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屋久島にオープンしたザ・ノース・フェイスをレポート!世界自然遺産のコアを歩く旅も

ここ数年、白馬や知床、石垣島など、大自然広がるフィールドの要所にショップを展開してきた「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」。2024年3月16日(土)、日本初の世界自然遺産で知られる屋久島にも新たにオープンすると聞いて、早速現地を訪れました。店内の様子から限定アイテム、屋久島の楽しみ方までご紹介します!

目次

世界自然遺産・屋久島国立公園内に新店舗がオープン!

撮影:YAMA HACK

2024年3月16日(土)、日本で初めて世界自然遺産に登録された地であり、国立公園にも指定されている屋久島に、「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」がオープンしました。

どんなアイテムが売ってるの?

撮影:YAMA HACK

縄文杉を巡るトレッキングツアーや、九州最高峰の宮之浦岳を中心とした登山など、屋久島ならではのアクティビティを楽しむためのラインナップが取り揃えられています。

座標を記したクールな限定Tシャツ

撮影:YAMA HACK /モデル:ザ・ノース・フェイス屋久島店 店長 濱田真子さん

まずチェックしたいのが、屋久島店でしか手に入らない限定アイテムです。レタードデザインがスタイリッシュな限定Tシャツは、屋久島店の経度・緯度が英字でプリントされたもの。左裾に記された「KUM」の文字は屋久島空港の空港コードで、まさに屋久島店ならではのオリジナルデザインです。

カラーはホワイト・ブラック・ネイビーの3色で、S〜XLの4サイズ展開。ややゆったりしたボックスシルエットはユニセックスで着られるので、家族や友人へのお土産にもおすすめです。

名作ボトルとの限定コラボも必見!

撮影:YAMA HACK編集部

優れた保冷・保温力で知られるクリーンカンティーンの真空断熱ボトルも、座標とKUMの空港コードの限定デザインをまとって販売されています。

ブラックのみの展開で、マットなボディとステンレスのコンビがまたかっこいい。アクティブシーンはもちろん、日常でも持ち運びしやすい473㎖容量なので、まだマイボトルを手にしていない方はぜひ!

撮影:YAMA HACK編集部

屋久島トレッキングに欠かせない「携帯トイレ」

撮影:YAMA HACK編集部

ヒグマが多く生息するエリアにある「ザ・ノース・フェイス知床」では熊よけスプレーが販売されていたように、屋久島店らしいグッズとして注目したいのがこの「携帯トイレ」です。

屋久島の避難小屋に設置されている汲み取り式トイレは、すべて人の手によって里に搬出されているため、管理や維持がとても大変。また多くの観光客が野外で用を足してしまっては、自然環境に悪影響をもたらしてしまいます。

そこで屋久島で推奨されているのが「携帯トイレ」。凝固剤が入ったシートと高密閉の袋により安心して持ち帰ることができます。

撮影:YAMA HACK編集部

山の中には、携帯トイレを使うためのテントブースが設置されています。きちんと使えるかな?と不安な人は、購入したあとに隣接するビジターセンターへ行ってみよう。センター内にテントブースの見本が展示されているので、事前に使い方などをイメージすることができます。

屋久島の美しい自然を満喫するためにも、ルールやマナーはしっかり守りましょう。

美しい屋久杉に触れられる

撮影:YAMA HACK編集部

店内には屋久杉の一枚板が使われた平台が置かれていて、屋久島らしい空間が表現されています。通常のスギより腐りにくく、長生きするといわれる屋久杉。成長スピードがゆっくりなために年輪が詰まっていて、独特の木目や杢(もく)といわれる美しい模様を見ることができます。

じつは屋久島では、樹齢1000年以上を越えるものを「屋久杉」、それより若い木を「小杉」と呼ぶそうです。ただ、人の手が入るより前の太古に誕生した「屋久杉」のほとんどは、江戸時代から昭和時代にかけて伐採されてしまいました。有名な縄文杉や紀元杉は、今でも残されている貴重な「屋久杉」です。

店へ行った際は、ぜひご自身の手で屋久杉の美しさに触れながら、屋久杉の歴史や背景にも思いを巡らせてみてください。

雨の屋久島を快適に過ごすレイングッズも充実

撮影:YAMA HACK編集部

屋久島といえば、林茉美子の小説『浮雲』で“1ヶ月で35日雨が降る”と表現されたように、日本でもっとも雨の多い地域。そのため屋久島店では、ベーシックなトレッキングアイテムを中心に、レインジャケットやレインパンツなど防水性の高いラインナップが充実しています。

撮影:YAMA HACK編集部

また動きやすいソフトシェル、薄手のフリースなども展開。ハイシーズンを迎える春の屋久島は比較的温かいイメージがありますが、気温差が10℃ほどになることもあるので、こうしたアウターが揃っているのは安心です。

撮影:YAMA HACK編集部

キッズアイテムもずらり。ファミリーでトレッキングを楽しみたい場合にも便利です。

屋久島の魅力を発信する拠点

撮影:YAMA HACK編集部/写真家・石川直樹さんが撮影したトローキの滝

屋久島店の店長を務めるのは、登山が趣味だという濱田真子さん。赴任する前から屋久島の大ファンで、縄文杉を見るために何度も足を運んだそうです。そんな濱田さんに、ザ・ノース・フェイス屋久島のめざす姿を聞いてみました。

「世界自然遺産に登録されている美しい自然はもちろん、地元の方々の温かさも屋久島の魅力。そうした魅力を私たちが積極的に発信することで、お客様と島をつなぐハブのような存在になっていけたら嬉しいです」

撮影:YAMA HACK編集部/千尋(せんぴろ)の滝

同時に、スタッフ自身も屋久島の魅力をもっと体験していきたいと話す濱田さん。個人的なおすすめのスポットも教えてくれました。

麦生(むぎお)方面にある千尋(せんぴろ)の滝や、トローキの滝は手軽に行けておすすめです。店内に飾っているトローキの滝は写真家・石川直樹さんが撮影されたもので、赤い橋の下を流れる青い滝とのコントラストがとても綺麗なんです。あとは太古岩。白谷雲水峡からあの映画のような世界を歩いて行くと現れる巨岩の上からは、宮之浦岳の美しい姿が望めます」

店舗情報

撮影:YAMA HACK編集部 ※写真のテントは常設されていません

ザ・ノース・フェイス屋久島
【場所】「屋久島環境文化村センター」内
【住所】 鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦823−1
【時間】 9:00~17:00 月曜日定休日

※2024年3月24日時点

撮影:YAMA HACK編集部

店があるのは、鹿児島からのフェリーが到着する宮之浦港の目の前と好立地。町や登山口へと向かうバスが出ていたり、「屋久島環境文化村センター」と同じ建物内にあることから、観光やトレッキングをスタートする前の情報収集や装備の買い足しをする場として活用してください。

苔の森以外の屋久島の魅力もスゴイ!

撮影:YAMA HACK編集部

「“富士山のつぎは屋久島”。そうして屋久島に訪れる観光客は多いのですが、代名詞である縄文杉を見たら終わり、という感じでリピートで来られる人が少ないのが課題です。西日本屈指の宮之浦岳がそびえ、多様な自然にあふれる屋久島は大きなポテンシャルを秘めていますし、その魅力をもっと伝えていきたい」とザ・ノース・フェイス 事業部長の森 光さんは言います。

縄文杉だけじゃない。屋久島の豊かな自然をもっと体験したい!ということで今回は、屋久島の西側に位置し、世界自然遺産に登録されているエリア「西部林道」を訪れました。

南国情緒あふれる西部林道へ

撮影:YAMA HACK編集部

屋久島のなかでは比較的雨が少ないとされる西部に位置する永田集落。ウミガメの産卵地である永田浜でも知られますが、永田集落から栗生にかけて12㎞にのびるルートを西部林道と呼びます。

そしてここに残されている「照葉樹林」の原生林もまた、屋久島が世界自然遺産として評価されている理由です。

照葉樹林の原生林を歩く

撮影:YAMA HACK編集部

照葉樹とは、冬でも落葉しない常緑の広葉樹のことで、代表的なものだとツバキやクスノキなどがあげられます。雨をはじくようにコーティングされたツルッとした葉が特徴。雨が多く温暖なエリアに生息しますが、近年その数が減ってきているといわれています。

世にも不思議な巨木と出会える

撮影:YAMA HACK編集部

照葉樹林の森を歩いていると、ハート型の大きな葉をしたクワズイモ、シダ植物のオオタニワタリといった亜熱帯植物と出会います。苔むした森という屋久島らしいイメージとは異なり、西部林道にはからっとした南国のような情景が広がります。

撮影:YAMA HACK編集部

とくにユニークな姿で目を惹きつけるのが、ガジュマルやアコウといった高木。枝から無数に垂れ下がったヒゲのような気根(きこん)や、幹が複雑に絡み合った姿は圧巻の迫力です。

日本の植生が丸ごと味わえる

撮影:YAMA HACK編集部

海岸沿いから標高約800mまでこうした沖縄のような森が広がる一方、山の頂上へ近づくにつれて落葉樹やスギなどの針葉樹林帯へと変わり、北海道に似た気候や植生も見られます。

そんな日本列島の植生が垂直に分布した豊かな森の連なりこそ、屋久島の真髄。屋久島は初めてという人も縄文杉はもう見たという人も、あまり知られていない屋久島の意外な一面を味わうなら西部林道がおすすめです。

撮影:YAMA HACK編集部

本州のシカよりも小柄な姿で愛らしいヤクシカやヤクシマザルと出会えるかも!

史跡を巡る町散策も楽しい

撮影:YAMA HACK編集部

屋久島は口永良部島も含め、沿岸沿いの平地に26の集落があります。それぞれの集落によって異なる歴史や文化に触れるのも屋久島の楽しみ方の一つ。

ここでは、屋久島の玄関口として発展してきた宮之浦の町歩きで気になったスポットをご紹介します。

山岳信仰の総本山「益救神社」

撮影:YAMA HACK編集部

宮之浦にある益救(やく)神社は、1200年以上の歴史をもつ格式高い式内社。宮之浦岳の山頂に奥社があることから、山岳信仰と深い関わりをもっています。屋久島では春と秋の年に2回、宮之浦岳を登る「岳参り」が行われ、集落の安寧を祈願するそうです。

撮影:YAMA HACK編集部

益救神社の社殿は戦争により大破し、復旧改築されていますが、100%屋久杉で建てられた本殿は当時の姿のまま残っています。屋久杉の丈夫さや美しさを体現した貴重な建築物としても、一見の価値があります。

撮影:YAMA HACK編集部

境内に咲いていたのはタブの木の花。島民たちはタブの木の花が咲いたら、春の訪れを感じるのだそう。

家屋の形や石垣もユニーク

撮影:YAMA HACK編集部

宮之浦の町を歩いていると、緩やかな三角屋根の家屋が多いことに気づきます。これは、厳しい気候に晒される屋久島で古くから取り入れられている方法。屋根の角度を3寸5部勾配にすることで、雨にも風にも影響を受けにくくなるそうです。

撮影:YAMA HACK編集部

また家の石垣や神社の石などに、「亀石」と呼ばれるものが使われていることがあります。名前の通り、亀の甲羅のようなヒビが入った花崗岩のことで、その珍しさから玄関に飾ると縁起が良いとされています。

宮之浦川に掛かる町のシンボル

撮影:YAMA HACK編集部

透き通るように美しい宮之浦川に掛かる宮之浦川橋は、絶好のフォトスポット。島民にも夕涼みの場として親しまれていますが、かつて屋久島の森がすべて国有地化された際、島民への代償として建てられたという歴史のある場所でもあります。

一度じゃ味わえない!魅力あふれる屋久島に遊びに行こう

撮影:YAMA HACK編集部

屋久島国立公園内にオープンした「ザ・ノース・フェイス屋久島」。島民の方を巻き込んださまざまなイベントも企画していくそうで、今後の動向が気になるところです。

外周は約100㎞、山、川、海と豊かな自然にあふれた屋久島は何度でも訪れたくなる最高のフィールド。ぜひ屋久島へ、そして「ザ・ノース・フェイス屋久島」へ足を運んでみてください!