十勝岳ってどんな山?
標高 | 山頂所在地 | 山域 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
---|---|---|---|---|
2,077m | 北海道美瑛町・上富良野町・新得町 | 石狩山地 | 13℃ | 0℃ |
十勝岳は大雪山国立公園内にある十勝岳連峰の主峰で、日本百名山にも選定されている山です。火山の山で、山頂付近は火山灰に覆われていますが、山頂から見える大雪山方面、トムラウシ山など雄大な山々の景観がすばらしく、花の百名山でも紹介されたイワブクロなどの高山植物も豊富です。
十勝岳の噴火情報
十勝岳は過去150年間の間に大きな噴火を何度も繰り返してきた山です。最近では昭和63年から平成元年にかけて噴火があり、登山も禁止となりました。平成2年に登山は解禁となり、現在では噴火警戒レベルは1となっていますが、活火山であることに変わりありません。出かける前に必ず十勝岳の活動状況をチェックしましょう。
十勝岳の登山適期は?
登山しやすい時期は6月中旬~9月上旬です。6月は雪が残っていることもあります。9月はもう冬の寒さが始まります。服装や装備には注意しましょう。
十勝岳の天気
十勝岳に行く前に現地の天気をこちらでCHECK!
十勝岳は紅葉も見どころ!
十勝岳の紅葉は例年9月中旬から色づきはじめ、下旬にかけて見ごろとなります。十勝岳は北海道の紅葉のなかでも、最も早く紅葉を楽しめる場所として知られています。
十勝岳の紅葉は錦のように美しく、紅葉したハイマツやシラカバと緑のコントラストが見事な景色を見ることができます。
十勝岳の紅葉の時期は多くの登山者やカメラマンが訪れて賑わいます。
ふもとの十勝岳温泉郷からも見事な紅葉を見ることができます。
おすすめの登山コース4選
十勝岳は噴火のたびに登山道が変わってきました。ここでは現在歩ける一般的な登山道をご紹介します。
①十勝岳登山口(望岳台)コース
最高点の標高: 2034 m
最低点の標高: 920 m
累積標高(上り): 1418 m
累積標高(下り): -1418 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:6時間55分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
十勝岳登山口(60分)→雲ノ平分岐→(105分)→昭和噴火口(80分)→十勝岳(50分)→昭和噴火口(70分)→雲ノ平分岐(50分)→十勝岳登山口
十勝岳登山口のある望岳台からは富良野や美瑛の町が見え、噴煙を上げる姿を目にしながら登ることができるコースです。
登山口で森林限界を超えているため、樹林帯がなく、開けて気持ちの良い登山道を登ります。視界が悪いと迷いやすいので注意しましょう。稜線に出ると美瑛岳や旭岳など山々の雄大な景色を眺めながら山頂に向かいます。砂の斜面からごつごつした岩のような斜面になり、大きな岩がゴロゴロしている山頂に至ります。
稜線に出ると風が強いことがあり、体感温度が低くなるので暴風対策はしっかりしていきましょう。風向きによっては噴煙が流れて来ることもあります。下山は来た道を戻ります。
②十勝岳温泉(陵雲閣)コース
最高点の標高: 2034 m
最低点の標高: 1260 m
累積標高(上り): 1678 m
累積標高(下り): -1678 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:7時間50分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
十勝岳温泉(30分)→三段山分岐(40分)→上ホロ分岐(90分)→かみふらの岳(20分)→上ホロカメットク山(30分)→大砲岩(60分)→十勝岳(40分)→大砲岩(40分)→上ホロカメットク山(10分)→かみふらの岳(60分)→上ホロ分岐(30分)→三段山分岐(20分)→十勝岳温泉
かみふらの岳と上ホロカメットク山を縦走し、十勝岳山頂を目指すコースです。下山後には温泉に寄ることもでき人気のコースです。
登りはじめは緩やかな道ですが、上ホロ分岐からは急坂と階段が続き、かみふらの岳へ向かいます。夏はハイマツやお花畑が美しいところです。上ホロカメットク山を越え、稜線に出ると、周りの山々の雄大な景色を見ながら登ることができます。
十勝岳までの縦走路は尾根道で、噴煙を上げる十勝岳がずっと見えています。気持ちの良い道ですが、片側がガケになっているので気をつけましょう。下りは来た道を戻ります。
③吹上温泉コース
最高点の標高: 2034 m
最低点の標高: 1016 m
累積標高(上り): 1426 m
累積標高(下り): -1426 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:6時間58分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
吹上温泉(60分)→雲ノ平分岐(105分)→昭和噴火口(80分)→十勝岳(50分)→昭和噴火口(70分)→雲ノ平分岐(53分)→吹上温泉
このコースの登山口には宿泊施設や野営広場があるので、前日から登山の準備をすることができます。下山後には温泉に寄って帰ることができます。
吹上温泉登山口から、はじめは樹林帯に覆われた道を歩きます。富良野川源流を渡渉し、さらに進むと望岳台(十勝岳登山口)からのルートと合流し、①と同じコースで山頂へ向かいます。下山は来た道を戻ります。
④白金温泉コース
最高点の標高: 2034 m
最低点の標高: 632 m
累積標高(上り): 1822 m
累積標高(下り): -1822 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:8時間55分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
白金温泉(70分)→十勝岳登山口(60分)→雲ノ平分岐(105分)→昭和噴火口(80分)→十勝岳(50分)→昭和噴火口(70分)→雲ノ平分岐(50分)→十勝岳登山口(50分)→白金温泉
白金温泉から望岳台歩道を通って十勝岳へ向かうコースです。周辺には観光スポットになっている青い池があり、セットで訪れる人も多いです。
白金温泉から望岳台歩道を歩きます。歩道とは言え、石がゴロゴロしたやや歩きにくい道となっています。望岳台からは①のコースで十勝岳へ向かいます。下山は来た道を戻ります。
まだまだコース取りできる!
十勝岳への登山口は他にもあり、周辺の山々を縦走する上級者・健脚者向けのロングルートも選択できます。
コース上の避難小屋情報
十勝岳周辺には避難小屋がふたつあります。天候が悪いときは道に迷いやすく、体感温度も下がるので、いざというときの避難小屋の場所を留意しておき、安全な登山を心がけましょう。
十勝岳避難小屋
標高1,330m付近にある無人の避難小屋です。トイレはありません。
上ホロ避難小屋
標高1,820m付近にある無人の避難小屋で、テント場を併設しています。トイレがあり、水場は小屋から100mほど下ったところにありますが、涸れていることもあります。
各登山口までのアクセス
東京からの各登山口へのアクセス方法をご紹介します。東京から飛行機で新千歳空港、またはとかち帯広空港に飛び、レンタカーや公共交通機関を利用して向かいます。ここでは本数の多い新千歳空港からのアクセスをご紹介します。
十勝岳登山口(望岳台)へのアクセス
車の場合(新千歳空港から)
新千歳空港-国道337号線-道東自動車道-占冠IC-国道237号線-国道38号線-道道298号線-道道291号線-道道966号線-十勝岳登山口(約161Km)
<駐車場情報>
望岳台駐車場、無料、100台
電車・バスの場合(新千歳空港から)
新千歳空港駅(JR千歳線)-札幌駅(JR函館本線)-旭川駅(JR富良野線)-美瑛駅(道北バス)-白金温泉バス停-徒歩約1時間で十勝岳登山口
十勝岳温泉登山口(陵雲閣)へのアクセス
車の場合(新千歳空港から)
新千歳空港駅-国道337号線-道東自動車道-占冠IC-国道237号線-国道38号線-道道298号線-十勝岳温泉登山口(凌雲閣)(約158Km)
<駐車場情報>
十勝岳温泉駐車場、無料、70台
電車・バスの場合(新千歳空港から)
新千歳空港駅(JR千歳線)-札幌駅(JR函館本線)-旭川駅(JR富良野線)-上富良野駅(町営バス十勝岳温泉行き)-十勝岳温泉
または、上富良野駅からタクシー
吹上温泉登山口へのアクセス
車の場合(新千歳空港から)
新千歳空港駅-国道337号線-道東自動車道-占冠IC-国道237号線-国道38号線- 道道298号線-道道291号線-吹上温泉登山口(吹上温泉保養センター 白銀荘)(約158Km)
<駐車場情報>
吹上温泉駐車場、無料、40台 他、周辺に60台有ります
電車・バスの場合(新千歳空港から)
新千歳空港駅(JR千歳線)-札幌駅(JR函館本線)-旭川駅(JR富良野線)-上富良野駅(町営バス十勝岳温泉行き)-吹上温泉保養センター 白銀荘
または、上富良野駅からタクシー
白金温泉登山口へのアクセス
車の場合(新千歳空港から)
新千歳空港-国道337号線-道東自動車道-占冠IC-国道237号線-国道38号線-道道298号線-道道291号線-道道966号線-白金温泉(約165Km)
<駐車場情報>
白金温泉駐車場、無料、25台
電車・バスの場合(新千歳空港から)
新千歳空港駅(JR千歳線)-札幌駅(JR函館本線)-旭川駅(JR富良野線)-美瑛駅(道北バス)-白金温泉バス停
周辺観光・温泉情報
- 十勝岳の麓の観光スポットや温泉情報をご紹介します。
①十勝岳望岳台
十勝岳の登山口にもなっている望岳台は標高930mにある展望台で、眼前には十勝岳はもちろん美瑛岳や上富良野岳、眼下には旭川から美瑛、富良野の街を一望することができます。
住所:上川郡美瑛町白金
駐車場:望岳台駐車場、無料、100台
②十勝岳温泉 湯元 凌雲閣
日帰り入浴やランチもできる温泉宿で、十勝岳連峰を目の前にしながら温泉を楽しむことができます。標高1280mに位置し、眼下には雲海の絶景が広がることも。
住所:北海道空知郡上富良野町十勝岳温泉
定休日:不定休
日帰り入浴料金:大人(中学生以上)夏期間¥800・冬期間¥600 小学生¥400
日帰り入浴時間:8時~20時
駐車場:20台
③十勝岳温泉 カミホロ荘
標高1200m、アカエゾマツの原生林の中に佇む温泉宿です。日帰り入浴が可能で、総木造りの大浴場、露天風呂では源泉かけ流し100%の温泉を楽しむことができます。
住所:北海道空知郡上富良野町十勝岳温泉
定休日:なし
日帰り入浴料金:大人¥600 小学生¥350
日帰り入浴時間:7時~21時
駐車場:40台
④白金温泉
十勝岳のふもとにある温泉街で、7軒ほどの温泉旅館があります。鉄分を含んだ温泉は「杖忘れの湯」と言われ、神経痛に良いとされています。日帰り入浴を行っているところもあるので、それぞれの日帰り入浴情報はコチラを参考にしてください。
十勝岳の雄大な景観
十勝岳は、活火山であるため火山特有の山容で、噴煙をあげるダイナミックな景色の中を登山することができます。北海道の屋根とも言われる日本一広大な国立公園内にあり、その眺めはとても雄大です。十勝岳登山では、十勝岳が活火山であるということを十分に留意し、噴火警戒レベルをチェックしてから出かけましょう。