もっとうまく登りたい!手軽にできるトレーニング方法ってあるの?

ボルダリングは、2020年東京オリンピックの正式種目として採用されたこともあり、子どもから大人まで幅広い年代に人気のあるスポーツです。
シューズさえあれば気軽に始められることが魅力の一つ。一方で上達するためにジムの外でできるトレーニングというと、ちょっとハードルがあがります。ボールやリング状のツールでの指のトレーニングや、ボードなどにぶら下がっての懸垂になるのですが、筋力トレーニングの継続にかなりの根気が必要になってきます。

そんなボルダーたちにオススメするのが、今回ご紹介する「ボルダーボール」!
2021年にイタリアで作られた「ボルダーボール」は、指先の筋力トレーニングにとどまらず、ムーブをイメージするような創造力や、ホールドと向き合う集中力も養うことができる、奥の深いトレーニングツールなのです!
世界最小のボルダリングウォール「ボルダーボール」

クライミングウォールのホールドのような凹凸がついたボルダーボール。
その凹凸を指でホールドしながら、ボールを落とさないように指定された順番で指を移動させていくゲームです。
パーツを組み立ててボールを完成!

早速、箱を開けてみました。
中身はおもに3つ。
- ボルダーボールを構成するパーツ
- レベルで分けられた13枚のルートカード
- チョーク
パーツは、説明書の絵を見れば直感的に組み立てていくことができます。

組み立てるとソフトボールほどの大きさになりました。
持った感じはかなり軽いので、指で持つのなんて簡単そう……?
クライミングルートを彷彿させる13枚のルートカード

13枚のルートカードは、初心者から上級者レベルまで徐々に難易度がアップしていくように作られています。
それぞれのルートについた「キリマンジャロ」や「エベレスト」といった世界の名峰の名前から、難易度を想像できます。ちなみにエベレストで最高のレベル6。
初級は子ども(9歳以上推奨)でも楽しめるレベルだけれど、上級はかなりのボルダリング上級者でも難しいとのこと……。
科学者が10年かけて開発!

ゲームと聞くと玩具メーカが作ったように思われますが、実はこちらを開発したのはスポーツ科学と認知科学の専門家。
パズル的な遊びの要素だけではなく、ボルダリングに必要な「集中力」や「創造力」が養われるように何度も試行錯誤を繰り返して完成したそう。2012年にプロトタイプができてから、初めてプロモーション販売されるまでなんと10年の開発期間がかかっています。
直感的にわかる遊び方|シンプルなのに奥が深い!

遊び方のルールは簡単。ルートカードに記された順番通りにホールドを指でつまみながら移動していくだけです。
ただし使える指は3本のみと決まっています。次はどちらの手のどの指で持たなければ、という決まりはありません。
そしてボルダーボールはつねに空中でキープしなければなりません。

ホールドは本当のボルダリングのように、凹んでいたり掴みにくかったりとさまざま。凸部分は辺によって高さがちがっていたりと、細かい工夫が凝らされています。
適当につまめばいいというものではなく、次はどのようにホールドをつかんだらいいのか、頭を使わないと進めません。
集中力が試される!想像以上の難易度につい夢中に

ボルダリング初級レベルの筆者が実際に遊んでみました。
まずは入門ルートから……これは意外と難しい!
レベル1からチャレンジ。
ルートカードを見ながら、ボール上のホールドをどの順番で進んでいくかを確認します。ホールドとホールドの間が離れているものもあり、どの指を使うとよいのかの判断がポイントになりそう。

ある程度ルートを想像できたら、さっそくトライ!ところが……む、むずかしい!ボール自体は軽いのに、最初は指先でボールを持ち上げることすらできません。
何度かトライするうちにちょっとコツをつかんできました。しかし指を次のホールドに動かそうとすると、ボールを落としてしまいます。集中力が試されます。

戦略的にどの指で、どのホールドをもつのかを考えて進まないと、途中で行き詰まります。
まさにボルダリング!何度も失敗しては、ルートカードとボールを見比べて指の使い方を頭の中でシミュレーションします。
上級コースには歯が立たず。攻略するまで長く遊べる予感

外岩でのクライミングはグレード5.10台を登っているクライマーにも使ってもらいました。
しかし、レベル3をクリアできず!
難易度が上がると「クラック」や「ダイノ」と呼ばれる動きも出てきますが、まったく歯が立ちません。
悔しくてつい無言で夢中になってしまいます。
友達同士や家族で盛り上がれる
一人でトレーニングに集中するのはもちろん、「ボールが落ちるかどうか」というハラハラ感があるので家族や仲間と一緒にやっても盛り上がります!
「難しい!」 「できた!」とわが家では子どもも大人も一緒になって楽しみました。
いつでも、どこでもトレーニング!

未就学児のいる筆者は頻繁にジムに行けないので、ちょっとした在宅ワークの合間にトレーニング。ボルダリングの感覚が戻ってきます。
ソフトボールサイズなので、持ち歩きも可能。場所や時間を選ばず、どこでもトレーニングすることができますね。
指先の筋力&知力UPにアリ。ボルダーならきっとハマる!

「ボルダーボール」は、使用前に想像していたより格段に指先の筋力や知力を必要とするツールでした!
自分の保持力のチェックや集中力・創造力のトレーニングにぴったり。
ただし、使用する指は親指と人差し指がほとんどで、指全体のトレーニングを目的とするのであれば他のトレーニングツールの併用がオススメです。
ボルダリング愛好家は持っていて損はないと思うので、プレゼントとしてもよろこばれるかもしれませんね!
Climball OHG(イタリア) ボルダーボール
サイズ | 10.16×10.16×10.16cm |
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重量 | 約300g |
素材 | プラスチック |
対象年齢 | 9歳以上 |
生産国 | イタリア製 |
アメリカ・ロサンゼルスに本拠地を置く国際的デザイン賞「EUROPEAN PRODUCT DESIGN AWARD」を2022年に受賞、イタリアで毎年開催される世界最大級のデザイン賞「The A' Design Award」のIRONを2024年に受賞しています。
使っている素材はすべてリサイクルが可能なサステナブルな商品。また、玩具等の素材に有害物質が含まれていないことなどを証明するEUのEN71、米国のASTM F963の安全基準をクリア。日本語対応アプリでもルートの挑戦が可能で、13のルートを攻略した人向けに新ルートも提供されています。