筑波山 登山

筑波山|関東一望のパノラマを初心者でも味わえる日本百名山!

「西の富士、東の筑波」とも称され、日本百名山に選ばれた「筑波山」。ケーブルカーとロープウェイがあり、初心者でも登れますが、コースによっては意外とハードな山でもあります。花や森、奇岩などの自然や、展望台や茶屋など、見どころや楽しみがいっぱい!そんな筑波山のおすすめ登山コースと見どころ、アクセスや周辺情報をまとめました。

目次

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、山小屋営業ならびに交通状況などに変更が生じている可能性があります。
山小屋や行政・関連機関が発信する最新情報を入手したうえで登山計画を立て、安全登山をしましょう。
アイキャッチ画像出典:PIXTA

「西の富士、東の筑波」日本百名山の筑波山に登ろう!

筑波山の山頂

出典:PIXTA
標高所在地最高気温
(6月-8月)
最低気温
(6月-8月)
877m(女体山)
871m(男体山)
茨城県つくば市25.4℃16.7℃
参考:ヤマレコ

「西の富士、東の筑波」と、富士山と並び称される筑波山(つくばさん)。標高が低く気軽に登ることができるため、多くの人が訪れる人気です。しかも日本百名山のひとつです!

山頂から見渡す関東平野を一望できるパノラマは圧巻!登山コースは、ケーブルカーやロープウェイを利用した初心者向けコースから、登りごたえがあるコースまで、レベルに応じて楽しめます。

筑波山は2つのピークを持つ双耳峰

筑波山双耳峰

出典:PIXTA

筑波山は、「男体山(なんたいさん)」と「女体山(にょたいさん)」の2つのピークを持つ双耳峰(そうじほう)。男体山へはケーブルカーを使って山頂の手前の御幸ヶ原まで、女体山へはつつじヶ丘から山頂直下までロープウェイが運行されています。

例えば、行きは徒歩、帰りは乗車といった利用の仕方も可能で、体力に自信がない人も安心して登山できるのも、初心者におすすめできる理由。2つのピークは、山頂連絡路を使って簡単に行き来できます。

地図は必ず携帯しよう!

筑波山登山するならば、地図は必ず携帯しましょう。コースタイムなどが見やすい登山地図がおすすめです。

昭文社 山と高原地図 赤城 皇海 筑波 榛名山

登山する前は天気もチェック

登山する前は、必ず天気をチェックしましょう。
てんきとくらす|筑波山

山ごはん派は要確認!「筑波山バーナーエリア」

広葉樹の落ち葉も多い筑波山では、山火事誘発の可能性もあり、火器(バーナー)の使用エリアが決まっています。場所は筑波山御幸ヶ原(筑波山ケーブルカー「筑波山頂駅」前広場)。それ以外の場所での火器の使用はNGですので注意しましょう!

筑波山バーナーエリア(主なルール)
・場所:筑波山御幸ヶ原(ケーブルカー山頂駅前広場)
・利用可能時間:10:00〜15:00
・焚き火台や火の粉が舞う行為は禁止
・テント等の設営は禁止
・1団体5名以下での利用(場所の占拠の禁止)
・小型バーナーに限る

筑波山の「見どころ」はこれ!

秋の筑波山

出典;PIXTA

筑波山にはいろんな名所や絶景ポイントがたくさんありますが、そのなかでも特におすすめを紹介します。

まずは登山の安全祈願!筑波山神社

筑波山神社

出典:PIXTA

筑波山をご神体として、麓に鎮座する「筑波山神社」。筑波山の代表的な登山口のひとつでもあります。まず、こちらで登山の安全を祈願し、筑波山を目指しましょう。春は桜の名所としても有名です。

「弁慶七戻り」などの巨石群を巡ってみよう

弁慶七戻り

出典:PIXTA

筑波山には、「ガマ石」「胎内くぐり」など巨石が点在しています。その中でも、「弁慶七戻り」は、大きなの岩が今にも落ちそうで、あの弁慶が恐怖のあまり7回も戻ったと言われる巨石の奇岩。勇気を持ってくぐってみましょう。

四季を彩る山野草に癒される

カタクリの花

出典:PIXTA

ロープウェイの女体山駅とケーブルカーの山頂駅とを結ぶ「山頂連絡路」は、多くの山野草が咲くエリアとしても人気。カタクリの群落をはじめ、春はニリンソウやツツジ、夏はヤマユリが咲き乱れます。

360度の大パノラマ!絶景の山頂と「登拝」御朱印

筑波山山頂からの景色

出典:PIXTA

筑波山最高点である「女体山」山頂は、霞ヶ浦・関東平野を見下ろす360度の大パノラマ!筑波山神社本殿も鎮座し、「登拝」の文字が入った登山者限定の御朱印が頂けます。登山の記念にぜひ。

必見!筑波山のパワースポット「男女川の源流」と「紫峰杉」

パワースポットの紫峰杉

出典:PIXTA(紫峰杉)

御幸ヶ原から徒歩1分程度、筑波山から流れる「男女川(みなのがわ)の源流」と、「紫峰杉(しほうすぎ)」を見ることができます。ここは、以前は立ち入り禁止だった場所で、2012年から一般開放された比較的新しい名所。源流のせせらぎに癒されるとともに、樹齢800年の杉の巨木である「紫峰杉」は圧巻。たくさんの人が訪れるパワースポットです。

次からは、これらを巡ることができる、散策コースや登山コースを紹介します。

ケーブルカー&ロープウェイで山頂散策

ケーブルカー

出典:PIXTA(筑波山ケーブルカー)

筑波山神社そばの宮脇駅からケーブルカーで男体山近く、御幸ヶ原の山頂駅まで8分。また、つつじヶ丘から筑波山ロープウェイで女体山駅まで6分。それぞれ山頂からは、自然研究路や山頂連絡路など、山頂周辺の散策が楽しめます。
筑波山ロープウェイ

出典:PIXTA(筑波山ロープウェイ)

ケーブルカー・ロープウェイ、それぞれ、運行時間は、8時台から17時台まで、20分毎に運行されています。曜日や季節によって変更があるので、公式サイトで確認しましょう。

■ケーブルカー料金
片道・・・大人590円/小児300円
往復・・・大人1,070円/小児540円
■ロープウェイ料金
片道・・・大人630円/小児320円
往復・・・大人1120円/小児560円

筑波山ケーブルカー&ロープウェイ公式サイト

自然研究路|1時間の周遊コース

自然研究路

出典:PIXTA(自然研究路)

標高750~800m、男体山頂付近の森の中をおよそ1時間かけて周遊するコースで、筑波山の自然を観察するのに最適です。スタート地点は、ケーブルカー山頂駅がある御幸ヶ原。自然遺産として貴重なブナの自然林の中、気持ちよく散策できます。

山頂連絡路|男体山と女体山を結ぶ路

ガマ石

出典:PIXTA(ガマ石)

男体山頂と女体山頂の間を繋ぐ片道30分程度の道。そのちょうど中間に位置する御幸ヶ原はケーブルカーの終着駅でもあり、売店や食堂が立ち並んで休憩に最適なスポットとなっています。

御幸ヶ原から男体山頂へのルートは岩場の多い険しいルートであるのに対し、女体山頂へは緩やかでのんびり散策しながら登頂可能。女体山頂への道中にある、奇岩・怪石の中でも知名度の高い「ガマ石」も必見です。

おたつ石コース|ツツジと巨石のある尾根歩き

ロープウェイつつじヶ丘駅方面

出典:PIXTA( 女体山頂から南東側のロープウェイつつじヶ丘駅方面を見る)
合計距離: 3.89 km
最高点の標高: 840 m
最低点の標高: 516 m
累積標高(上り): 578 m
累積標高(下り): -578 m
【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コースタイム:3時間
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

 

ルート概要(往復)
つつじヶ丘(50分)→弁慶茶屋跡(40分)→女体山(30分)→弁慶茶屋跡(40分)→つつじヶ丘

ロープウェイ駅があるつつじヶ丘から弁慶茶屋跡を経て女体山頂へ。標高差約350m程度なので、初心者におすすめ。下りにロープウェイを使うこともでき、体力に自信がないひとや、子供連れでも安心です。

ガマが出迎える登山口

おたつ石コース登山口のガマ

出典:PIXTA(おたつ石コース登山口のガマ)

筑波山名物の「ガマの油売り」。おたつ石コース登山口は、そのガマがお出迎えです。ガマのちょっととぼけた表情に見送られながら、意外と急な丸太や石の階段を登っていきましょう。

ツツジや山野草が咲く「つつじヶ丘」

つつじヶ丘

出典:PIXTA

筑波山には約3000本のツツジがあるといわれ、その中でもこの「つつじヶ丘」は、その名の通り、ツツジが丘一面に咲く乱れます。おたつ石コースでは、最初にここを登っていきます。
300mほど登ると、「つつじヶ丘高原」。見下ろせば、つつじヶ丘の展望、周辺には夏にかけて、タムラソウやワレモコウ、ノアザなど、高原性の花を見ることができます。

気持ちのいい尾根道歩き

おたつ石コース

出典:PIXTA

つつじヶ丘を過ぎると、女体山へは尾根道歩きになります。アカガシやブナなどが茂り、春は新緑、夏は落葉樹の森林浴、秋は紅葉、冬は落葉後の明るい森の中、1年中気持ちよく歩けます。

筑波山の奇岩群

屏風岩

出典:PIXTA(屏風岩)

弁慶茶屋跡から、女体山までの途中、筑波山名物の奇岩群を通ります。屏風岩や、弁慶の七戻り、母の胎内めぐりなど、たくさんの奇岩があり飽きることがありません。

筑波山最高点|女体山

女体山

出典:PIXTA(女体山山頂からの展望)

女体山山頂へ到着。遮るものない、360度ビューの絶景が広がります。霞ヶ浦・関東平野が一望できます。余力があれば、山頂連絡路を使い男体山まで足を延ばしましょう。往復1時間程度です。下山は、往路を戻ります。

 御幸ケ原~白雲橋周遊コース|2つのピークを巡って、登りごたえ抜群

筑波山コマ展望台から見た女体山

出典:PIXTA(筑波山コマ展望台から見た女体山)
合計距離: 7.64 km
最高点の標高: 840 m
最低点の標高: 216 m
累積標高(上り): 1249 m
累積標高(下り): -1249 m
【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コースタイム:4時間30分(周回)
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

 

ルート概要(周回)
筑波山神社入口(10分)→筑波神社前(5分)→宮脇(70分)→男女川源流(30分)→御幸ヶ原(10分)→男体山(10分)→御幸ヶ原(20分)→女体山(40分)→弁慶茶屋跡(50分)→分岐(15分)→筑波神社前(10分)→筑波山神社入口

筑波山神社からケーブルカー沿いに登り、男体山頂を目指す御幸ヶ原コースと、女体山から弁慶茶屋跡を経て、筑波山神社へ戻る白雲橋コースを利用した周遊コースです。標高差610mと高低差があるため、登りごたえのあるコースになっています。

御幸ヶ原コース登山口

御幸ヶ原コース登山口

出典:PIXTA

筑波山神社境内の「御幸ヶ原コース登山口」よりスタート。鳥居の横に「是より男體山」と書いた石碑が立っています。ここから御幸ヶ原までは鬱蒼とした森の中。案内板や休憩所などよく整備されているため、安心して登る事が出来ます。

筑波山登山の中継地点|御幸ヶ原

筑波山御幸ヶ原からの男体山

出典:PIXTA(筑波山御幸ヶ原からの男体山)

ケーブルカー沿いを杉の木立の中登ると、ケーブルカー山頂駅でもある御幸ヶ原へ到着します。ここは、レストランや売店などが立ち並ぶ観光地。関東平野を一望できる「コマ展望台(入場無料)」もあるので時間に余裕があれば立ち寄りましょう。

ひとつ目のピーク|男体山

男体山

出典:PIXTA(男体山からの眺望)

御幸ヶ原から約10分。最初は緩やかな階段、山頂手前はゴツゴツとした岩を越え、ひとつ目のピーク「男体山」へ到着。麓の街並みがよく見えます。

ふたつ目のピーク最高点|女体山

女体山本殿

出典:PIXTA(筑波山女体山本殿)

男体山から御幸ヶ原へ戻り、女体山へ。御幸ヶ原から緩やかな登りを少しずつ登っていくと、約20分で到着。女体山本殿に登山させて頂いたお礼をしたら、360度ビューの絶景で一休み。

弁慶茶屋跡で白雲橋コースへ

弁慶茶屋跡

出典:PIXTA(弁慶茶屋跡)

女体山山頂からは、奇岩群が並ぶ白雲橋コースを下ります。弁慶茶屋跡までくると、おたつ石コースのつつじヶ丘方向の分岐点になります。間違えないように、白雲橋コース・筑波山神社方向へ下りましょう。

筑波山の森の中を筑波山神社へ

白雲橋

出典:PIXTA

弁慶茶屋跡からは、角度がある下り坂ですが、筑波山らしい大木の森の中、気持ちよく歩くことができます。しばらく下れば、筑波山神社下山し、周遊コースの終わりです。

筑波山までのアクセス、お得な情報も!

筑波山神社

【クルマの場合】
常磐自動車道「土浦北」IC→国道125号経由で筑波山神社(約35分)

■市営第1駐車場
台数:208台
■市営第2駐車場
台数:8台
■市営第3駐車場
台数:140台
■市営第4駐車場
台数:97台
料金:すべて普通車500円(1回)
トイレ:あり

【公共交通機関の場合】
つくばエクスプレス「つくば」駅→関東鉄道バス「直行筑波山シャトルバス」のりばより、「筑波山神社入口・つつじヶ丘行き」乗車→「筑波山神社入口」バス停下車(約35分)

つつじヶ丘

【クルマの場合】
常磐自動車道「土浦北」IC→国道125号経由で筑波山神社へ39分

■筑波山つつじヶ丘駐車場
台数:400台
料金:軽・普通車500円(1回) 二輪車200円(1回)
トイレ:あり

【公共交通機関の場合】
つくばエクスプレス「つくば」駅→関東鉄道バス「直行筑波山シャトルバス」のりばより、「筑波山神社入口・つつじヶ丘行き」乗車→「つつじヶ丘」バス停下車(約50分)
関東鉄道|公式サイト

「筑波山きっぷ」がお買い得!

つくばエクスプレス

出典:PIXTA

つくばエクスプレス・関東鉄道(バス)・ケーブルカー・ロープウェイが乗れるお得な切符です。ケーブルカー・ロープウェイと関東鉄道(バス)沼田バス停からつつじヶ丘間が乗り降り自由。つくばエクスプレス秋葉原駅から研究学園駅までの19駅で購入できます。
つくばエクスプレス|公式サイト

筑波山のおすすめ周辺情報

筑波山を見上げる

出典:PIXTA

筑波山周辺には、たくさんのおすすめスポットがありますが、いくつか紹介します。

名物「つくばうどん」

つくばうどん

出典:PIXTA

筑波山を登山すると、登山口から山頂まで、茶屋やレストランなど、食事処がたくさんありますが、ほとんどの店にあるのが、名物「つくばうどん」。名前の頭文字を取って、

「つ」…つくね
「く」…ゴボウやシイタケなどの「黒い」野菜
「ば」…バラ肉

の3つの具がたっぷりと入り、地産小麦とレンコンパウダーを使った麺が特徴の地元グルメです。それぞれのお店で、様々なアレンジを加えていますので、登山のたびに違う、つくばうどんを楽しむことができます。

ちょっと不思議な「ガマランド」

ガマランド

出典:PIXTA

今回紹介した「おたつ石コース」の登山口であるつつじヶ丘に、遊園地のような「ガマランド」があります。入口の大きなガマガエルがド迫力で圧倒されますが、その中は、もっと驚きの珍名所。かなりレトロで不思議なものを売っているお土産屋や、色んな意味で怖い「ガマ洞窟」……。珍スポット好きなら、ぜひ、おすすめです。

住所:茨城県つくば市筑波つつじケ丘 筑波ニュー三井谷電話:029-866-0658(筑波ニュー三井谷)
料金: ガマ洞窟大人500円、小人200円 その他は無料

見どころいっぱい!筑波山を登ろう

筑波山とお日様

出典:PIXTA

歴史もあり、自然もありの筑波山。ケーブルカーやロープウェイで便利な上、観光地としても人気があるので、グルメも、見どころもたくさん整備されています。すぐに登れる初心向けコースから、ベテランでも楽しめる周遊コースなど、登山としても人気の山。ぜひ、見どころいっぱいの筑波山を登りましょう。

※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。

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