”剱岳”のプロと登頂者が語る!一般登山道の国内最難関ルート攻略の秘訣

2019/11/01 更新

日本百名山でも屈指の難易度として知られる、北アルプスの岩峰・剱岳。険しい稜線と深い谷が織り成す迫力ある姿は、多くの登山者やクライマーの心を惹きつけ、あるいはその威圧感で登山初心者を拒んでいるようでもあります。「いつかは剱岳に登りたい」そんなチャレンジ精神旺盛な登山者にとって気になる”どんな人が、どのように登頂を果たしたか”という情報を、実際に劔岳に訪れてあれこれ聞いてみました。


アイキャッチ画像撮影:washio daisuke

多くの登山者やクライマーが惹きつけられる《剱岳》

撮影:washio daisuke(剱岳)
日本百名山でも屈指の難易度として知られる、北アルプスの岩峰・剱岳。険しい稜線と深い谷が織り成す迫力ある姿は、多くの登山者やクライマーの心を惹きつけ、あるいはその威圧感で登山初心者を拒んでいるようでもあります。

いつかは挑戦したい憧れの山

撮影:washio daisuke(剱岳の険しい稜線)
剱岳は富山県東部の立山連峰にある標高2,999mの山。一般登山道としては国内最難関と言われ、滑落などによる遭難事故も。日本三大雪渓のひとつである剱沢雪渓を擁し「岩と雪の殿堂」とも呼ばれています。
「登ってみたいけど、手の届かない山」そんなイメージを抱きがちですが、登山好きなら一度はその頂上を目指してみたいですよね。

剱岳への初チャレンジは「別山尾根ルート」がおすすめ!

撮影:washio daisuke(別山尾根と剱沢)
初めて剱岳にチャレンジするなら、南側から山頂を目指す別山尾根ルートがおすすめ。
その理由は

▼登り約3時間・下り約2時間半のコースタイムで他ルートと比べて短い(剱沢から剱岳山頂)
▼比較的標高差が少ない(それでも片道のみで単純標高差で約500m強・累積標高差では登り約685m・下り約180mの数値となります)
▼2軒の山小屋(剱澤小屋・剣山荘)とキャンプ指定地があり、ベースキャンプに荷物を置いて必要最小限の装備で往復登山可能

別山尾根以外のルートは健脚者や登山熟達者向けであり、多くの登山者が2回目以降やプロガイド・ベテランの先輩登山者と一緒に挑戦しています。
しかし裏を返せば、別山尾根は剱岳登山のメジャールートです。登山シーズンの週末や連休には難所で登山者の渋滞が発生することも多いため、必ずゆとりを持った計画をたてましょう

本当に自分でも登れるの…?

出典:PIXTA(カニノタテバイ)
とはいえ、別山尾根ルートも難所や危険箇所が連続する登山道です。多くの登山者が切り立った断崖にかけられた鎖場の様子から、剱岳へのチャレンジを躊躇しているようです。
「自分でも登れるのかな?」と不安な方のために
①剱岳へクライアント(=顧客)を引率して登山するプロガイド
②剱岳を知り尽くした剱澤小屋のご主人
③剱岳の登頂経験者(登山歴は様々)

に、それぞれの視点からのアドバイスや体験談を語ってもらいました。
そして記事の最後には具体的なルートのイメージをつかめるように、詳細なルートの写真を用意しています。

プロガイドが案内の時に気をつけていることって?

撮影:washio daisuke(浮石の多いガレ場と前剱・大岩)
現役で剱岳を案内しているプロガイド3名に、剱岳・別山尾根ルートの注意点や経験すべき山・身につけておくべきスキルを教えてもらいました。
すると意外なことに、未経験者が恐怖心を抱く危険箇所での転滑落よりも、気の緩みや人工落石の危険に対しての警鐘が集中。
さらに、剱岳をガイドをする時に注意していることについても聞いてみました。

「落石に遭わないようによく観察する」

提供:川﨑たくへいガイド
【川﨑たくへいガイド】
公益社団法人日本山岳ガイド協会・山岳ガイドステージⅠ/スキーガイドステージⅠ、オフィスカワサキ MountainGuide代表
登山初級から中級向け登山教室「やまんど」の運営やマンツーマンからグループ向けの個人ガイドを行っている。沢登り・岩稜登山・雪山登山・バリエーションルートを得意としている。

剱岳・別山尾根ルートでのガイディングで最も注意を払うポイントは?


場所を問わず、落石に遭わないように上方や危ない登山者の動きをよく観察すること

剱岳にチャレンジする前に、経験しておくべき山や身に付けておくべきスキルはありますか?


経験しておくべき山:八ヶ岳・権現岳~阿弥陀岳縦走。
身につけておくスキル:岩稜やザレ場の登降に対応できる歩行技術。

「他の登山者の真下には入らない」

提供:佐藤勇介ガイド
【佐藤勇介ガイド】
公益社団法人日本山岳ガイド協会・山岳ガイドステージⅡ、クライミングジム・カメロパルダリス経営、佐藤ガイドのホームページ
正しい技術や知識を身に着けた自立した登山者へ成長できるようサポート。剱岳・穂高岳周辺バリエーションルート、長期縦走コース、クライミングマルチピッチを得意としている。

剱岳・別山尾根ルートでのガイディングで最も注意を払うポイントは?


鎖場などはロープで確保などで危険性は排除できるが、落石はコントロールすることができないため、前剱・大岩の付近からの落石(他の登山者の真下になるべく入らない、距離を一定以上空ける)。

剱岳にチャレンジする前に、経験しておくべき山や身に付けておくべきスキルはありますか?


経験しておくべき山:不帰ノ険、八峰キレット(後立山)、穂高周辺。
身につけておくスキル:インドア含むクライミングスキルでバランスのとり方、ゲレンデ講習(屋外講習)で高度感や傾斜のある岩場に慣れたり、ホールドの見極め方・使い方を覚える。

「下りでも確実に石を踏んで歩く」

提供:松山信ガイド
【松山信ガイド】
山岳会や山の学校 マウナ・グリンプを立ち上げて、自立した登山者の育成を行なっている。北アルプス、バリエーションルートが得意。

剱岳・別山尾根ルートでのガイディングで最も注意を払うポイントは?


前剱・大岩からの下りです。剱岳山頂を踏んで気持ちもゆるみがちで疲れも出ているところなので、ザレ場などを確実に石を踏んで歩いてもらうようにしています。

剱岳にチャレンジする前に、経験しておくべき山や身に付けておくべきスキルはありますか?


経験しておくべき山:岩場に慣れてもらうために、岩歩きや簡単なクライミング。長時間、緊張感が必要なので変化のある山行を少し長い時間経験してほしい。
身につけておくスキル:ハーネス・セルフビレイを信じてもらう練習もしてほしい。

小屋番が語る登山者へのアドバイス

撮影:washio daisuke(剱澤小屋3代目主人・佐伯新平さん)
山小屋のご主人やスタッフは、登山道の整備はもちろん、遭難事故が発生した際には警察・消防と連携して救助活動を行う民間救助隊の役割も担っています。
今回、剱岳を知り尽くした剱澤小屋の3代目主人・佐伯新平さんに剱岳の特徴を伺いました。

剱岳の登山を難しくしている要素①…雪の影響

撮影:washio daisuke(谷筋には初秋でも雪が残る剱岳)

一服剱手前の斜面やカニノタテバイ手前の平蔵のコルには、遅い年だと7月下旬から8月上旬まで登山道に雪が残ります。
一般的な夏山と同じ考えで、海の日連休や梅雨明け十日に訪れる人の中にはこの事を知らずにアイゼンを持たない登山者も少なくありません。降雪や凍結の心配がないのは9月20日頃までなので、快適に登れる期間は約2ヶ月弱。
さらに台風や停滞前線などの影響を考慮すると、良いコンディションで登山できるのは1シーズンのうち30~40日程度ではないでしょうか。

剱岳の登山を難しくしている要素②…山頂近くに山小屋がない

撮影:washio daisuke’剱岳山頂から最寄りの山小屋・剣山荘まではコースタイムで約2時間・左奥に見えるのが剱澤小屋)

山頂直下に山小屋がある槍ヶ岳・奥穂高岳・大キレットなどと違い、ルート上で給水場所や避難場所がないことも剱岳の登山では考慮が必要です。
山頂から最寄りの山小屋まで、最低でも2時間。日本海に近くガスが湧きやすい立地、鎖やハシゴやピンなどの「金物」が多い稜線での雷雨時のリスク。
アタックのタイミングを天候の良い時間帯に設定できるかも、登頂の重要な要素になります。

限られたチャンスを掴み取る!

撮影:washio daisuke(好天の山頂に立つために…)

自宅で週間天気予報を見ながら予定を立てていては、限られたチャンスを掴み取ることはできません。
私は、小屋入りされるお客様に明日の天気を聞かれても、それは明日にしかわからないと答えています。自宅でも山麓でも室堂でもなく、剱沢まで来てスタンバイして欲しいのが本音。そこで初めて、剱岳登頂へのバッターボックスに立てるのです。
山は週末や連休など、登山者のスケジュールに合わせてくれることはありません。剱沢で最低2連泊する計画であれば、登頂のチャンスは増えます。残念ながら天候に恵まれなくても、前剱付近まで行って剱岳の一端に触れることも可能です。
剱岳が憧れの山であるならば、ひと夏くらいは山に自分のスケジュールを合わせてみる価値はあると思いますよ。

剱岳に誠意と敬意を持って

撮影:washio daisuke(剱沢小屋からの剱岳)

最後に…別山尾根ルートは事故が起これば大事になりますが、その発生件数自体は他の山域と比べて決して多くはありません。剱岳という山に誠意と敬意を持って、ルート状況と天候にしっかり向き合うことで、安全な登山を楽しんでください。

剱澤小屋ホームページ

登頂経験者に気になる一問一答!

別山尾根ルートからの剱岳登頂経験のある登山者7名(組)に、チャレンジした時の気持ちや情報収集の方法を聞いてみました。

登山歴5年目で初登頂:リリーさん

撮影:washio daisuke(剱岳にチャレンジする前の「最も大変・危険だった山」はトレーニングとして山岳会で行った医王山・トンビ岩コース)

剱岳にチャレンジする前の情報収集で活用したものは?

所属する山岳会の先輩に連れて行ってもらったので特にありません。

実際に登ってみて、怖かった・危険だと感じた場所はどこ?

カニノタテバイ・カニノヨコバイ

剱岳に登ってみて、感じたコト・変わったコトは?

やればできる!


登山歴25年目で初登頂:佐々木盛邦さん

撮影:washio daisuke(剱岳にチャレンジする前の「最も大変・危険だった山」は大キレット縦走)

剱岳にチャレンジする前の情報収集で活用したものは?

ガイドブック

実際に登ってみて、怖かった・危険だと感じた場所はどこ?

カニノヨコバイ

剱岳に登ってみて、感じたコト・変わったコトは?

他の山と比べて達成感の高さはひときわ!


登山歴10年目で初登頂:T.Mさん

撮影:washio daisuke(剱岳にチャレンジする前の「最も大変・危険だった山」は悪天候の中で登った北岳)

剱岳にチャレンジする前の情報収集で活用したものは?

山と高原地図/ヤマレコ・YAMAPなどの登山記録

実際に登ってみて、怖かった・危険だと感じた場所はどこ?

前剱先の鉄のブリッジ(風が強かったので尚更)

剱岳に登ってみて、感じたコト・変わったコトは?

強風の中での幕営にも苦労しました…。


登山歴8年目で初登頂:chib4さんご夫妻

撮影:washio daisuke(剱岳にチャレンジする前の「最も大変・危険だった山」は前穂高岳~吊尾根~奥穂高岳~大キレット~槍ヶ岳縦走)

剱岳にチャレンジする前の情報収集で活用したものは?

ヤマレコの登山記録

実際に登ってみて、怖かった・危険だと感じた場所はどこ?

下りのザレ場(気が抜けて転倒しやすいため)

剱岳に登ってみて、感じたコト・変わったコトは?

北アルプスのほぼ全山から富士山までの大展望に感動!


登山歴2年目で初登頂:shuさん

剱岳
提供:Instagram/_shupy(剱岳にチャレンジする前の「最も大変・危険だった山」は西穂高岳~ジャンダルム〜奥穂高岳縦走)

剱岳にチャレンジする前の情報収集で活用したものは?

ヤマレコの登山記録

実際に登ってみて、怖かった・危険だと感じた場所はどこ?

登山者が渋滞するセクションでの人工落石

剱岳に登ってみて、感じたコト・変わったコトは?

最高難易度だと思っていた剱岳に登頂したことが、現在取り組んでいるクライミングへのターニングポイントになった。


登山歴1年目で初登頂:Micoさん

剱岳
提供:Instagram/micopipi0820(剱岳にチャレンジする前の「最も大変・危険だった山」は大変さでは甲斐駒ケ岳、危険さでは宝剣岳)

剱岳にチャレンジする前の情報収集で活用したものは?

Yamakei OnlineなどWebの記事

実際に登ってみて、怖かった・危険だと感じた場所はどこ?

下りで足が疲れている状態でのザレ場の浮石

剱岳に登ってみて、感じたコト・変わったコトは?

剱沢へのアプローチまでのスタミナを含め、自分自身の1年間の登山の成長を実感できたこと。


登山歴2年目で初登頂:Tama&Shintaroさん

撮影:washio daisuke(剱岳にチャレンジする前の「最も大変・危険だった山」は槍ヶ岳・穂先のハシゴ)

剱岳にチャレンジする前の情報収集で活用したものは?

ヤマレコ・YAMAPなどの登山記録

実際に登ってみて、怖かった・危険だと感じた場所はどこ?

特になし!

剱岳に登ってみて、感じたコト・変わったコトは?

思っていたよりも簡単に登頂できた!


※お二人はマッターホルンの登頂経験もあり、取材時はプロガイド同行でバリエーションルートで剱岳に挑まれた強者です。
様々な経歴の登頂経験者の声を、剱岳チャレンジのイメージづくりに役立てて下さい。
そしてしっかりと計画を立て、万全の体制で望みましょう。

《バーチャル登山》別山尾根からの剱岳アタックをイメージしよう



9月中旬、筆者が実際に剱岳に登山して取材を実施。別山尾根ルートの様子を見て登山時のイメージ作りに役立ててください。
※写真の両サイドにある矢印を押すか、横にスワイプすると写真が変わります。
※滑落事故やカメラの落下を起こさない様、時間にゆとりを持って登山しながら、危険箇所では鎖などにセルフビレイをして撮影を行なっています。

まずは室堂から剱沢にアプローチ

剱岳・別山尾根ルートの起点となる剱沢。もちろんいきなり到達できる訳ではありません。立山黒部アルペンルートを利用して、まずは室堂へ。ここから剱沢まで、剱岳の手前に立ちはだかる立山連峰・別山から大日連峰に続く稜線を越えて、約3時間30分の道のりです。



《1》標高2,450mの室堂から、ミクリガ池などの景勝地を眺めつつ遊歩道を歩きます。
《2》室堂下の地獄谷からは有毒な火山ガスが噴出されているため、風向きに注意して通過しましょう。
《3》標高2,260mの雷鳥沢までいったん下ります。
《4》剱御前小舎のある別山乗越まで、歩行約2時間・標高差約500m弱の登りは、剱岳への体力テスト。
《5》左側の大日連峰より高い位置まで登ってくると、別山乗越まであと少し。



《6》別山乗越に着くと、剱岳が全容を現わします。
《7》別山乗越から剱沢へは、約40分の緩やかな下り坂。最初にキャンプ指定地に到着します。
《8》運が良ければ、ライチョウなどの野生動物に出会えるかも!?
《9》さらに5分程下ると、剱澤小屋に到着。
《10》剱澤小屋近くの小さな池からは、逆さ剱岳が望めます。

初日はこの剱澤小屋かさらに15分程歩いた剣山荘、もしくはキャンプ指定地にテントを設営して宿泊し、しっかり休養をとりましょう。

いよいよ剱岳・別山尾根へアタック!

お待ちかねの剱岳・別山尾根ルート。登山道の様子をご紹介します。



《11》時間に余裕を持って行動するため、遅くとも日の出と同時に出発しましょう。
《12》登山道は、剣山荘の裏手からスタートします。
《13》第1の鎖場に到着。
《14》斜度の緩い岩場なので、鎖に頼り過ぎないで通過してみましょう。
《15》第2の鎖場に到着。



《16》第2の鎖場も、緩やかな岩場をトラバース気味に進みます。
《17》別山尾根ルート最初のピーク・一服剱。
《18》一服剱より。剱岳山頂は前剱に隠れて見えません。
《19》一服剱から下りきったコル(鞍部)は、休憩に好適。
《20》前剱への登りは、浮石の多い急斜面。転倒したり落石を起こさないよう、注意しながら登りましょう。



《21》ルートを示すペンキマークを見落とさないように登りましょう。
《22》前剱・大岩。巨岩の左側に第3の鎖場があります。
《23》第4の鎖場。
《24》この鎖場を越えれば、前剱まであとひと息。
《25》前剱(2,813m)山頂。いよいよ剱岳山頂が目の前に迫ります。



《26》前剱から前剱の門までは、登り専用と下り専用に登山道が分かれます。
《27》登り専用登山道。鉄のブリッジを渡り、第5の鎖場へ。
《28》短いながらも高度感のあるブリッジ。強風時などは注意が必要です。
《29》第5の鎖場。右側は滑落すると大事故になる切り立った岩壁なので、鎖にしっかり掴まって進みましょう。
《30》第6の鎖場。前剱の門のコルまで下ります。



《31》比較的緩やかな稜線を登り、ケルンの積まれた広場を過ぎると、核心部のひとつである平蔵ノ頭の登降に向かいます。
《32》平蔵ノ頭。こちらも登り専用と下り専用に登山道が分かれています。
《33》登り専用登山道の第7の鎖場。斜度がきつく、鎖と岩に設置されたピンを頼りに登ります。
《34》第8の鎖場を通過し、カニノタテバイの取付き点である平蔵のコルに向かいます。
《35》振り返ると、いかに険しい稜線を通過してきたか分かります。



《36》いよいよ第9の鎖場・カニノタテバイ。上部からの落石や転落者の直撃を受けないように左下の岩陰に設けられた鎖の取付きで、順番を待ちましょう。
《37》感覚的には垂直に近い斜面を、鎖を頼りに登ります。
《38》カニノタテバイを過ぎても、まだまだ続く急斜面。
《39》平蔵ノ頭と前剱を振り返る。
《40》登山道がゆるやかなガレ場に変わると、山頂まであと少し。



《41》ついに山頂!シンボルでもある祠の前は、比較的広いスペースがあり休憩もできます。
《42》映画の題材にもなった三角点と後立山連峰の山並。
《43》下り最大の難所である第10の鎖場・カニノヨコバイ。
《44》最初の足場が目視できず、恐怖心を感じる場所です。鎖にしっかり掴まって思い切って岩から身体を離して足場を探すと、右足を置くのに丁度良い岩角が見つかるはずです。
《45》鎖場が終わると、今度はほぼ垂直のハシゴを下降します。ハシゴと岩が接近している部分もあるので、爪先を岩にぶつけてバランスを崩さないように、慎重に下りましょう。



《46》ハシゴを下りきったところにあるトイレ。携帯トイレが必要です。
《47》第11の鎖場。
《48》平蔵のコルへ向けて下ります。足場の少ない岩ですが、靴底のグリップをしっかり効かせて進みましょう。
《49》第12の鎖場。
《50》平蔵ノ頭へ登り返す、下山専用のルートです。こちらはホールドも豊富で登りやすい岩場です。



《51》平蔵ノ頭から下る、下山専用の鎖場。ここでようやく核心部は終了します。
《52》ケルンの積まれた広場まで戻って来ました。緊張を強いられる核心部の通過を終えたところで、ちょっとひと呼吸。これからの下りに備えて、もう一度気を引き締めましょう。
《53》前剱の門から下山専用の第13の鎖場を登ります。
《54》前剱の頂上を巻きながら進みます。
《55》前剱から先は、登りと同じルート。落石や転倒に注意して、剱沢まで下山しましょう。

結びに~剱岳をめざす方へ~

撮影:washio daisuke
いかがでしたか?実際に登頂した登山者の登山歴やスキルは様々…それでも、ある程度の経験を積めば、決して手の届かない頂ではないことを実感していただけたと思います。万全の準備と情報収集で、楽しく達成感にあふれる登頂を果たしてください!

ライタープロフィール:鷲尾 太輔

撮影:washio daisuke
(公社)日本山岳ガイド協会認定登山ガイド
高尾山の麓・東京都西部出身ながら、花粉症で春の高尾山は苦手。得意分野は読図とコンパスワーク。

ツアー登山の企画・引率経験もあり、登山初心者の方に山の楽しさを伝える「山と人を結ぶ架け橋」を目指しています。

ハードボイルド映画とF-1GPを愛し、根っからのガンマニアとカーマニアであったが、中学〜高校と在籍した山岳部で登山の魅力に癒され何とか更生…。

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washio daisuke
washio daisuke

*登山の総合プロダクション・Allein Adler代表* 登山ガイド・登山教室講師・山岳ライターなど山の「何でも屋」です。 得意分野は読図(等高線フェチ)、チカラを入れているのは安全啓蒙(事故防止・ファーストエイド)。 山と人をつなぐ架け橋をめざしています。

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