登山者まで幅広い方に支持されています。
②防水透湿素材
モンベル「タイベック スリーピングバッグカバー」軽量で携帯性に優れたシュラフカバーです。タイベックという通気性・透湿性を兼ね備えた素材が使われており、蒸れを抑えた快適な睡眠をサポートしてくれます。価格が抑えられているのも大きな魅力です。
モンベル タイベック スリーピングバッグカバー|公式サイト
・重量:260g
・サイズ:215cm×85cm
・収納時:26cm×20cm
老舗のテントメーカーとしても有名なアライテント。東レが開発した透湿性の高い素材が利用されたシュラフカバーは、3レイヤーながら軽量で、単体でも使えることが魅力です。
・重量:222g
・サイズ:76㎝×220㎝
・収納サイズ:12㎝×8.5㎝
ファイントラックが独自に開発した素材「エバーブレス®3D」が高い防水透湿性を発揮します。225gと軽量ながら単体でも使えてしまうという、軽量さと強度を兼ね備えたシュラフカバーです。
・平均重量 : 約265g(収納袋9g含む)
・サイズ : 83cm×202cm
・収納サイズ : 18cm×12.5cm×8cm
旭化成が開発した「30Dリップストップナイロン(2レイヤー)」という素材が使われており、高い耐水性と透湿性を兼ね備えています。ファスナーが上下両方から開けられることから温度調節も簡単です。
③その他
SOL「エスケープヴィヴィ」
SOL|エスケープヴィヴィ|スター商事販売サイト
・重量 : 156g
・サイズ : 81cm×208cm
・収納サイズ : 8cm×15cm
\本日限定ポイント5倍!/
楽天市場で見るエスケープヴィヴィのライトバージョン。高い保温機能はそのままに、ファスナーをなくし、生地を更に薄くしたことで156gという軽量さとコンパクトさを実現しています。コンパクトさ・軽量さを重視したい方におすすめの製品です。
コロナ禍で「インナーシーツ」か「シュラフカバー」を求める山小屋も

寝具の用意はありますが、インナーシーツ着用の上ご利用をお願いします。(燕山荘公式HPより)
基本的にはインナーシーツ、シュラフカバー、どちらでも問題ありませんが、より快適性を求めるのであれば肌触りのよいインナーシーツを、シュラフの防水や汚れ防止用として今後も使いたいという場合はシュラフカバーを購入するのが良いでしょう。
シュラフカバーを使ってより安心の登山を!

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