2.「登山指数」が初心者にもわかりやすい
登山用の気象情報が得られるサイトやアプリはほかにもありますが、「てんきとくらす」の特徴は、登山をするための快適さを表す「登山指数」。降水量、風速、雲の量などを総合的に判断し、登山をするための快適さを独自の基準でAからCのレベルで表現しています。
表示の方法もとてもシンプル。登山指数はアイコンで表現され、一目で感覚的に気象状況を捉えられます。
複雑な山の気象状況を3つの分類で表現するので、あくまでも目安ではありますが、気象データや天気図を見ても理解できない、登山に適しているか自分で判断できないという人には、登山指数が山の状況を予測する大きな手助けになるでしょう。
3.情報が得られる山の数が多い
【高原・山】というカテゴリーに登録されているポイントは全国で1881ヶ所。全国の主な山やエリアのほとんどを網羅しています。
4.無料で使える
登山に使える天気情報サイトはほかにもいくつかありますが、完全に無料で使えるものは多くありません。会員登録なども不要で自由に使えるので、気軽に導入できるのは魅力です。
5.火山情報も得られる
さまざまな気象情報のなかでも、登山に関連して忘れてはいけないのが火山情報です。そもそも日本は火山大国。噴火の情報を目にすることも少なくありません。火山情報が発令されている山の一覧で、登ろうとする山の噴火警戒レベルも確認しておきましょう。
▼「てんきとくらす」の担当者インタビューはこちらをチェック
実際に「てんきとくらす」を使ってみよう!
では、実際に「てんきとくらす」を使って気象情報を調べてみましょう。今回は例として、白馬岳の天気情報を見てみます。
1.「てんきとくらす」で調べたい山を検索する
「てんきとくらす」はとても使いやすいサイトなのですが、サイト内に山名検索をする機能がないので、一覧から該当の山を探すのが少し面倒。
そこでGoogleなどの検索エンジンで【てんきとくらす ●●山】と検索する方法がおすすめです。主な山なら、ほとんどこの検索でヒットします。
2.予定日の登山指数をチェック
これが白馬岳の検索結果画面。8月2日の19時に検索したものです。当日と翌日の2日間は3時間ごと、3日目以降は1日ごとの登山指数が示されています。これは一般的な天気予報サイトと同じ形式ですね。
たとえば8月4日からの土日を使って1泊2日で登山を予定していたとすると、2日目の登山指数がB。「やや登山には適していない」という結果です。山頂付近の風速が、注意が必要な数字を表す赤色で表示されています。
風速10mというと、風に向かって歩きにくくなり、傘がさせなくなる強さの風(*)。登山には十分な注意が必要とされる強さです。
事前にこのような状況が予測できれば、自分の技量や場所によっては、予定自体を見直す、テント泊から小屋泊に変更する、小屋で天候の回復を待つための予備日を想定しておくなど、対応をすることで悪天候による危険リスクを減らすことができます。
麓の天気予報との違いに注目!
ちなみに同じ画面には、白馬村の天気予報、つまり麓の一般的な天気予報と同様の情報も示されています。
これを先ほどの登山指数の表と比べてみると、麓の天気予報では8月5日よりも6日のほうが降水確率は高いのに、登山指数は5日のほうが悪い予測になっています。一般的な麓の天気予報と、山頂付近の天気に違いがあるのがわかりますね。
過信は禁物! 便利だけれど万全ではない
とても便利な「てんきとくらす」ですが、“登山指数がAなら絶対に安全”ではないということを忘れてはいけません。この気象情報は数値の計算によって導き出されたもので、山の天気は地形をはじめとするさまざまな条件によって大きく変化するため、登山指数はあくまで目安でしかありません。
本来山の天候は、天気図を読み解き、雨雲の動きや風の強さ、風向などの情報からトータルにするべきもの。しかしそれには当然専門的な知識や経験が必要で、なかなか初心者にはとっつきにくいですよね。