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紅葉のストライクゾーンから外れた楽しみ方

近年稀にみる長雨が続いたこともあり、今年の紅葉はどうなることやらと心配していたのが九月下旬のこと。十月に入ると、緯度の高い北海道や東北、高度のあるアルプスなどの山岳から「今年は色がいい!」とうれしい便りがたくさん届きました。SNSは色鮮やかな山肌の写真で賑わい、たったひと月前のことを懐かしく感じる今日この頃。こんにちは、低山トラベラーです。
折しも九月の後半以降は、初秋の立山と東北の山々にいました。ちょうど色がつきはじめた立山のカールを歩けて、幸先のよいスタート。続いて大朝日岳から以東岳までの絶景稜線で、まさに「紅葉最盛期の初日」に立ち会うことができたし、さらには栗駒山の湯浜ルートと月山の弥陀ヶ原ルートでも忘れがたい錦秋を目に焼き付けました。故郷東北の魅力を再発見した、2026秋の旅。
さて、11月に突入したいま気になるのは、これからやってくる山域の紅葉です。どんな色あいを見せてくれるのかは、神のみぞ知る。ということで、今回は個人的な思い出の紅葉ハイクから4座選出。それも紅葉のストライクではなく、ややメインから外したB面的な視点で。
1.姫神山(岩手県)|見頃は紅葉が終わってから!?錦秋の山麓と雪の百名山を見下ろす特等席

いきなりですが、山の上の紅葉がすっかり終わっている、という前提で話をはじめます。なんだよ、紅葉がテーマじゃないのかよ!と、素早い突っ込みを繰り出すYAMA HACK読者の声が聞こえる気がしますが、これには訳があります。
季節は11月。盛岡とその周辺の旅の流れから、山旅のハイライトに姫神山を選んだことがありました。内陸部ならではの冷えた空気が気持ちよく、温泉が最高の季節です。八幡平あたりの絶景紅葉ドライブと名湯めぐりをセットにするのは、定番中の定番。その道中の車窓には美しい秋色が広がっており、なんとも見事で。そうだ、この風景を“見下ろせる山”に登ろう、そう考えたわけです。

姫神山は八幡平からほど近く、眼前には雄々しい岩手山がそびえたち、やや離れたところにはたおやかな早池峰山と、なんとも絶妙な位置関係。そのときの岩手山はすでに雪化粧で、高く青い空と流れゆく白い雲を従えた躍動感のある光景を見せてくれました。
しかし、それ以上に印象的だったのが、あたり一面の紅葉で彩られた山麓の風景。姫神山と対峙する岩手山との間に広がった秋色の森と町を見下ろす風景です。これが期待以上に綺麗で。
姫神山は、岩手の名峰をぐるりと見渡す特等席です。あっち側に雪があれば、紅葉の町、岩手の大きな青い空、そして雪化粧の百名山という「地域ぐるみの三段紅葉」が期待できるのがポイント。
というわけで、紅葉の最盛期に登るのではなく、終わってから“山麓の紅葉を見下ろすために登る”という楽しみ方はいかがでしょう。となると、こうしてはいられません。紅葉の終わったタイミングの山に目星をつけて、さっそく旅の支度をしなくては!
おすすめコース

コース概要
一本杉登山口(50分)→五合目(40分)→八合目(50分)→姫神山(25分)→八合目(20分)→五合目(30分)→一本杉登山口
2.神成山(群馬県)|龍の背を歩く“日本一きれいなハイキングコース”と上信電鉄

グリーンシーズンに歩いたときの印象がとてもよく、それなら秋にも行ってみようとハンドルを握ったのが神成山(かんなりやま)。群馬県の富岡製糸場からほど近い、のどかな田園風景のなかにたたずむ低山です。
この山に登ったきっかけは、上信越自動車道を通るたびに見えていた特徴的な山の形。まるで龍の背のように低く連なる姿がかっこよく、ずっと気になっていたのです。実際に訪れてみると、なんと「日本一のハイキングコース」が整備されているではありませんか。まさに地元の愛され低山でした。

グリーンシーズンなら、稲がたわわに実った田んぼの風景がほんとうに美しい。神成山からは、つねにその田園風景を眼下におさめることができます。その近さたるや、のばした手が届きそうなくらい!
紅葉もまたすばらしく、個人的に写真を撮りに通ったこともたびたび。とにかくその“低い連なり”こそが、この山の大きな特徴。町との近さに独特の魅力を感じます。

そんな神成山のもうひとつの魅力が、ふもとの田園地帯を通過する上信電鉄の電車。山の紅葉の色彩ばかりではなく、そこに地元の営みの情景が加わったときもまた、低山ならではの魅力でしょう。
とはいえ、地元の方の生活のど真ん中なので、三脚を立てて待つのも気が引けます。そこで時刻検索から通過する時間を予想し、タイミングを合わせて電車の通過する瞬間に踏切待ちをしたのでした。そんな工夫も楽しいところ。
というわけで、紅葉の山に地元の暮らしの風景を加えて眺めるのも、ひとつの楽しみ方。この分野は、すでに楽しんでいる先輩が多いと思います。慣れていない人は、地元の方の迷惑にならないように楽しみましょうね。
おすすめコース

コース概要
宮崎公園(10分)→神成山入口(25分)→第一ピーク(神成城物見台)(15分)→神成山(50分)→吾妻山(15分)→神成山 西登山口(20分)→宇芸神社(25分)→宮崎公園
