冬には冬用の寝袋を選ぶべき理由って?
夏のテント泊はしたことあるけど、雪中のテント泊もしてみたい!という登山者も少なくないのではないでしょうか?登山用の寝袋は安くありませんし、「今持っているもので対応しよう…」と考えている方、ちょっと待って!冬は冬用の寝袋を使用すべき理由があるんです。
季節別・寝袋の種類
1年を通じて最も汎用性の高いものが3シーズン用なので、一番最初にこのモデルを買う人も多いようですが、「最初から雪山でテント泊をする」とわかっている場合は、冬用のものを準備し、シーズンごとに使い分けをするのが理想です。
冬のテント泊で保温性を決めるカギって?
冬向けのテントでは、凍らない様にメッシュ生地の使用を最小限に留めていたり、専用の外張を使用して荒天・積雪に対応するような仕組みが取られています。
しかし、テントで保温性を上げることはほぼ不可能。「通気性の良い夏用モデルに比べて外気が入ってきにくい」という差はあるにしろ、テント内を暖かくしようとするとストーブなどを使用するしかありません。キャンプならいいですが、登山においてストーブを持参するのは非現実的です。
そこで、重要なのが寝袋とマットというわけになります。就寝する際いかに雪面からの冷気を遮断するかがポイント。マットで冷気を遮断、寝袋で保温と考えてください。
▼寝袋・マットの選び方について、プロに聞いてみました!
3シーズンや夏用は使えない?冬用寝袋を選ぶ際のポイント
では、実際に選ぶ際に注目したいポイントを紹介します。
「3シーズンや夏用の寝袋が使えない」ということはありません。ただ1枚では保温力が十分とは言えず、「2枚重ねて使うと暖かい」という意見もあります。しかし…
この2点を考えると、冬には冬用の寝袋が1つあると安心です。
注目すべきは『下限温度』と『快適温度』
多くのメジャーな寝袋に採用されている『ヨーロピアン・ノーム』。これはEU諸国間の工業製品の基準で、その中で「EN13537」というものがシュラフに関する温度表記の算出について定義したものです。
目安として、この中で定義されている「快適(コンフォート)温度」とは一般的な女性が快適に寝ることができる温度域、「下限(リミット)温度」とは一般的な男性がシュラフの中で丸くなり、快適に寝ることができる温度域とされています。
EN13537は<モンベル><ナンガ><イスカ>など多くのメーカーが採用していますので、寝袋の購入時には参考にしましょう。
‐15℃以下になる冬山で使用する場合などでは、ダウンジャケットなどの防寒着を着込んで寝ることを前提に、快適温度‐8℃、下限温度‐15度程度を目安にするなど、山の気温、各人の体力や装備等に合わせて選んでください。
日本の山ではどれくらいのものを選べばいいの?
もちろん気象条件などによって一概には言えませんが、例えば2,000m級の山で1月の気温が-15℃~-20℃あたりになることがあります。この中で眠るためには…下限温度をまずチェックし、誤差を着るものや身につけるもので補う、といった風に寝袋を選びましょう。
冬に活躍! おすすめ登山用シュラフ11選
やはり冬山では厳冬期用のシュラフがおすすめです。3シーズン用を重ねて使用することなども可能ですが、荷物の軽量化を考えた場合には、多少高価でも厳冬期用を用意できるとよいですね。
モンベル ダウンハガー650 #0
重量:1525g
中綿:650フィルパワーダウン
収納サイズ:φ20×40cm(10L)
リミット温度:-14度
コンフォート温度:-7度
快適性と汎用性、コストパフォーマンスに優れた国内3000m級の冬山で使用できるモデル。モンベル独自のストレッチシステムを採用。右側にジッパーが付くR/ZIPと左側に付くL/ZIPモデルがあり、ジョイントも可能です。
モンベル アルパイン ダウンハガー650 #1
重量:1,180g(1,216g)※( )内はスタッフバッグを含む総重量。
中綿:650フィルパワーダウン
収納サイズ:φ19×38cm(8.6L)
リミット温度:-10℃
コンフォート温度:-4℃
快適性と汎用性、コストパフォーマンスに優れた国内2,000m級のほとんどの冬山で使用できるモデル。モンベル独自のストレッチシステムを採用。右側にジッパーが付くR/ZIPと左側に付くL/ZIPモデルがあり、ジョイントも可能です。
モンベル シームレスダウンハガー800 #1(男女兼用)
重量:866g(893g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量
羽毛量:-
収納サイズ:φ16×32cm(5.7L)
リミット温度:-10℃
コンフォート温度:-3℃
快適性と軽量性に優れ、コンパクトに収納できる、国内2,000m級のほとんどの冬山で使用できるモデル。モンベル独自のストレッチシステムを採用。右側にジッパーが付くR/ZIPと左側に付くL/ZIPモデルがあり、ジョイントも可能です。
モンベル シームレスダウンハガー800 #0(男女兼用)
重量:995g(1,027g) ※( )内はスタッフバッグを含む総重量。
羽毛量:-
収納サイズ:φ18×36cm(8.1L)
リミット温度:-13℃
コンフォート温度:-6℃
超軽量・コンパクトで撥水性、快適性に優れた国内3000m級の冬山で使用できるモデル。モンベル独自のストレッチシステムにより軽量性の確保と緩やかな伸びを両立。かさ高さの復元力800フィルパワーの高品質グースダウンを採用しています。
ナンガ オーロラライト750DX
国内のほとんどの厳冬期環境で使用可能な高機能モデル。春夏から厳冬期まで対応できるモデルもラインナップに追加され、用途に応じて選べるようになった。
ナンガ オーロラライト750DX
羽毛量:750g
収納サイズ:φ19×31cm
リミット温度:‐16℃
コンフォート温度:‐8℃
ナンガ UDD BAG 1000DX
厳冬期の本格派シュラフ。海外の高山登山等にも耐えられる保温性を備え、DXの羽毛に超撥水加工を施した高品質・高機能ダウン(770FP)を使用することで、最大の弱点であった水濡れを克服しました。同じ保温力の化繊シュラフと比べて明らかに軽量でコンパクト、保温力も違います。
ナンガ UDD BAG 1000DX
羽毛量:1000g
収納サイズ:φ21×41cm
リミット温度:-16℃
コンフォート温度:-9℃
ナンガ UDD BAG 810DX
国内の厳冬期、ほとんどの場所で使用可能。DXの羽毛に超撥水加工を施した高品質・高機能ダウン(770FP)を使用することで、最大の弱点であった水濡れを克服。台形ボックスキルト構造と立体構造で、どんな態勢でも効率的に保温、足元を細くすることで軽量化しています。
ナンガ UDD BAG 810DX
羽毛量:810g
収納サイズ:φ19×31cm
快適使用温度: -13℃
使用可能限界温度:-34℃
イスカ エアプラス810
厳冬期の国内山岳、ヒマラヤや極地遠征にも対応した高品質モデル。独自の3D構造と熱効率に優れた台形ボックス構造を採用し、最高品質の800フィルパワーのホワイトグースダウンを810g使用しています。ショルダーウォーマーとファスナーの内側に配置したドラフトチューブが放熱のロスと冷気の侵入を効果的に防いでくれます。
イスカ エアプラス810
羽毛量:810g(90/10 800フィルパワ-)
収納サイズ:φ21×37cm
コンフォート温度:-
リミット温度:‐
最低使用温度:-25℃
イスカ エアエアドライト 670
冬山、冬キャンプに対応したモデル。独自の3D構造と熱効率に優れた台形ボックス構造を採用し、高品質な750フィルパワーのダウンを670g使用、コストパフォーマンスにも優れています。ショルダーウォーマーとファスナーの内側に配置したドラフトチューブが放熱のロスと冷気の侵入を効果的に防いでくれます。
イスカ エアドライト 670
羽毛量:670g(90/10 750フィルパワ-)
収納サイズ:φ20×34cm
リミット温度:-
コンフォート温度:‐
最低使用温度‐15℃
雪山登山するなら、やっぱり冬用のシュラフが欲しいよね
やはり、冬季や春の残雪期に雪山でテント泊しようと思うなら、厳冬期用の軽くて暖かいシュラフがあると心強いですね。決して気軽に買える価格ではありませんが、厳冬期対応の羽毛を使用したシュラフは、耐久性も品質も一級品が多いので、慎重に選んで、一生モノとして大切に使っていきたいですね!