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アイスクライミング アイスキャンディ

アイスキャンディに登ろう!憧れのアイスクライミングチャレンジへのイロハを教えます

南八ヶ岳・赤岳鉱泉の人工氷瀑「アイスキャンディ」。アイスクライミングデビューには格好の存在ですが、まだまだわからない事だらけ…そんな登山者も多いでしょう。今回プロガイドの手引きで、アイスキャンディにチャレンジするため手引きをご紹介!

目次

アイキャッチ画像撮影:washio daisuke

アイスキャンディ…写真で見たことはあるけれど

アイスキャンディでのアイスクライミングの様子

撮影:washio daisuke(アイスキャンディでのアイスクライミングの様子)

この写真、SNSや登山雑誌などで一度は見たことがあるのでは。そう、これこそが南八ヶ岳の山小屋・赤岳鉱泉の人工氷瀑「アイスキャンディ」。アイスクライミングデビューには格好の存在ですが、何をどうすれば良いかわからない…そんな登山者も多いでしょう。

今回は石井スポーツ登山学校校長でもあるプロガイド・天野和明さんの手引きで、アイスキャンディにチャレンジするためのあれこれをご紹介します。

まずはアイスキャンディを知ろう!

アイスキャンディ

撮影:washio daisuke

写真で見ただけではスケールや構造が理解しにくいアイスキャンディ。実は、壁面に応じて斜度や特徴が異なるんです。
チャレンジする前に、まずは東西南北の壁を探訪してみましょう!
*気象や氷の発達度合によって各面の特徴は変化する場合もあります。最新の情報を入手して登攀しましょう。

南面

アイスキャンディ 階段

撮影:washio daisuke

日当たりが良く氷が柔らかい南面は、通常クライミングには使用されません。後述するトップロープの支点構築のために、アイスキャンディの屋上に登る階段が設置されています。

東面

アイスキャンディ 凹面

撮影:washio daisuke

傾斜が緩い部分もあり、手がかり・足がかりにしやすい凹面がある東面は、アイスクライミング初心者にも比較的チャレンジしやすい壁です。

北面

アイスキャンディ 北面

撮影:washio daisuke

日当たりが悪く、氷が硬く締まっていることが多い北面。アイゼンの前爪やアイスアックスが刺さりにくいので、アイスクライミングの基本をマスターしてから挑みましょう。

西面

アイスキャンディ 西面

撮影:washio daisuke

氷柱が折り重なっている西面。登攀の際に崩れたり落氷が起きることもあるため、慎重に挑むことが必要です。

アイスキャンディに登る前に…

アイスキャンディの概要を知ったところで、登攀前に知っておいてほしい事柄をご紹介。安全にアイスクライミングを楽しむための、ルールや装備を理解しておきましょう。

アイスキャンディの登攀ルール

アイスキャンディ 使用規定

提供:赤岳鉱泉・行者小屋ホームページ(画像をクリックすると大きな画像が見れます)

こちらは赤岳鉱泉・行者小屋ホームページに掲載されている、アイスキャンディの使用規定。かなり細かく見えますが、とても重要内容が書かれています。必ず熟読しましょう。

アイスキャンディの登攀前には、必ず赤岳鉱泉のフロントに申し出て使用料(1日=1,000円・12月〜3月の1シーズンパス=3,000円)を支払い、注意事項を記した誓約書を熟読して署名。利用日を記載したテープをもらえるので、ヘルメットに貼っておきましょう。
赤岳鉱泉・行者小屋ホームページ アイスキャンディ使用規定

アイスキャンディ登攀に必要な装備

アイスキャンディの登攀は、基本的にクライマー(登攀者)・ビレイヤー(確保者)の2人1組で行い、それぞれに必要な装備があります。

【1】両者とも必要な装備
*ヘルメット・サングラス
赤岳鉱泉 ヘルメット・アイゼン・アイスアックスのレンタル

撮影:washio daisuke(赤岳鉱泉ではヘルメット・アイゼン・アイスアックスのレンタルも実施)

アイスキャンディに限らず、アイスクライミングでは氷を叩いて登攀するため、氷の塊が飛散・落下してきます。頭部や顔を負傷しないために必ず着用しましょう。

*アイゼン(クランポン)
アイスクライミングに適した前爪のアイゼン

撮影:washio daisuke(アイスクライミングに適した前爪のアイゼン)

アイスキャンディ自体はもちろんですが、周囲も地面は氷に覆われています。登攀する時だけでなく、エリア内での行動中に転倒しないためにアイゼンの装着は必須。
氷に蹴り込みやすいように前爪が1本になっていたり縦になっているタイプのアイゼンがオススメです。

*ハーネス
ハーネスを装着して安全確保

撮影:washio daisuke(ハーネスを装着して安全確保)

アイスクライミングはクライマーとビレイヤー双方にロープを連結して安全確保を行います。万一の落下時に外れないよう、ウェストをしっかり締めて装着しましょう。

*グローブ
クライミング用グローブ

撮影:washio daisuke(クライミング用グローブが便利)

クライマーはもちろん、ロープの摩擦から手を保護するためにビレイヤーもグローブを装着しましょう。テムレス(防水透湿性のある作業用手袋)をビレイヤーが使用することは禁止です。

【2】クライマー・ビレイヤーそれぞれに必要な装備
*アイスアックス(クライマー)
2本ワンセットで使用

撮影:washio daisuke(2本ワンセットで使用します)

両手に持って氷に刺しながら登攀します。通常のピッケルより短く、シャフトがくの字に曲がっているのが特徴。握りやすさ・振りやすさなど自分に合ったモデルを探しましょう。

*確保器具(ビレイヤー)
ビレイヤー

撮影:washio daisuke(クライマー側とビレイヤー側のロープを通す位置がイラストで明示されています)

クライマーがバランスを崩したら即座に止められるよう、ロープが常にピンと張った状態を保持するのがビレイヤーの役目。ここで使用するのが確保器具です。

道具まとめ

クライマー(登攀者)ビレイヤー(確保者)
ヘルメット
サングラス
アイゼン(クランポン)
ハーネス
グローブ
アイスアックス
確保器具

レンタル装備もあります

レンタルのアイスアックス

撮影:washio daisuke(たくさんの種類から選べるレンタルのアイスアックス)

ちなみに、以下の装備は赤岳鉱泉でレンタルも可能です。

・アイスアックス:500円(1日)
・アイゼン(クランポン): 500円(1日)
・ヘルメット:500円(1日)

特にアイスアックスは、アイスクライミング初心者がいきなり購入するのはハードルが高い装備。様々なブランドが揃っているので、まずはレンタルして使ってみてから、自分に合ったモデルを見つけるのも良いでしょう。

アイスキャンディに登ってみよう!

ではいよいよアイスキャンディにチャレンジ!写真と動画を交えながら、基本的は登攀方法や疑問点について紹介していきます。

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