なぜ1人用ではなく、2人用なのか?

ソーラーフォトン2もソーラーストーム2も、そのサイズは2人用で、ラインナップに1人用はありません。
一方で日本メーカーの山岳テントは、1人用から用意されています。サイズの小さなテントは、必然的に軽くなります。しかしそれでもスタンダードモデルの重量は1.3kg程度、軽量素材を使用したULモデルで1kg前後です。
前述の通り、ソーラーフォトン2、ソーラーストーム2は、2人用で1kg以下。日本メーカーの1人用と同等です。この重量差は、採用する素材に加えて、出入口となるドアの位置も影響しています。
日本メーカーのULテントは、長辺側に出入口を設けたものが多いのです。短辺側出入口の方が前室部の生地の量が減り軽量化できるにも関わらずです。
これは、長辺側出入口によって多少の重量増があっても、1人用の狭い室内空間を補える広い前室を確保するため。軽さに加えて、居住性という快適さを重視しているのです。最近は、出入りのしやすい長辺側出入口のテントの方が、日本では好まれる、評価が高いということも影響しているでしょう。

テラノヴァも、軽量化と快適性の融合、バランスを取ろうという考えは同様です。
ですが、その具現化が異なります。ソーラーストーム2は短辺側出入口を採用。軽量性や耐風性を高めながら、室内空間を2人用にすることで居住空間そのものを広げたのです。
さらに上の画像の通り、短辺側出入口ながら、奥行き63cm、幅132cmの前室を装備。高さは風雨を避けるためにやや低めですが、それでも出入りはしやすく、荷物等を置くスペースを十分に確保しています。
荷物を室内に置け、奥行きのあるソーラーストーム2の前室は、1人用テントの長辺側出入口の前室と比べても、その使い勝手や有効なスペースに遜色はありません。
広さは正義だという新提案

これまでの山岳テントは、スペースを最小限に抑え、居住性を犠牲にして、軽さを実現してきました。しかし、昨今は素材の進化により、軽さを実現するために、我慢は必要ありません。
一般登山道をトレースする縦走登山であれば、過剰に軽さを求めるよりも、しっかりと気力体力を回復できる広さを確保したスペースや使い勝手を得ることは、安全のために大切です。
ソーラーストーム2で山の夜を過ごしてみれば、いつも以上に身体が休まることを体感できます。着替えをするのも、夕食をつくって食べるのも、ラクで、ストレスのないことを知ります。
この2人用自立型ダブルウォールテントは、近年増えているソロ登山者への、新たな提案だとも思えます。
基本的な機能も充実!

ソーラーストーム2は、山で使用するための基本性能もしっかりとしています。
まず、山岳テントで気になるのは結露です。短辺側出入口のドアがメッシュ素材、足元側もメッシュパネルを装備。フライにも開閉可能なベンチレーションがあり(上の画像)、空気の循環は良好。

インナーテントはフックによる吊り下げ式を選択。山岳テントはこれまで袋状のスリーブ式が主でしたが、近年はポールの強度や柔軟性がアップしたこともあり、設営・撤収を素早く行えるフック式が増えています。

吊り下げ式は、フライとインナーテントの隙間を広く取ることも可能にします。これにより結露を軽減。またフックでポールを引き寄せる力を強くし、フライ等から伸びる張り綱を引くことで、耐風性をアップできます。

ポールをインナーテントに掛ける仕様は、シンプルなグロメットを採用。ペグは、四隅のテープに配された細引きに掛けます。
長年、多くの山岳テントに採用されてきた仕様で、脱着が簡単。破損等の可能性も低いものです。
ペグは交換したほうがいい

標準装備されているペグも、長年多くの山岳テントで使用されてきているピンペグですが、一昔前感が高めです。こちらは私なら交換します。
1本5.6gのアルミ製ペグ(上の画像)は、打ち込むとヘッドが曲がりやすく、ストレートなピン形状は抜けやすい。メリットは軽さのみだからです。
参考までにお伝えしておくと、ペグを交換する場合は、新たに購入せず、手持ちの山岳テントから流用するのも手です。私は、山岳テント用ペグとして1本11gのDAC社製「Jステーク」を用意してあるので、どのテントを使用する場合も、それを装備しています。
ストレスフリーな山岳テントの一番手

最後に価格について。ベースになった半自立型のソーラーフォトン2は税込72,600円。そして自立型のソーラーストーム2は69,300円です。重量はわずかにソーラーストーム2の方が重いですが、価格は安いんです。
国産メーカーのULテントと比較しても、軽くて、広くて、価格は同等か安い。輸入元となるケンコー社に安さの理由を問うと、「企業努力」との回答がありました。
カラーも山岳テントらしくない美しさを感じさせるグレー。近々山岳テントを手に入れたい、買い換えたいと考えているなら、その第一候補に、私ならソーラーストーム2を挙げて検討します!
それではみなさん、よい山旅を!
テラノヴァ ソーラーストーム2
