山岳マンガの金字塔! 『岳』の主人公“三歩”が歩いた山はここだ!

2018/04/25 更新

数ある山岳漫画の中でも特に人気なのが、石塚真一の代表作である『岳』。山岳救助をテーマとしながら、山の安全に関わる人々や山に訪れる人々の交流といった人間模様が描かれ、多くの山好きが愛読しています。主人公の“三歩”の人柄も大きな魅力。みんなに愛される“三歩”が歩いた山を実際に見てみたいと思いませんか? ぜひ一緒に、『岳』に登場する壮大な山々を辿ってみましょう。


アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

みんなが愛読する『岳』に登場する山を辿ろう!

岳
撮影:YAMA HACK編集部
あなたの好きな山漫画は何ですが? 数ある中でも山好きが愛してやまない漫画といえば、やはり『岳』ではないでしょうか。『岳』は山岳救助の物語ですが、その現場に焦点を当てるだけでなく、山の安全に関わる人や山を訪れる人たちとの交流といった人間模様や山が持つ魅力が描かれており、1つ1つのストーリーに心を打たれる作品です。

河童橋
出典:PIXTA
そんな絶大な人気を誇る『岳』の舞台は、登山者なら誰もが憧れる北アルプス。ストーリの中で登場する山に登ったことはありますか? 『岳』を読んで、自分が登ったときのことを思い出したり、「いつかは登ってみたい!」と思った人も多いはず。もしかしたら、「事故が起こるような場所って、どんなところなのだろう。」と実際の風景が気になった人もいるかもしれません。そこで今回は、主人公”三歩”が歩いた山々を辿ってみたいと思います。

『岳』の中で登場回数の多い山はどこだ!?

穂高連峰
出典:PIXTA
『岳』では、実在する山々や景色が描かれています。全18巻を通して、1番登場回数が多かった山はどこだと思いますか? 編集部員Eが『岳』を読み漁って、登場する山を徹底的に調べてみたとのこと。『岳』に登場するのはいったいどこの山なのか、早速みていきましょう。

1番登場回数が多かった山はココ!

北穂高岳 <北穂高岳(3,106m)>

穂高連峰の最北端にそびえる名峰・北穂高岳。西面の滝谷は壮絶な岩壁になっており、ロッククライミングの聖地とも呼ばれています。滝谷の下部から、要救助者を三歩が担いで上げるシーン(1巻)や滝谷・ドーム西壁で三歩がアイスクライミングを楽しむシーン(4巻)も。ちなみに、北穂高岳は北峰と南峰に分かれており、通常は北峰を北穂高岳頂上と言います。そんな北穂高岳が登場する回数は約8回(編集部員のざっくり調べ)で、栄えある一位でした。


やはり、『岳』と言えば穂高岳!

穂高岳地図 1番登場回数の多かった北穂高岳を含む、前穂高岳・奥穂高岳・西穂高岳などの穂高連峰の山々は、頻繁に『岳』に登場。地図上の赤で囲った山は、作品中にその名を見ることができます。また、要所要所に登場するのが、地図上の黄緑で囲った部分の自然が生み出した荘厳な谷や尾根。そんな、訪れたことがない人には中々イメージがしづらい場所もご紹介します。

吊尾根 <吊尾根>
奥穂高岳と前穂高岳を美しいラインで結ぶ吊尾根。しかし、そのルートはかなり厳しい岩場が連続する岩尾根です。山麓から見るととても優美に見えるため、多くの登山者が憧れる稜線となっています。

9巻では三歩が冬の吊尾根で滑落者を救助。昴エアーのレスキュー隊員“牧”の格好良い姿も見ることができます。

紀美子平
提供:ヤマレコ
<紀美子平>
上高地から穂高岳へのルートである「重太郎新道」は、今田重太郎によって開設されました。前穂高岳への取付である紀美子平は、その作業中に娘を遊ばせておいたことから命名されたと言われています。奥穂高岳から緊張感とスリル満点の吊尾根を越えて、紀美子平でひと安心。14巻では紀美子平でコーヒーを飲む三歩の姿を見ることができます。

前穂高岳
出典:PIXTA
<前穂高岳>
前穂高岳は、穂高連峰の中で唯一長野県にのみ属する山です。最大の魅力は、穂高連峰から槍ヶ岳への大展望が楽しめる点。また、北穂高岳の滝谷と肩を並べるほどのロッククライミングのメッカでもあります。7巻では、そんな岩場のバリエーションルートである前穂北尾根も登場しています。

奥又白谷
提供:ヤマレコ
<奥又白谷>
徳澤園から涸沢へと至る奥又白谷は、大きな石がゴロゴロするガレ場の続くコース。雪渓から流れる冷たい水が気持ちいい絶好の休憩ポイントです。奥又白谷は4巻と5巻に登場しています。

▼奥穂高岳についてはこちら

西穂高岳周辺も見逃せない!

西穂高岳周辺地図 穂高連峰の南端、西穂高岳周辺も『岳』に登場しています。西穂高岳はロープウェイを活用できるものの、森林限界を超えたあたりの岩場の稜線歩きはアルペン的な魅力を十分に備えています。2巻では、三歩が西穂高岳をどのように思っているかを知ることができますよ。

千石尾根 <千石尾根>
西穂高岳へ向かう千石尾根はかつてはボッカ道とされていました。眺望はほとんどなく、コメツガやオオシラビソが生い茂る樹林帯が続きます。6巻では、そんな千石尾根で道迷い遭難が発生してしまいます。

天狗岩 <天狗岩>
別名「天狗の頭」とも呼ばれる天狗岩。天狗のコルと間天のコルとの間にあるピークの事を言います。そのため、天狗岩の最頂部には「天狗岳山頂」という標識がたっています。5巻には天狗の頭の東面で救助活動を行う三歩の姿が。

▼西穂高岳についてはこちら

縦走コースで人気のあの山も登場!?


槍ヶ岳・常念岳の地図 穂高岳に次いで登場回数が多いのが、常念岳や槍ヶ岳。『岳』の中でも、勇ましく雄大な風景が印象的だったのではないでしょうか。そんな名峰以外にも『岳』では頻出の山があるんです。さぁ、どこの山でしょうか?

槍・穂高縦走コースのあの山も登場!

中岳 <中岳(3,084m)>
中岳は槍ヶ岳から南側に伸びる稜線上にあり大喰岳と南岳の間の一峰です。南東側斜面にある雪渓は「雲表のオアシス」とも呼ばれ、夏季には水場となることもあります。2巻では冬の中岳で雪崩が発生! 三歩も救助へ向かいます。

南岳 <南岳(3,033m)>
長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる南岳。その南岳直下には、槍ヶ岳・穂高岳への眺望が良い南岳小屋があります。他の北アルプスの山々に見劣りしない、壮大な景観が素晴らしい山です。

7巻では三歩とザック(アメリカで三歩がリーダーを務めていたレスキューチームに所属)が救助のために南岳を猛ダッシュ!

国内屈指の難易度を誇るあの場所も登場!

<大キレット>
北穂高岳と南岳を結ぶ大キレットは、一般ルートの中では日本最難関とも言われています。高度感のある急峻な岩稜地帯が続きエスケープルートもありません。初心者はこのルートでの登山は控えましょう。『岳』では4巻と9巻で滑落遭難が発生しています。

▼槍ヶ岳についてはこちら


▼常念岳についてはこちら

表銀座・裏銀座コースのあの山も登場!

表銀座・裏銀座の地図 燕岳から西岳、槍ヶ岳と続く「表銀座コース」と、槍ヶ岳から野口五郎岳方面へと続く「裏銀座コース」。いずれもロングトレイルを楽しめる人気縦走コースです。この2つのコースで訪れることのできる山も『岳』に登場しています。

西岳 <西岳(2,758m)>
長野県松本市と大町市にまたがる北アルプスの表銀座にある西岳。北アルプス表銀座縦走の際には通過地点となることが多い山です。13巻では、西岳水俣乗越での救助活動を終えた三歩がテントに戻るとそこには…!

▼燕岳についてはこちら


▼水晶岳についてはこちら

まだまだ登場する山がいっぱい!


『岳』に出てくる北アルプスの山や地名、自然物はまだまだあります。さらに、北アルプス以外の山も登場! 三歩以外の登場人物が登った山も含まれますが、どこの山が登場しているか、あなたは答えられますか?

メジャーな山から、あまり知られていない山まで!

大滝山 <大滝山(2,616m)>
大滝山は別名、大嶽や崩岳などと呼ばれ古くは修験道の山でした。森林限界をわずかに越える山頂部では、夏季にはミヤマモンキチョウ、ベニヒカゲなどの高山蝶を見ることができます。

長塀山 <長塀山(2,565m)>
上高地から蝶ヶ岳へ至る長塀尾根のピークが長塀山です。東側は「カモシカの池」や「妖精の池」がある舟窪地形となっています。また、樹林帯が続くため夏場はかなり蒸し暑い山行となります。大滝山と長塀山は、いずれも雪山として6巻に登場!

蝶ヶ岳周辺地図 ▼蝶ヶ岳についてはこちら


焼岳 <焼岳(2,455m)>
北アルプスで唯一の活火山である焼岳。噴煙が立ち昇る山頂からは、槍ヶ岳、穂高連峰など北アルプスの名峰を眺めることができます。焼岳は8巻にさりげなく登場しているので、お見逃しなく。

霞沢岳 <霞沢岳(2,646m)>
常念山脈の最南端で穂高岳の南側と向かい合うように位置する霞沢岳。山頂までは登り返しや急登の繰り返しですが、ルートからの上高地の眺めは抜群! 焼岳や穂高連峰を眺めるのに最適な山です。3巻では、冬の霞沢岳で三歩が大学生パーティを救助します。

日本一のあの山や東北の山も登場!

そう、日本一標高の高い富士山と岩手県の最高峰・岩手山も『岳』に登場。何巻に出てくるか、どんなストーリーなのか、探してみてくださいね!

▼富士山についてはこちら

▼岩手山についてはこちら

【おまけ】“三歩”のことがもっと知りたい!


山岳救助隊
出典:PIXTA
『岳』の主人公は、若くして世界の巨峰を登頂し、アメリカで山岳救助の経験を積んで日本へ戻ってきた島崎三歩。山の中にテントを張って暮らしながら、山岳救助活動を行っている三歩について、みんなが抱いている“あの疑問”や気になっていることを調査してみました。

三歩のテントはどこにある?

三ノ沢地図 三歩のテントがある場所は、作品中では「三ノ沢」とされています。「三ノ沢」は槍ヶ岳と赤岳(八ヶ岳の赤岳ではありません)の間に位置。しかしながら明確な場所は定かではありません。

三歩の生活費って?

クライミングジム
出典:PIXTA
14巻に三歩が救助活動の謝礼金を受け取るシーンが出てくる他、作品中ではクライミングジムでのルートセッターやビルの窓清掃、スキー場のリフト係をしているシーンが描かれています。謝礼金と、たまにアルバイトをして稼いだお金でやりくりをしているようです。

三歩の名言といえば!

岳
撮影:YAMA HACK編集部
三歩の人柄も『岳』の大きな魅力の1つ。三歩が救助者へかける言葉として有名なのが「よく頑張った」と「また山においでよ」の2つ。心に響く、神のようなセリフですよね。しかし、全巻全登場人物を通して、登場率がもっと高い言葉があるんです! それは「○○○○○」と「□□□□□□」。みなさんも日常で良く使う言葉です。その答えは、ぜひ、『岳』を読んで探してみてください。
参考:「山岳漫画・小説・映画の系譜」GAMO著、山と渓谷社、p61-68

登ってみたい山はいくつあった?

岳
撮影:YAMA HACK編集部
数々の名峰が登場する漫画『岳』。登ってみたい山、気になる山はありましたか? 中〜上級者向けが多いですが、初心者でも挑戦できるルートもあります。しかしながら、『岳』の中で悲しい事故も起こっている通り、油断は禁物。自分のレベルにあった山やルートを選び、安全に登山を楽しみましょう。この夏は、魅力あふれる三歩の足跡を辿って、壮大な山々と向き合ってみませんか?



 

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漫画岳
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高橋 典子
高橋 典子

ハイクとキャンプをこよなく愛するフリーライター、高橋です。次はどこに行こうか地図を眺めるのが日課。人生のモットーは自由であること!

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