ライター吉澤
自分の将来も不安になってきました…。そんな現状でも庄太郎さんはライター業を続けたいと思いますか?
庄太郎さん
サラリーマンに戻りたいとは微塵も思わないよ。
ライター吉澤
意外です! どうしてですか?
庄太郎さん
性格の問題かな。自分の気持ちのままに、「自由」にできるのがいちばんだから。フリーランスなら上司から命令されることはないし、嫌な仕事は断れるし、仕事の量もコントロールできる。さらに、やればやるだけお金がもらえるから、それがモチベーションにもつながるしね。それと、やっぱり好きなことを仕事にできているから、ストレスがほとんどないんだ。
ライター吉澤
遊びと仕事は分けた方がいいと言う人もいますが、そんなことはないですか?
庄太郎さん
僕は仕事も遊びも一緒になっている今の人生が最高に楽しいね!一年の半分以上は山に登っているし、休日も山に登って遊んでいるから、遊びながら仕事をして、仕事しながら遊んでいる感じ。
ライター吉澤
そういう話を聞くと、やっぱり山岳ライターっていいなと思います。ただ、フリーランスの職業がいろいろあるなかで、どうして”ライター”で、しかも″山岳″に特化したライターになろうと思ったのですか?
高橋庄太郎さんが山岳ライターになるまで
庄太郎さん
もとから登山に興味があったわけではなくて、椎名誠さんの『わしらは怪しい探検隊』を読んだことがきっかけで、最初はテント泊に憧れたの。それで高校に入って、キャンプができる部活を探したら山岳部しかなくて、それで登山を始めたんだよね。
ライター吉澤
そうだったんですね。
庄太郎さん
出版業界を意識し始めたのは、同じく椎名誠さんの本のなかで「Pタカハシ」という編集者に出会ったことがきっかけだね。遊びながら本を作っている姿がとても楽しそうで、それで編集職に興味を持ったんだ。さらに、カヌーで川を下る旅をしながら本を書いていた野田知佑さんからもすごく影響を受けた。男のロマンを絵に描いたような生活に、とてつもなく憧れを抱くようになって・・・。そんなことが、アウトドドアと出版業が自分のなかで強く結びついたキッカケかな。

ライター吉澤
山岳ライターというよりかは、最初はアウトドアライターに憧れていたのですね。
庄太郎さん
そうだね。ただ、日本でアウトドアって言うとキャンプと登山がいちばん大きな分野じゃない。高校で山岳部に入っていた経験もあって、おのずと山中心のアウトドアライターになっていったよね。
ライター吉澤
仕事の仕方はどこかで学んだのでしょうか?
庄太郎さん
大学卒業後、仕事を覚えるために出版社に入ったんだ。当時はファション誌に配属されて、それはそれで面白かったけれど、自分の本来の志向のアウトドア分野をやりたかったから、入社8年目でさらっと辞めちゃった。
ライター吉澤
それから山岳ライターとしての人生が始まった?
強運にも恵まれて、ライター生活は順調にスタート
庄太郎さん
退職後は2年間無職時代を過ごしていたよ。国内外を旅しながら、最後には野田知佑さんが書いた本の舞台になった憧れのユーコン川に行ったの。そしたら偶然、現地で本物の野田知佑さんに会って。
ライター吉澤
それはすごい偶然ですね!
庄太郎さん
こっちは遊びだけど野田さんは取材で来てて、そこで知り合った出版関係の人から帰国後に仕事をもらうようになったの。それからフリーライターとしての生活が始まったんだ。
ライター吉澤
スタート時から順調に仕事をもらえたのですね。

庄太郎さん
これも運がいい方だと思うんだけど、友人や高校・大学の同級生で出版社に勤めている知り合いが多かったから、仕事を軌道にのせることも割とスムーズにできたね。
ライター吉澤
それは運が良すぎます(笑)。山岳ライターになりたい人で、未経験での業界に知り合いがいない人はどうしたらいいのでしょうか?
庄太郎さん
今からなら、やっぱり未経験でも挑戦しやすいweb上でフリーライターを始めて、徐々にアウトドア関係の仕事を増やしていくのがいいんじゃないかな。
ライター吉澤
ただ、それだと収入が低いですよね。ライターとして生計を立てられるのか、不安になる人もいると思います…。
庄太郎さん
だから、はじめから専業ではなく、副業で始めたり…。収入はさておき、山岳ライターとして幅を広げる方法はいろいろあるよね。
ライター吉澤
ぜひその方法を教えて下さい!