日本に生息する代表的な毒蛇は3種類
ここでは、日本にいる代表的な3種類の毒蛇について紹介していきます。ニホンマムシ

■全長(体長):約40-65cm
■頭の形:先端が尖っている。三角形に近い形。猫のような縦長の瞳孔をしています。
■その他特徴:銭形模様と呼ばれ、「小銭を貼りつけたような、茶褐色の丸い模様の中央に暗色の斑点」があります。
■咬まれやすい場面:藪や水辺周辺の草地。夜行性ですが、日光浴目的で日中に出てくることもあります。
■概要:カエルを好み、里地里山を中心とした水辺環境の周辺に出現することが多いです。向こうから積極的に近づいてきて咬まれることはありませんが、人が来てもじっとしている傾向があり、気づかずに踏んで咬まれる事故例が多いです。咬まれても必ず死に至るわけではありませんが、日本国内で毒蛇に咬まれてなくなるケースのほとんどは、このマムシによるものです。
ヤマカガシ

■全長(体長):約60-150cm
■頭の形:三角ではなく、比較的細く丸い形。子どもの時は目がクリっとして愛嬌ある顔なのも特徴。マムシと異なり、丸い瞳孔をしています。
■その他特徴:子どもの時には、首まわりに黄色いリング状の目立つ模様があります。体色は、個体差・地域差で違いがあり判別がしにくく、西日本では、アオダイショウに酷似するものもあります。
■咬まれやすい場面:藪や水辺周辺の草地。カエルを好むため、川沿いなど、水場周辺に多く見られます。
■概要:水場周辺で、カエルやオタマジャクシなどをエサとしている毒蛇です。性質はとてもおとなしく、咬まれることは少ないですが、毒性は極めて強く危険です。毒には強い血液凝固作用があり、血管内で血栓を形成し、体の防衛反応として現れる溶血作用と相まって、皮下や消化管などでの内出血を引き起こす傾向があります。また、首元にも防御用の別の毒をもっています。
ハブ

■頭の形:鼻先が尖った三角形をしている。マムシと同じく、猫のような縦長の瞳孔をしています。
■その他特徴:黄色から灰色に、黒い不規則な黒い模様がついています。比較的、攻撃的な性格です。
■全長(体長):約100-200cm
■咬まれやすい場面:人家周辺の藪や林道、川沿いなどに注意が必要です。
■概要:平地から山地の森林や草地、水辺、農地に生息しています。ネズミを好むため、人家周辺や、サトウキビ畑にも出現し、被害を受けることがあります。毒性はニホンマムシよりも弱いですが、毒量が多いため、甚大な被害を引き起こします。症状としては患部の腫張、筋肉の壊死にはじまり、皮下出血や、腎機能障害などにおよび、後遺症につながる場合もあります。基本的に夜行性で、昼間は穴の中や草地内で休んでいることが多いです。
◆マムシ、ハブの毒◆

◆ヤマカガシの毒◆

毒蛇対策まとめ
では、覚えておきたいポイント4つをおさらいしましょう。1.蛇に出会ったらとにかく近づかない

2.ヘビがいそうな所に近づかない

山地里山、田畑わきの日当たりの良い場所は、ヘビが日光浴を目的に出ていることがあるため、こうしたところを歩く際は「いるかもしれない」と思いながら行動することが大切です。
3.行動をする際に気を付けたいこと
・茂みや藪の中は避けて歩く・穴の中、大きな石の陰など蛇のいそうな場所に不用意に手を入れない
・そもそも蛇に対してちょっかいを出さない
4.服装で防ぐ

・登山靴のような厚手の靴なら咬まれても防御できる
(マムシの毒牙は4mm程なので、厚手の靴なら肌に届きません。)
・丈夫な生地のゆったりとした長ズボンを履く
もし咬まれてしまったら

2.毒蛇の可能性がある場合、腕時計や指輪など、締め付けているものを外す。
3.走ってでも良いので、早く病院へ行く。
※ かつては「毒蛇に咬まれたら安静にして病院へ」とされてきましたが、今はこの対処は見直され、走ってでも良いので早く病院へ行った方が良いとされています。
※ 水洗い等で傷口の絞り洗いも効果があるとされます。ポイズンリムーバーを利用する場合は、一秒でも早く使用しないと効果が期待できないでしょう。
エクストラクター ポイズンリムーバー AP011
毒虫や毒蛇などの毒を強力な吸引力により、傷口から吸い出してくれます。体内に入った毒をなるべく早く排除することが必要になる為、アウトドアを安心して楽しく満喫する為にもポイズンリムーバーは必需品です。
アウトドアをより安全に楽しく

しかし、こうした危険生物も、昔から身近なところに生息しているものです。やみくもに怖がるのではなく、アウトドアを全力で楽しむ為にも、生態や習性、対策などの正しい知識をしっかりとおさえることが大切です。
監修:セルズ環境教育デザイン研究所 西海太介氏