山を彩る美しい高山植物は、登山の醍醐味の1つ!
みなさまは高山植物は好きですか? 森林限界より上の高山帯に自生する高山特有の植物ですが、 初夏~盛夏にかけてアルプスなどの高山の山肌を彩り、ハイカーの疲れと心を癒してくれます。 山と高原地図でも「お花畑」の記述やマークがある箇所は、目を見張るほどの花々が咲き乱れまさに百花繚乱の様相を呈しています。
本州では2箇所だけ!貴重な高山植物 「ツクモグサ」
山域によって自生する植物の種類に傾向はありますが、その中でも特に珍しく、本州ではわずか2箇所にしか自生しない高山植物をご存知ですか? それは「ツクモグサ」です。 開花時期は年によって多少のズレはありますが、およそ5月下旬から咲き始め、6月初旬~中旬頃に見頃を迎えます。
日本固有の高山植物で絶滅危惧種に位置付けられており、数百個体が現存するのみと推定されている大変貴重な植物です。 本州以外では北海道の山岳地帯に自生していますが、本州に咲く2箇所とはいったいどこなのでしょう?
ツクモグサが見られるのはここ!その① 「白馬岳」
まずは「白馬大雪渓」で有名な白馬岳です!
大雪渓側から登ると、頂上にもっとも近い「白馬山荘」手前から山頂に掛けて、ツクモグサが至る所に咲き乱れています。
意外と小さくて見落とす可能性も!?
ただし、ツクモグサの花弁外輪は3~4cmほどと小さく背も低いため、目を凝らして「ツクモグサを見付けよう!」と探さなければ、気付かず通り過ぎてしまうことが多いので注意が必要です。
また、白馬岳の稜線では、このツクモグサが最も早く開花する高山植物です。 その為、ツクモグサの周りにはまだこれから芽吹く高山植物が地中に埋もれている可能性があります。 よって、登山道外への踏み込みやロープを越えてのツクモグサ観察や撮影は慎みましょう。 その時、地表に何も芽吹いていないからといって、土足で踏み荒らすのはNGなのです。
この時季の雪渓は要注意
併せて注意が必要なポイントとして、万年雪が残る白馬大雪渓。 日本三大雪渓のひとつで、ツクモグサの開花時期である6月初中旬は落石も多く、また斜度が急になる上部はまだ夏道が出ていません。 安全を考慮するとアイゼンとピッケルが必要となる行程になりますので、経験者や熟練者と共に万全の装備と準備で望む必要があります。
しかし、得られる絶景は盛夏とはまた異なる素晴らしさ!
ツクモグサにくわえ、ハイカーもまだまだ少ないため、残雪期の山歩きを楽しむ絶好の期間でもあると言えるでしょう。
ライチョウにも会いやすい!?
更にこの時期は、いたるところでライチョウを観察することができます。 そこここを歩き回り、空にはライチョウがあちこち飛び交い、少し大袈裟に聞こえるかもしれませんが、ハイカーよりライチョウの数の方が多いのではないか?と感じるほどですよ!