ザック買わないとテント泊は無理…?かさ張るアイツを【秘密兵器】で黙らせろ!

2021/07/16 更新

登山者なら誰もが憧れるテント泊。「日の入りと共に寝て日の出と共に起きる」という生活は、現代人にとっては新鮮で気持ちがいいものです。しかし、テント泊デビューには何かと障壁も多いのは事実。技術的な問題もさることながら、その初期費用も大きなハードルです。今回は、そんな初期費用を抑えるのにも役立つ「コンプレッションバッグ」の実力を検証していきます!


アイキャッチ画像出典:PIXTA
※出典表記の無い画像は全て筆者撮影

テント泊デビューしたい!でも…道具かなり増えるよね…

テント泊
出典:PIXTA
「まだ山小屋泊しかしたことないけど、今年はテント泊デビューだ!」

山小屋には山小屋の、テント泊にはテント泊の良さがあります。テント泊した人にとっては「山小屋より気楽!」「より自然を身近に感じる」等々の意見は、多くの人が同意するはず。

個人的には、”一度装備を揃えてしまえば”山小屋泊よりも費用を抑えて楽しめるのも重要な魅力だと思います。
しかし、山小屋泊しかしたことがない人にとっては、テント泊は少しハードルが高いもの。

お金がかかる
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そのハードルには様々なことが考えられますが、「一度装備を揃えてしまえば」と前置きした通り、テント泊の世界に足を踏み入れる時のハードルの一つが、装備選び。新たに揃える必要があるアイテム数はなかなかのものです。

また、その初期費用も馬鹿にならず、「いかに賢く安くあげるか?」に頭を悩ます登山者も多いはず。いかにして既に持っているものを活かし、新たに購入するアイテムを最低限に抑えるかがポイントになってきます。

山小屋泊用に使っていたザック、テント泊でも使えるか?

筆者が持っている持っているのは「35L」のザック。一般的に山小屋泊には35~40L程度のザックが推奨されており、筆者も山小屋泊には十分のサイズでした。この容量、果たしてテント泊でも十分に使える容量なのでしょうか?

写真はミレーの定番ザック「SAAS FEE 30+5」。30~35Lのオーソドックスな中型ザックで、一般的には日帰りから、1泊2日~2泊3日程度の山小屋泊に推奨される容量です。
使えなかった時はテント泊の道具にプラスして、ザックの買い替え(2~4万円前後)が発生します。もし買い替えなくても大丈夫であればその出費を抑えられたら嬉しいですよね。
今回は実際のテント泊を想定して装備を準備し、ザックのサイズについて検討してみようと思います。正直、テント泊の装備一式が追加で収まる気が…しません…。

テント泊に必要な装備を並べてみると…やっぱり多い!

実際、私がテント泊に行くと想定して、最低限必要なアイテムを準備してみました。今回はアルコール類やおつまみなどは含まれておらず、食事も軽量化を意識した内容。
文字通り最低限のラインナップですが、やはりアイテム数が多いことはお分かりいただけると思います。
※1泊2日の夏山を想定
packingitems
特に、宿泊関係のアイテムがとにかく大きい。中でも、マットとシュラフはため息が出るほどの大きさです。この2つでザックの半分近くを占領しそうなほどのサイズ感ですよね。しかし、このサイズを何とかできれば、35Lのザックに全てパッキングするのも不可能ではないかもしれません。

(1)ナルゲンボトル(1L×2本)
(2)食料
(3)調理器具(食器類、バーナー一式、軍手・ライター)
(4)ファーストエイドキット
(5)着替え(Tシャツ、下着、靴下)
(6)行動食
(7)ペグ
(8)サングラス
(9)ヘッドランプ・予備電池
(10)防寒着
(11)シュラフ
(12)ザックカバー
(13)トイレットペーパー・ライター
(14)レインウェア
(15)テント一式
(16)グランドシート
(17)マットレス
※写真には含まれていないが、地図・コンパスと筆記具はサコッシュで別途携行

秘密兵器「コンプレッションバッグ」を使ってみたら…?!

コンプレッションバッグ
出典:Amazon
シュラフのサイズダウンができれば何とかなるかも、との思いを込めて…ここで使ってみたのが「コンプレッションバッグ」。「モノを圧縮して体積を小さくする」ための秘密兵器です。着替えなどの布製品全般に使えますが、シュラフのようなかさ張るものほど効果てきめん
これを使ってシュラフを十分にコンパクト化できれば、ザックの買い替えは不要になるかもしれません。

改めて整理すると、手持ちのザック(35L程度)にテント泊の装備が入らなかった時に考えられる選択肢は以下の2つ。

(1)一回り大きいザックを新たに購入する→2~4万円前後の出費
(2)コンプレッションバッグでシュラフを圧縮して解決→4千円前後の出費

どちらを選ぶのが正解ということは有りませんが、(2)のコンプレッションバッグで解決できれば、かなりの出費を抑えられます。その上、コンパクトなザックでテント泊が出来るとなればまさに一石二鳥。これは試さない手はないでしょう!

しかし、果たしてどの程度コンパクトになるのでしょうか?実際にコンプレッションして検証してみましょう。

化繊とダウンそれぞれのシュラフを準備

シュラフ比較 検証に使用するのは、中綿が化繊ダウンの2タイプのシュラフ。(対応温度は概ね同じ)化繊は水濡れに強いが重く、ダウンは軽量だが水濡れに弱いという相反する特徴を有し、どちらも優劣つけ難い性質を持ちます。
ダウンシュラフは化繊シュラフに比べて元々コンパクトですが、さらにコンパクトにできたら尚嬉しいですよね!

そこで、今回は両方の素材のシュラフで検証していきたいと思います。

写真左:【化繊シュラフ】イスカ パトロール ショート(税込:7,700円)
写真右:【ダウンシュラフ】モンベル ダウンハガー800 W’s #3(税込:31,900円)

使うコンプレッションバッグはこちら

コンプレッションバッグ比較
使用するコンプレッションバッグは、イスカの「ウルトラライト コンプレッションバッグ」。化繊シュラフにはMサイズ、ダウンシュラフにはSサイズを使用しました。

コンプレッションバッグのサイズが大きいほどシュラフを詰め込みやすいというメリットはありますが、あまり大きすぎても適切なサイズにまでコンプレッションできません。詰め込みやすさと圧縮性のバランスを見極めたサイズ選びが重要です。

コンプレッションバッグの効果はいかに?使用前後で驚きの差が!

さて、それでは実際にコンプレッションバッグを使用して、シュラフを思いっきり圧縮してみましょう!果たして、どの程度の差が出るのか…。シュラフ単体の場合と、最終的なパッキング時のサイズでいざ比較!

①シュラフ単体でどこまで小さくなる?

【化繊シュラフ】
synthetic まずは化繊シュラフから。元のサイズと比較すると、約75%程度にまでサイズダウンしました!手に持った時もサイズの割にずっしりと重く、ギュッと詰まった感覚。コンプレッションバッグの使用前後でサイズ感も非常に異なる印象です。これはパッキング時にも大きな差が出そう!

【ダウンシュラフ】
down 次にダウンシュラフです。写真で比較すると、約70%にまでサイズダウンし、圧縮率は化繊シュラフを上回っています。一方で、手に持った時の印象としては、コンプレッションバッグの使用前後で化繊シュラフほどの差は感じられません。これは、ダウンシュラフがもともとコンパクトなため、削減した体積の絶対量が少なかったのが理由でしょう。

②パッキング時にどれだけの差が出る?

さて、ここからが本番!いよいよ35Lのザックにテント泊の装備一式を詰め込んでいきます。果たして、全てのアイテムをパッキングできるのでしょうか?また、コンプレッションバッグの使用前後でどのような差が出るのでしょうか?必見です!

【化繊シュラフ】
packing_synthetic さて、化繊シュラフの場合、その違いは一目瞭然。コンプレッションバッグを使用しない場合、マットレスはザック内に収まらず、丸めて外付けという形でお茶を濁す結果に。これでは雨天時にレインカバーを装着しづらい上、左右に出っ張ったマットレスが狭い岩場や藪に引っ掛かりやすく、快適性や安全性に欠けてイマイチ。

一方、コンプレッションバッグを使用するとその差は歴然。かなりギリギリながらも35Lのザックにキッチリ収まりました!ここまでの差が出るとは…コンプレッションバッグ、恐るべし。

【ダウンシュラフ】
packing_down 一方、ダウンシュラフはというと、コンプレッションバッグを使用しなくても全て収納することが出来ました。さらに、使用前後を比較してみても、正直、大きな違いは感じられませんでした。

というのも、コンプレッションバッグ未使用の状態でもシュラフがコンパクトなため、ザック内の荷物の隙間にねじ込むようにパッキングすることで同程度に圧縮することが出来てしまったのです。正直、ダウンシュラフを使用している場合にはコンプレッションバッグの恩恵は受けにくいと感じました。

化繊シュラフでより効果を発揮!

化繊シュラフ
出典:PIXTA
コンプレッションバッグを使用することで、テント泊に必要なアイテムをパッキングすることが出来ました!特に、化繊のシュラフに対して絶大な威力を発揮するという結果に。ただし、いくらコンパクトになったとは言え、残念ながらダウンシュラフの小ささには敵いませんでした…。

しかし、シュラフもこれから購入するという方にとって、化繊シュラフ+コンプレッションバッグの組み合わせ(約11,000円)の方が、ダウンシュラフ単体(29,000円)よりも安価なのは大きなメリット。また、かさ張ってしまう化繊シュラフですが、濡れに強い特性は非常に頼りになります。
長期縦走などで様々な天気への対応が想定される場合には、化繊シュラフ+コンプレッションバッグの組み合わせも賢い選択の一つになるでしょう。

コンプレッションバッグの使い方はとっても簡単

コンプレッションバッグを使うのはとても簡単!

(1)シュラフを詰める。シュラフに付属のスタッフバッグの代わりにコンプレッションバッグを使用すればOK!
(2)コンプレッションバッグのベルトを均等に締めていく。

この2ステップでOK!

細かい注意点は、実際に動画でも確認してみましょう。

コンプレッションバッグはテント泊デビューの救世主になり得る!

テント泊デビュー
出典:PIXTA
シュラフが大きくて諦めていた人も、コンプレッションバッグと組み合わせれば35Lザックにテント泊装備のパッキングも夢じゃない!という事が分かりました。もちろん、持っている道具・必要な道具は人それぞれなので一概に”絶対できる!”とは言えませんが。

まだ自分の登山スタイルが明確でなかったり、今後は長期縦走にも挑戦してみたいという方には非常におすすめの組み合わせです。

今回ご紹介したコンプレッションバッグは、道具をコンパクトに抑えるための一例に過ぎません。他にも、マットレスをエアマットに変更するなど、自分なりのコンパクト化を追求するのも登山の醍醐味。全部買わないとテント泊を始められない・・・とあきらめてしまう前に、まずは自分が持っている道具でどうにかできないか、チャレンジしてみましょう!

 

▼ダウンシュラフに使用したのはこちら
ITEM
ISUKA(イスカ) ウルトラライト コンプレッションバッグ S
平均重量:120g
サイズ:φ15×40cm
カラー:グリーン
参考価格:3,300円(税抜)


▼化繊シュラフに使用したのはこちら
ITEM
イスカ(ISUKA) ウルトラライトコンプレッションバッグM
平均重量:140g
サイズ:φ18×48cm
カラー:ロイヤルブルー
参考価格:3,700円(税抜)

ITEM
キャンプ イスカ(ISUKA) ウルトラライトコンプレッションバッグ L
平均重量:160g
サイズ:φ22×53cm
カラー:グレー
参考価格:4,000円(税抜)

ITEM
ISUKA(イスカ) ウルトラライト コンプレッションバッグ LL
平均重量:180g
サイズ:φ26×55cm
カラー:イエロー
参考価格:4,500円(税抜)

ITEM
SEA TO SUMMIT(シートゥーサミット) コンプレッションサック/S
容量:S=3.3~10リットル
重量:128g
サイズ:S/10リットル=18×40cm

ITEM
SEA TO SUMMIT(シートゥーサミット) コンプレッションサック/M
容量:M=4.5~14リットル
重量:M=156g
サイズ:M/14リットル=20×46cm
価格:2,530円(税抜)

ITEM
SEA TO SUMMIT(シートゥーサミット) コンプレッションサック/XL
容量:XL=10~30リットル
重量:XL=215g
サイズ:XL/30リットル=27×58cm
価格:3,190円(税抜)

紹介されたアイテム

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早太朗

長野県・南信地方在住。大学時代は山漬けの日々。卒業後も、そのまま山の世界へ。 興味の対象はアルプスから里山へと移り、身近な山の楽しみ方を探求中です。

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