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手軽な里山から歩き応え抜群の名山まで!西武池袋線沿線のハイキング・登山スポット10選(2ページ目)

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駅から駅へ。達成感抜群の縦走コース

縦走コースが設定しやすいのも魅力の西武池袋線沿線
撮影:鷲尾 太輔(縦走コースが設定しやすいのも魅力の西武池袋線沿線)

鉄道沿線登山の大きな魅力のひとつが、駅と駅を結んだ縦走コースが設定しやすい点です。特に西武池袋線の多くは、駅が奥武蔵の山々の登山口になっていることが多いため、体力やスケジュールに合わせたさまざまな縦走コースを楽しむことができます。

⑤子の権現(西吾野駅〜吾野駅)

子の権現MAP
地図の出典:YAMAP(ST=鉄道駅)

体力レベル: ★★☆☆☆

日帰り|約3時間55分

参考: らくルート

技術的難易度: ★★☆☆☆

・急な登下降がある
・案内標識が不十分な箇所が含まれる
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

凡例:グレーディング表

コース概要

西吾野駅(15分)→子ノ権現入口(15分)→小床峠入口(10分)→静之神社(25分)→天寺へ十二丁石(40分)→西吾野駅・御嶽山分岐(25分)→子の権現(45分)→滝不動(5分)→青場戸(30分)→登山口(25分)→吾野駅

子の権現本堂
撮影:鷲尾 太輔(子の権現)

子ノ山(ねのやま・640m)の山頂周辺は、大鱗山雲洞院天龍寺(だいりんざんうんどういんてんりゅうじ)という天台宗の寺院の伽藍となっています。

平安時代の西暦911年に、修験道の高僧・子ノ聖がこの地に十一面観音を祀って創建。その後、弟子の恵聖上人が子ノ聖を大権現と崇め、境内に大権現社を造営したことから、子の権現(ねのごんげん)という寺名が一般的になりました。

境内には重さ2トンという日本一の鉄わらじや、夫婦下駄と呼ばれる2足の巨大な鉄下駄が安置されており、足腰守護のご利益がある寺院として信仰されています。

登山者はもちろん、力士や陸上競技などのスポーツ選手も数多く参拝しており、わらじをかたどった御守りも人気です。

日本一の鉄わらじ
撮影:鷲尾 太輔(日本一の鉄わらじ)

境内からの眺望もよく大宮・新宿・横浜に至るまでの都心のビル群や、視界の良い日には東京スカイツリー・筑波山なども見渡すことができます。山頂直下までクルマで行くこともできますが、健脚祈願のためにも歩いて訪れたい古刹です。

西吾野駅から子の権現をめざす途中にある静之神社は、岩盤の上に建つ社殿が神秘的な地元・小床(こいか)集落の鎮守様。また、吾野駅へ下山する途中には、赤いお堂が目印の滝不動や、紅葉の名所でもある東郷公園を神苑とする秩父御嶽神社などの寺社が点在しています。

子の権現とあわせて、これらのパワースポットめぐりを楽しむのもおすすめです。

⑥関八州見晴台(西吾野駅〜吾野駅)

関八州見晴台MAP
地図の出典:YAMAP(ST=鉄道駅)

体力レベル: ★★☆☆☆

日帰り|約5時間15分

参考: らくルート

技術的難易度: ★★☆☆☆

・急な登下降がある
・案内標識が不十分な箇所が含まれる
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

凡例:グレーディング表

コース概要

西吾野駅(20分)→間野(5分)→北川(60分)→石地蔵(35分)→高山不動尊(15分)→高山不動尊入口(30分)→関八州見晴台(20分)→高山不動尊入口(60分)→林道八徳入線分岐(25分)→石地蔵(25分)→西川小学校(20分)→吾野駅

高山不動尊本堂
出典:PIXTA(高山不動尊本堂)

標高約580mの山中に広大な伽藍が広がる高山不動(別名:高貴山常楽院=こうきさんじょうらくいん)は、飛鳥時代の西暦654年に開山されたという真言宗の歴史ある寺院。成田山新勝寺(千葉県)・高幡不動尊金剛寺(東京都)の2寺と並ぶ関東三大不動※と称されています。

※3つ目は不動ヶ岡不動尊總願寺(埼玉県)・雨降山大山寺(神奈川県)とされる場合もあります

御本尊である軍荼利明王立像(ぐんだりみょうおうりゅうぞう)は平安時代初期の作とされる木像で、国指定重要文化財となっています。また境内には樹齢約800年の銀杏の巨木がそびえ、古くから祈願すると乳の出が良くなる子育てイチョウとして親しまれてきました。

関八州見晴台からの眺望
出典:PIXTA(関八州見晴台からの眺望)

そんな高山不動尊の奥の院が祀られているのが、関八州見晴台(かんはっしゅうみはらしだい・771m)です。かつて武蔵国・相模国・安房国・上総国・下総国・常陸国・上野国(現在の東京都・埼玉・神奈川・千葉・茨城・群馬・栃木県)という関東の8つの国を眺望できたという展望峰です。

東屋が設置された山頂からは現在も関東平野の大パノラマが広がり、視界がよい日には富士山や群馬の山並までを眺望できます。

吾野駅までの下山は舗装路がメインとなりますが、途中にある八徳(やっとく)は一本桜の巨木がフォトスポットとして人気の集落。吾野駅まで山里の風情や川のせせらぎを感じながら歩くことができます。

⑦日向山(芦ヶ久保駅〜横瀬駅)

日向山MAP
地図の出典:YAMAP(ST=鉄道駅/P=駐車場)

体力レベル: ★★☆☆☆

日帰り|約3時間45分

参考: らくルート

技術的難易度: ★★☆☆☆

・急な登下降がある
・案内標識が不十分な箇所が含まれる
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

凡例:グレーディング表

コース概要

芦ヶ久保駅(5分)→芦ヶ久保バス停(10分)→六番峠分岐(15分)→農村公園分岐(55分)→日向山(20分)→琴平神社(5分)→ハイキングコース分岐(10分)→六番峠(30分)→登山口(3分)→卜雲寺(7分)→法長寺入口(20分)→寺坂棚田(20分)→法長寺入口(5分)→横瀬橋(15分)→横瀬町役場前(5分)→横瀬駅

日向山からの武甲山
出典:PIXTA(日向山からの武甲山)

芦ヶ久保駅前から円錐形の山容がよく目立つ日向山(ひなたやま・633m)は、その南斜面に横瀬町農林公園などの観光農園が点在しており、山頂直下までクルマで行くこともできます。駅前には道の駅果樹公園あしがくぼがあり、直売所では地元の果物や野菜が人気です。

山頂までの登山道はよく整備されており、小さな展望台も設置されています。奥武蔵の盟主であり秩父のシンボル的存在である武甲山を間近に望むことができ、その迫力に圧倒されることでしょう。

ほかにも伊豆ヶ岳や武川岳など奥武蔵の名峰も眺望できます。

寺坂棚田からの武甲山
出典:PIXTA(寺坂棚田からの武甲山)

日向山を後にしたら、横瀬(よこぜ)駅方面へと下ります。途中には卜雲寺(ぼくうんじ)や法長寺(ほうちょうじ)など秩父三十四観音霊場の札所となっている寺院が点在しているので、お参りしてもよいでしょう。

法長寺入口から往復40分ほどの寄り道になりますが、ぜひ立ち寄りたいのが寺坂棚田です。武甲山を背景に広がる棚田はのどかな里山の風情たっぷりで、晩夏のコスモスや秋の曼珠沙華(ヒガンバナ)が畦道を彩る情景は、写真愛好家からも人気を博しています。

登り応え抜群!奥武蔵の関東百名山

武甲山の丁目石
撮影:鷲尾 太輔(武甲山の丁目石)

「初心者におすすめの低山」で紹介した日和田山を含め、奥武蔵山域では5座が関東百名山に選定されています。ここからは、残りの4座(伊豆ヶ岳・武川岳・武甲山・大持山)を紹介します。

⑧伊豆ヶ岳(正丸駅)

伊豆ヶ岳MAP
地図の出典:YAMAP(ST=鉄道駅)

体力レベル: ★★☆☆☆

日帰り|約4時間20分

参考: らくルート

技術的難易度: ★★☆☆☆

・急な登下降がある
・案内標識が不十分な箇所が含まれる
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

凡例:グレーディング表

コース概要

正丸駅(40分)→正丸峠分岐(10分)→水場(75分)→五輪山(20分)→伊豆ヶ岳(15分)→五輪山(20分)→小高山(20分)→正丸峠(30分)→正丸峠分岐(30分)→正丸駅

伊豆ヶ岳山頂
出典:PIXTA(伊豆ヶ岳山頂)

奥武蔵でも屈指の人気を誇る山が伊豆ヶ岳(いずがたけ・851m)です。春の山頂付近を彩るピンクのアカヤシオ(ツツジの一種)や、広葉樹林が多く鮮やかな紅葉がそのポイント。「達成感抜群の縦走コース」で紹介した子の権現へのロング縦走もメジャーですが、今回は正丸(しょうまる)駅からの周回コースを紹介します。

正丸駅から安産地蔵尊を過ぎて正丸峠分岐を左へ。岩が露出した斜面を登って五輪山へ出れば、伊豆ヶ岳への稜線です。

かつては岩場に長い鎖がかけられた男坂が人気でしたが、落石の危険があるため現在は通行止め。女坂も土砂崩れのため閉道となっており、現在は男坂と女坂の中間にある迂回路で山頂をめざします。

男坂の岩場
出典:PIXTA(男坂の岩場)

古くは虚空蔵菩薩の石像が祀られていたという山頂は、かつて伊豆ヶ岳が信仰の対象であったことを物語る場所です。同じく奥武蔵の名峰である武川岳や大持山を望めるほか、木々の隙間からは関東平野を垣間見ることができます。

復路は五輪山・小高山を越えて正丸峠まで稜線歩きを楽しみましょう。正丸峠からの下り道の傍らには、お申講(さるこう)の祠や馬頭観音の石像が点在し、古くから人々が行き交った道であることを実感することでしょう。

⑨武川岳(芦ヶ久保駅)

武川岳MAP
地図の出典:YAMAP(ST=鉄道駅)

体力レベル: ★★★☆☆

日帰り|約8時間50分

参考: らくルート

技術的難易度: ★★★☆☆

・ハシゴ、くさり場、雪渓、渡渉箇所のいずれかがある
・転んだ場合に転落・滑落事故につながる箇所がある
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要

凡例:グレーディング表

コース概要

芦ヶ久保駅(5分)→登山口(135分)→二子山雌岳(10分)→二子山(50分)→焼山(65分)→蔦岩山(30分)→武川岳(25分)→蔦岩山(50分)→焼山(55分)→二子山(10分)→二子山雌岳(40分)→浅間山(50分)→登山口(5分)→芦ヶ久保駅

武川岳山頂
撮影:YAMA HACK編集部(武川岳山頂)

奥武蔵の関東百名山の中でも、ひときわ山深い場所にどっしりとそびえているのが武川岳(たけかわだけ・1,052m)です。山頂直下にカタクリが咲く4月下旬〜5月上旬が人気ですが、10月下旬から11月中旬に見頃を迎える紅葉も魅力的です。

芦ヶ久保駅からは二子山(雌岳:874m・雄岳:882m)・焼山(850m)・蔦岩山(1,004m)と連なる稜線を越えていく必要があり、いずれもロープが設置された部分もある岩場が続くので慎重な行動が求められます。

ただし展望も見事で、特に焼山からは武甲山を間近に望むことができます。

(焼山から望む武甲山)
撮影:YAMA HACK編集部(焼山から望む武甲山)

下山は二子山雌岳まで往路を戻り、浅間山(639m)経由で芦ヶ久保駅へ戻ります。山頂直下の浅間神社までは岩場が続くので最後まで気を抜かずに。また芦ヶ久保の氷柱期間(例年1月上旬〜2月下旬)は凍結のため通行止めとなるので、二子山雌岳から往路を下山しましょう。

今回は芦ヶ久保駅からの往復(一部周回)コースを紹介しましたが、前項で紹介した伊豆ヶ岳や次項で紹介する大持山・武甲山と組み合わせた縦走コースも設定可能です。いずれもロングコースとなりますが、奥武蔵の魅力を存分に満喫することができますよ。

⑩武甲山〜大持山(横瀬駅)

武甲山MAP
地図の出典:YAMAP(P=駐車場)

体力レベル: ★★★☆☆

日帰り|約7時間10分

参考: らくルート

技術的難易度: ★★★☆☆

・ハシゴ、くさり場、雪渓、渡渉箇所のいずれかがある
・転んだ場合に転落・滑落事故につながる箇所がある
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要

凡例:グレーディング表

コース概要

一の鳥居(60分)→不動滝(55分)→大杉の広場(70分)→武甲山(30分)→シラジクボ(60分)→小持山(45分)→大持山(70分)→妻坂峠(30分)→林道(10分)→一の鳥居

武甲山から見下ろす秩父盆地
撮影:鷲尾 太輔(武甲山から見下ろす秩父盆地)

奥武蔵のランドマークであり、関東百名山だけでなく日本二百名山にも選定されているのが武甲山(ぶこうさん・1,304m)です。

三峯神社・宝登山神社と並んで秩父三社に数えられる秩父神社の御神体とされる山で、山頂直下には日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀る武甲山御嶽神社が鎮座しています。

武甲山では江戸時代から石灰岩の採掘が行われていました。大正時代には商業的な採掘が始まり、戦後のセメント需要の拡大や高度経済成長期を経て採掘量が増加。現在も北側の山頂部を中心に採掘が続いており、特徴的な山容が形づくられています。

けれども南東の一の鳥居から続く御嶽神社参道は杉の巨木など豊かな自然に覆われ、山麓からの距離を示す丁目石も多数現存しています。山頂からは秩父盆地を眼下に見下ろす絶景が広がります。

大持山手前の岩場から望む奥多摩・奥秩父の山々
撮影:鷲尾 太輔(大持山手前の岩場から望む奥多摩・奥秩父の山々)

もうひとつの関東百名山・大持山(おおもちやま・1,294m)へは、小持山(こもちやま・1,269m)を経由して岩場が続く稜線歩きとなりますが、随所から雲取山をはじめとする奥多摩・奥武蔵の山並を眺望することができます。

駐車場・登山口がある一の鳥居の最寄は横瀬駅ですが、徒歩だと石灰岩掘削工事のダンプカーが行き交う車道を片道2時間以上歩く必要があり、路線バスも運行していません。西武池袋線利用の場合はひと駅先の西武秩父駅から、タクシーを利用して一の鳥居へアクセスするのが便利です。

西武池袋線で沿線登山を楽しもう!

西武秩父駅から望む武甲山
撮影:鷲尾 太輔(西武秩父駅から望む武甲山)

今回紹介した通り、西武池袋線の沿線には、奥武蔵山域をはじめとした魅力的な山々が連なっています。この記事のモデルコースはあくまでも一例。以下に紹介する登山地図やガイドブックなどを見ながら、次の休日に歩くコースを楽しみながら探してみませんか。

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