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自立型・ダブルウォールで1kg以下!最軽量級の2人用山岳テント

テラノヴァは、英国を代表する山岳ULテントブランドです。
例えば、2004年発売の非自立型「レーサーライト」は、世界で初めて重量1kg以下を達成したテントとしてギネスに認定されました。
2017年に登場した半自立型ダブルウォールテント「ソーラーフォトン2」は、独自素材を用い、最大重量(最小重量ではありません!)849gを達成!2010年代に数多く誕生したULテントの頂点に立つエポックメイキングです。
そのソーラーフォトン2をベースに、自立型へと改良したのが、今回紹介する日本限定モデル「ソーラーストーム2」(2026年発売)です。

ソーラーストーム2は自立型を採用したことで、1kgオーバーになってしまうのではないか……と危惧しましたが、ULテントの雄として、アンダー1kgは堅持してくれました。スペックは以下の通りです。
- 収納サイズ
- 直径14cm×35cm
- サイズ
- 長さ220cm×幅78~132cm×高さ96cm、前室奥行き63cm
- 重量
- 最大990g、最小870g(本体+ポール)
- 素材
- フライ・フロア:15Dリサイクルナイロンリップストップ(耐水圧2,000mm)、インナー:15Dリサイクルナイロンリップストップ
- ポール
- 8.7mm DAC NFLグリーンアノダイズ
- ペグ
- 12本×5.6g アルミペグ
ちなみにソーラーフォトンも、このソーラーストームにも数字の「2」がモデル名に付記されていますが、これは2人用を意味します。どちらも2人用サイズで、アンダー1kg。山岳テントとして最軽量級です。
▼ソーラーフォトン2を解説した記事はこちら
軽さと機能性をバランスよく装備させた自立型

ベースとなった現行のソーラーフォトン2(グリーン)は、フライが10Dで耐水圧2,000mm、フロアが20Dで耐水圧3,000mm。重量は最大940g、最小852gです。
多くの山岳テントのフライの耐水圧は1,500mm、フロア2,000mmです。
ソーラーフォトン2はその数値を大きく上回り、しかも超軽量を誇ります。

新モデルのソーラーストーム2は、軽さを維持するためにフロアの生地を薄くし、耐水圧を下げていますが、それでも2,000mmを保持。山岳テントの平均と同等です。
しかも多くの山岳テントが経年劣化が心配なPU(ポリウレタン)コーティングを採用しているのに対して、ソーラーストーム2は経年劣化が起こりにくく、生地に高い強度をプラスするシリコンコーティングを施しています。
ゆえに、全面15Dの極薄素材ですが、引き裂き強度は、PUコーティングの素材よりも倍以上高くなっています。ただし、一般的に布地が薄いほど摩耗への耐性は低くなるため、設営場所に応じて、丁寧な取り扱いやフットプリントの使用を検討する必要はあります。
なぜ自立型に?アップデートの理由に迫る

さて、ソーラーストーム2の最大のポイントは、自立型の採用でしょう。画像左がソーラーストーム2で、ポールは1本仕様。前後Y字型になっています。
画像右、ベースとなったソーラーフォトン2も1本ポールですが、前のみY字の半自立型です。
ポールをセットするだけでテントのカタチがつくれる自立型の方が、一般的に設営がしやすいと言われています。特にペグを打ちにくいアルプス等の岩稜帯にあるテント場では、ペグ代わりに岩でテントを固定する必要があるので、自立型の方がラクだと説明されます。
自立型と半自立型の本当の違い

ですが私は、自立型と半自立型の設営の手間に、大差はないと感じています。どこに張ろうが、山ではしっかりとペグダウンをする必要があるからです。それにソーラーフォトン2は、ポールセットでほぼカタチが出るので、「半」ではなく「ほぼ自立型」と表現したいくらいです。
ほんの少しだけ違いがあるとすれば、半自立型では、ペグダウンや岩の固定によって張りを出す面があるため、よりしっかりと止めておく必要があります。そうしないと強風を受けた際にペグが抜けたり、テントが大きくたわみ、本来装備している耐風性を発揮できなくなります。
最悪は破損や風に飛ばされる等の、トラブルに見舞われる可能性が出てきます。

つまり軽さが特長の半自立型のソーラーフォトン2は、多くのUL道具と同様に、使用に際して経験と技術を求められるものなのです。
一方、ソーラーストーム2は、自立型になったことで、ソーラーフォトン2よりも必要な経験と技術のハードルが低くなり、扱いやすくなりました。設営がしやすくなったのではなく、トラブルに見舞われる可能性を低くしたのです。
その狙いは、「ユーザー層の拡大」です。
日本の登山ユーザーを意識した自立型の採用

日本の登山シーンを見ると、例えばテント泊の最終目的地ともいえる北アルプスのテント場で張られている山岳テントのほとんどは、「自立型のダブルウォールテント」です。
日本の山岳テントユーザーは、設営がしやすい(と言われている)自立型テントを選ぶ傾向が高いのです。だから、ソーラーストーム2は、既存の山岳テントを凌駕する「軽さ」を日本のユーザーに選択してもらうスタート地点に立つため、自立型を採用したのだと想像します。
「日本限定モデル」となったのは、日本のユーザーの好みに合わせた仕様変更を意味していると感じます。
