ヘビが毒を使うとき
ヘビにとって捕食以外で毒を使うのは、本望ではありません。毒は、狩りや食事に使うための大切なものであり、人間に対する防御のために毒を使うのは二次的なもの。基本的な性質はおとなしいものが多く、ヘビが自ら襲ってくることはほとんどありません。
身の危険を感じたときのみ攻撃を開始します。
毒のあるヘビの種類
日本に生息するヘビの仲間は約40種ほど。その中で北海道から九州に生息するのは8種のみで、その中の2種「マムシ」と「ヤマカガシ」が毒を持っています。奄美や沖縄には、有名な「ハブ」が生息。毒のないヘビに咬まれても毒の心配はありませんが、毒ヘビとなると話は違います。
では、日本の代表的な毒ヘビ3種の特徴をご紹介します。
日本三大毒ヘビ
ヘビの種類 | 分 布 | 大きさ | 特 徴 | |
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① | マムシ | 北海道から 九州 | 約 40cm〜65cm | 日本の毒ヘビの中で、死亡件数が最も多く、咬まれたら基本的には入院が必要。 夜行性で、エサはカエルを好み「銭形模様」が特徴的です。 一般的なヘビと違い、卵ではなく仔ヘビを産み落とし、暗闇でも体温を可視化して相手を捉えることが可能。 |
② | ヤマカガシ | 本州、四国、九州 | 約 70cm〜120cm | おとなしい性格で咬まれることは少ないですが、毒はマムシやハブに比べてかなり強烈。 毒牙以外に首の後ろの頸線にも防御用の毒を持っています。 東日本では赤と黒のマス目模様ですが、西日本では緑褐色、地域によって色や模様の変化があるので注意が必要。 |
③ | ハブ | 南西諸島 | 約100cm〜200cm | 大きいものでは2メートル以上にもなる大型のヘビ。 攻撃性が高く、毒性はマムシよりも弱いですが、1.5cmの長い毒牙で深く刺さり、毒量も多いので症状は重くなります。 基本的には夜行性で、昼間は草地や穴の中で休んでいます。 黄色地に黒のかすり模様が多いですが、白色地のものも生息。 マムシと同じように温度を可視化しています。 |
咬まれないために知っておくべきこと
山中でヘビに出会いやすい場所とは?
ヘビたちは里山の水辺近くをはじめ、草地や森林、湿地帯や川辺の岩間などを好みます。登山中に遭遇する可能性が高いのは、草むらや藪の中、雑木林の落ち葉の上など。
出来るだけ登山道から外れないように努め「マムシに注意」などの看板があるところでは、特に注意して歩きましょう。