登山に準備運動は必要ない!?
あなたは登山開始前に準備運動をしていますか? どんなスポーツでも必ずといっていいほど準備運動をしますよね。その一方で、「登山に準備運動は不要」という話を耳にすることがあります。本当のところはどうなのでしょうか。
準備運動は何のためにする?
準備運動は主運動の前の軽い体操やストレッチを指しますが、ウォーミングアップの言葉の通り、体温や筋温を上昇させ、酸素や血液の流れを良くすることです。それにより、心肺機能への急激な負担軽減や、柔軟性を高めたり可動域を広げ、スムーズな身体の動きやケガ防止に繋げる役割があります。
ストレッチには2種類ある!?
ストレッチには2種類あるのを知っていますか? 1つは一方向にゆっくりと筋肉を伸ばす「静的ストレッチ」。可動域を広げるとともに、筋肉自体を伸ばす効果があります。
もう1つは体の様々な部分を使い、複数方向への動きを伴う「動的ストレッチ」。血流を良くすることで筋肉の温度が上昇し、
登山前は何をしたらいい?
準備運動で大切なのは、最初に説明した通り、筋肉や体の温度を上昇させること。つまり、登山前には「動的ストレッチ」を行うのが有効です。
アキレス腱を伸ばすなどの「静的ストレッチ」だけでは、身体を温めるのには不十分。「静的ストレッチ」は、下山後の整理運動に行うのが良いでしょう。
準備運動不要説はどうなった!?

登山に準備運動は不要説の裏には、「登山は歩きながら身体が温まるからそれが準備運動だ」という声が多いようです。これは場合によっては間違いではありません。
例えば、寒い日。寒いと無意識に体に力が入ってしまいませんか? 本能的に筋肉を緊張させることで体温を上昇させようとするからなんです。筋肉が硬直しているときに、急にストレッチで伸ばしてしまうと、思いがけず筋を痛めてしまうことも。そんな日は、登山開始の30分程度をいつもよりゆっくりとしたペースで歩くことで、準備運動として身体を整えるのも有効です。