ビーコンは大事!でも、やっぱり金額が・・・

撮影:後藤武久
銀嶺、霧氷、氷爆、スノーモンスター、エビのしっぽなど、雪山でしか見られない景色は神秘的なものが多く、ただ息を飲むばかり。雪をまとった山は、本当に美しいものですよね。
そんな自然の美しさに出会うためには、ハードシェルや防寒着といったウェア、冬用登山靴、アイゼン、ピッケルなどの雪山装備が欠かせません。

出典:PIXTA
そして、雪山の安全対策の装備として必要なのが、ビーコンなどの雪崩対策装備(アバランチセーフティギア)。雪山は美しいだけではなく、雪崩などの重大な事故につながるリスクがある過酷な一面も持っています。
仲間のためにも雪崩対策装備は必須

撮影:後藤武久(アバランチセーフティギアのビーコン、スノーショベル、プローブ)
雪崩は地形や気候、降雪状況などから、ある程度予測することはできますが、いつどこで発生するかは分からないもの。谷地形だけではなく、樹林帯でも斜度が十分あれば発生する可能性があります。
雪崩は、雪山に入るすべての登山者に起こりうるアクシデントです。
というのは雪山に登る多くの登山者が理解していることですが、実際は
登山者
雪崩への備えは大事なんだろうけど、冬用登山靴とかアイゼンを買い揃えるだけで大変。いつ起こるかわからない雪崩のためにビーコンとかまでは、とても手を出せないよ。
という人も。
たしかに予算はきびしいところですが、雪崩対策装備は自分の身を守るだけの装備ではありません。万が一雪崩に巻き込まれてしまった仲間を、すばやく救うための人命救助アイテムでもあります。
編集部 大迫
「ビーコンが必要」っていうのは、みんな頭ではわかっていると思います。だけど「自分や仲間がいざ埋まってしまったら」というところが具体的にイメージできていないから、金額だけが先行して「ビーコンは高い!」ってなっているんじゃないかな?
ということで、実際に雪山での救出がどれくらい大変かを体験してきました。
「ここまで何もできないなんて……」埋まってリアルになった恐さ

撮影:後藤武久
まずは、雪に埋まってしまった状態を体験するために、安全を確保しながら雪に約5分間埋まってみることに。
雪に埋まった環境
・寝そべって腰まで入るくらいの雪だまりに掘った穴
・脚には雪を30cmほど被せる
※安全のため、頭周りの空間は確保。異常が合った場合に合図を出せるよう足だけ外に出した状態。
雪に埋まったのは、自ら体験しないと気がすまない編集部の大迫。
閉塞感と冷えていく感覚が恐怖を煽る

撮影:後藤武久
編集部 大迫
閉塞感がこれだけ人を不安にさせるんですね。今回、顔の周りはある程度余裕がありましたが、それでも狭いところに入った瞬間、急に恐怖を感じました。
想像していたよりもずっと雪が重くて動けなかったです。とくに太もも周りから冷えてきて、徐々に体が冷えていくのを感じました。
外にいるスタッフにずっと声をかけているのに、なんの反応もないし。自力で出られない、助けも呼べない、本当に何もできませんでした。
自然が牙を剥くと怖いってことを、はっきりと思い出させられました。
周りとのやりとりもできない、動くこともできないだけではなく、雪によってみるみる奪われていく体温。体の芯が冷やされたみたいに寒いと、体を震わせている大迫がつぶやいたひと言が印象的でした。
編集部 大迫
万が一、埋まってしまったら、自分だけで助かるのは無理じゃないですかね……。あまりの動けなさや閉塞感、そしてドンドン冷たくなっていく感覚、雪の怖さがすごくリアルになりました。
今回はあくまでも実験ということで安全に配慮をしていたので5分過ぎても少し埋まっていることができましたが、顔の周りもすべて覆われてしまったらと想像すると、きっと5分も耐えられなかったと思います。
不安でしかなくリスクが高いそんな状況から、一刻も早く仲間を救助したり、時には救ってもらうためにも、ビーコンを備えたいですね。
