ライター吉澤
そろそろインタビューも最後になるのですが、冒頭で、これからのライターは”web中心にお金を稼ぐ新しい方法を考えたほうがいい”というお話がありました。これは山岳ライターの将来にも関わってくる話題だと思います。宜しければ、今どんな方法を考えているのか教えて頂けますか?
庄太郎さん
それが僕にもまだ思い浮かばなくて、ただ、雑誌の仕事が減ってweb上で記事を書くことが増えていくことは確かだね。webには凄い可能性を感じていて、新しい仕事の仕方ができるんじゃないかと思っているんだ。
ライター吉澤
具体的に教えて頂けますか?
庄太郎さん
情報を発信するという面だけで考えれば、書くことにこだわる必要はない。動画とか、イベントや講習の企画とか、もっとほかのやり方で情報を発信して、それを収入に結びけることができないか。“コンテンツ”を作って情報を発信する仕事ができるんじゃないかと思っているわけ。
ライター吉澤
何か参考にしているビジネスモデルがあるのでしょうか?
庄太郎さん
それがないんだよね。いまさらyoutuberを目指したいとも思わないし・・・。逆に言うと、新しいビジネスモデルを最初に見つけた人には明るい未来があるよね。
ライター吉澤
今はライターの働き方が変わりつつある過渡期なのですね。それでも山岳ライターをめざしたいという人に声をかけるとしたら、どんな言葉をかけますか?
庄太郎さん
単に「山が好きだから山岳ライターを目指す」というのはおすすめしない(笑)!。ただ、本当に山が好きで、さらに自分が持っている情報や知識を使って、人の役に立ちたいと思う気持ちがあれば、挑戦してみるといいんじゃないかな。
ライター吉澤
貴重なお話ありがとうございました!
話を聞いて分かったこと。山岳ライターには夢がある!
<高橋庄太郎さんが考える、これからの山岳ライター像>
【その1】山岳ライターになりたいライター未経験者は、WEBで文章を書くことに慣れてから様々な媒体でアウトドアの仕事を増やすのがベター
【その2】文章スキルに加えて、取材力や人脈など「ライターとしての総合力」が大事になる
【その3】文字での情報発信だけでなく、コンテンツ作成にも目を向けよう
今回のインタビュー内容は、皆さんの心にどう映ったでしょうか。これから山岳ライターをめざす人には厳しい話もあったかと思います。しかし、その厳しさのなかに夢があることも事実です。大好きな山に登って、原稿を書いて、最新の山道具を使って、また原稿を書く。これが多くの登山者の役に立つと考えると、やはり山岳ライターは素敵な職業だなと思います。
山岳ライターが活躍する媒体は雑誌からwebへ変わりつつあるのかもしれません。そんな先が見えない状況でも「どうなるか分からない感じが楽しい!」「どうにかする自信はある!」と言って笑っていた高橋庄太郎さんの笑顔が印象的でした。