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「ディスタンス22」をレビュー!多彩な収納とフィット感で、行動中のストレスから解放

Black Diamond「ディスタンス22」をレビュー!多彩な収納とフィット感で、行動中のストレスから解放

あの「ディスタンス」シリーズに、オーバーナイトの装備に対応できる容量の22Lサイズが登場しました。ワンデイのトレイルランニングやクライミングだけではなく、オーバーナイトの登山にも使えるなんて最早最強の小型パックでは!?気になる収納力や機能性について、使い心地をフィールドで試してきました。

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目次

アイキャッチ画像撮影:筆者

ひとつで、いろいろな山の遊びに使いまわせるパック

ディスタンス22でスピードハイク
撮影:筆者

2019年に発売されたブラックダイヤモンドの「ディスタンス」シリーズは、ベスト型のランニングパックをベースにしながら、登山で使える機能を備えています。

ディスタンス22のタフな生地
撮影:筆者

メインの素材には、軽くてタフな高強度のリップストップナイロン生地を採用。体に面でフィットするベスト型で一体感が高く、ショルダーベルトの多彩なポケットはさまざまな小物の収納に便利で行動中でもスムーズにアクセスできます。

「ディスタンス」シリーズは、トレイルランニングだけではなく、スクランブリングやクライミング、ファストハイクなどの登山まで、アクティブな山の遊びでマルチに使いまわせるパックです。

満を持しての登場!オーバーナイトにも対応する22Lサイズ

ディスタンス22でオーバーナイトハイク
撮影:筆者

これまで展開されていたのは、長距離レース用の「ディスタンス4」、ワンデイのトレイルランニングなどに最適なコンパクトさの「ディスタンス8」、日帰りハイクにも使える「ディスタンス15」。

そして、2023年のシリーズリニューアルと共に登場したのが、日帰り登山だけではなく、オーバーナイトのトレイルランニングや登山にも対応する「ディスタンス22」です。

今回は、「ディスタンス22」の特徴やフィールドでのレビューをご紹介します。

登山にも使いやすい!?ディスタンス22の特徴

ディスタンス22の特徴
撮影:筆者

「ディスタンス22」の特徴は大きく2つ。

・行動中でもスピーディにアクセスできる多彩な収納
・フィット感が抜群でアクティブに動きやすい背負い心地

この2つによって、快適なまま軽快に行動し続けることができます。それぞれの機能を詳しく見ていきましょう。

行動中でもスピーディーにアクセスできる多彩な収納

登山の行動中では、行動食を食べたり、スマートフォンを見たり、ポールを取り出したりと、物を出し入れすることがけっこう多いもの。そのたびに、いちいち立ち止まったり、パックを下ろしたりしていると、行動時間が削られ、歩くペースも乱されてしまいます。

「ディスタンス22」には、行動中でもアクセスできる外部ポケットがたくさんあります。

サッと出せて、スッとしまえる8つのショルダーベルトポケット

ディスタンス22のポケット
撮影:筆者

ベスト型のショルダーベルトには、4種類のポケットが左右に2つずつあります。

①500mlソフトフラスクに対応するソフトフラスクポケット
収納したまままでも吸水可能

②スマートフォンの収納にも便利なショルダーベルトジッパーポケット
スマホなど移動中の飛び出しが気になるアイテムは、ジッパー内にしっかり収納

③行動食も収納できるショルダーベルトストレッチポケット
軽量なウィンドシェルなども収納可能(左側のポケット内には緊急時用のホイッスルも装備)

④ジェルのゴミなどの収納に便利なサイドスタッシュポケット
ハーネスと本体を連結する部分にある小型のポケット

4種類×2、合計8つのポケットだけで、1日分の行動食と飲料水を収納できるため、エネルギーや水分補給のために立ち止まる必要はなくなります。

薄手アイテムの収納に便利なフロントメッシュポケット

ディスタンス22の便利なフロントポケット
撮影:筆者

パック自体を下さないとアクセスできませんが、フロントメッシュポケットには、ウィンドシェルや2.5レイヤーの雨具など薄手のウェアを収納できます。地図アプリのバックアップ用のコンパスと紙地図を入れておくのにも便利。

ポールは、もう手持ち無沙汰にしない

  • ディスタンス22のサイドにあるZポールスリーブ
  • ディスタンス22を背負ったままZポールを収納可能

撮影:筆者

サイドには、本体一体型でポール専用のZポールスリーブを装備しています。行動中でも素早く取り出せるので、必要なときはすぐにポールを使うことができます。

  • Zポール着脱手順1
  • Zポール着脱手順2
  • Zポール着脱手順3
  • Zポール着脱手順4

撮影:筆者

そして、「ディスタンス22」に新しく装備されたのが、走りながらZポールを素早く脱着できるキャリーシステムです。

1. 本体下部のサイドにあるバンドループにポールを通す(写真1枚目)
2. 本体上部のサイドにあるバンドループにポールを通して固定する(写真2枚目)
3. 下部側の腕をポール下から抜いて、ポールを後ろに回す(写真3枚目)
4. 本体上部のドローコードを締めて固定する(写真4枚目)

  • 行動中でもスムーズに固定しやすいのが特徴。クサリ場や岩場などの不安定なシーンで、バックパックを下ろして収納するようなリスクも軽減できます。

フィット感抜群でアクティブに動きやすい背負い心地

背負い心地がいいディスタンス22
撮影:筆者

ベスト型のフロントと、体に沿うソフトな背面パッドによって、前後から体に面でぴったりフィットします。さらに、2本の可動式チェストストラップで、フィット感を調整可能。

女性モデルもあり、男女それぞれに3サイズが展開されているため、自分の体に合ったモデルを選ぶことができます。

ディスタンス22新旧比較
撮影:筆者

ショルダーハーネスと本体の結合部は、ドローコード仕様だった旧モデル(写真左)からストレッチメッシュ生地に変更(写真右)。脇腹から包み込むようなフィット感を高めながら、コードなどのゴロつきがないために、パーツが当たるストレスを感じることなく腕振りもできるようになりました。

まずは収納力をチェック!22Lサイズにはどれだけ入る?

山での宿泊や夜通しの行動などのオーバーナイトにも対応する22Lサイズには、どれくらいの装備をパッキングできるのでしょうか。水と食料を除いた「日帰り」と「シェルター泊まり」の2パターンの装備をパッキングして確かめてみました。

【パッキング例1】秋冬シーズンの日帰りや山小屋泊り装備

日帰り登山装備一覧
撮影:筆者

寒いシーズンに丹沢の塔ノ岳など、日帰りでいける2,000m未満の山を想定した装備をパッキング。

寒さ対策に防寒着やウィンドシェルも携行し、ツエルトなどの緊急時用アイテムをしっかり装備。汗でびしょ濡れになったとき用にベースレイヤーや靴下も用意しました。スマートフォンの地図アプリを使用するため、充電用のモバイルバッテリーも持って準備万端。

日帰り登山の装備リスト

ツエルト、ファーストエイドキット、ヘッドライト、モバイルバッテリー、地図(バックアップとして)、ブラックダイヤモンド「ディスタンスカーボンFLZ(トレッキングポール)」、ウォーターキャリー(1Lと500ml)、ウィンドシェル、化繊素材の防寒着、レインウェア上下、予備ベースレイヤー、予備ソックス

ディスタンス22に日帰り登山装備をパッキング
撮影:筆者

すべての装備をパッキングしても、サイドコンプレッションでコンパクトに調整できるほど余裕がありました。暖かい飲み物や食事を摂るためのバーナーやコッヘル、防寒用にグローブやネックゲイターなども追加できそうです。

【パッキング例2】3シーズンのシェルター泊装備

シェルター泊装備一覧
撮影:筆者

夏から初秋の暖かいシーズンに八ヶ岳を1泊2日で歩くことを想定した装備をパッキング。ベースウェイトは4.1kgです。

Zポールで設営できるシェルター、コンフォート温度9℃の夏用スリーピングバッグ、空気だけで膨らませるエアマットで、宿泊装備は軽量化を重視しつつ、快適性と安全性もキープ。食事はアルファ米だけにして、小型カップ(容量250ml)とバーナーで対応できる想定です。

シェルター泊の装備リスト

小型カップ(容量250ml)、バーナー、ガス缶、スプーン、ブラックダイヤモンド「ディスタンスシェルター」、シートゥサミット「スパークSp1(シュラフ)」、シートゥサミット「ウルトラライトマット(レギュラー)」、ブラックダイヤモンド「ディスタンスカーボンFLZ(トレッキングポール)」、モバイルバッテリー、ヘッドライト、ウォーターキャリー(1Lと500ml)、化繊素材の防寒着、レインウェア上下、予備ソックス、ファーストエイドキット

ディスタンス22にシェルター泊装備をパッキング
撮影:筆者

すべての装備をパッキングできましたが、あまり余裕はなく、パッキングする順番や方法も試行錯誤が必要です。装備の中で一番かさ張るシェルターは収納袋から出して、平たくシート状に折りたたんでパッキングしました。

また、背面パッドが柔らかいため、いっぱいにパッキングした装備によって背面に丸みがでてきてしまい、背負い心地に少し干渉してきます。

容量いっぱいのディスタンス22
撮影:筆者

本体の中をみると、ベースウェイトの装備だけで入口ギリギリまできています。晩と朝の2食分のアルファ米と携行用の1Lの水を入れてみると満杯になったため、行動食はショルダーベルトのポケットにすべて収納する必要がありそうです。

シェルターを宿泊できるサイズのツエルトに変更するなどして、より軽量コンパクトなアイテムを選んだり、防寒着や予備ソックスなどの快適アイテムを削ったりすると、容量にもう少し余裕を持たせることができそうです。

シェルター泊装備を背負って、低山でレビュー!

ディスタンス22を低山でレビュー
撮影:筆者

ベースウェイト4.1kgのシェルター泊装備をパッキングした「ディスタンス22」で、7時間ほど低山を歩いたり走ったりしながら背負い心地と使い勝手を確かめてきました。

よかったポイント
 ・フロントポケットの収納性とアクセス性
 ・面倒なフィット感の調整からの解放
 ・パックの揺れやブレの少なさ

気になったポイント
 ・パック本体もフロントポケットもいっぱいに収納した状態で背負う圧迫感

便利なポケットで、一度もパックを下ろさなかった

アクセス性のいいディスタンス22のフロントポケット
撮影:筆者

ショルダーベルトのポケットは本当に便利でした。移動しながら行動食を摂ったり、水分補給したりできたので、ペースをキープしながら行動し続けられました。行動時間が読みやすくなっていいですね。

サイドスタッシュポケットもごみ入れにちょうどよかったです。ただ、少し小さめのポケットなのでしっかり押し込んで落ちないようにしましょう。

日が傾いて寒くなってきたときには、さすがにパックを下ろしてウィンドシェルを取り出しましたが、それ以外は背負ったままで行動できました。

  • ディスタンス22のフロントポケット
  • 左フロントポケットの収納
  • 右フロントポケットの収納

撮影:筆者

左側に収納したのは、500mlソフトフラスクと行動食用スナック。右側には、シリアルバーやおにぎりなどの行動食と、スマートフォンを収納。

満水のソフトフラスクを収納していると圧迫されるためか、他のポケットが収納しにくかったので、ソフトフラスクは片側だけにしました。

走っても揺れないZポール収納

走っても揺れないZポール収納
撮影:筆者

キャリーシステムでZポールを収納したまま、走ったりもしましたが、揺れやブレは感じませんでした。バンドループでしっかり固定されているので、落とす心配もありませんが、見えないので、たまに手で触れてちゃんと付いていることを確認しながら行動しました。

収納する手順は少し練習して、慣れておくといいですね。公式のホームページには動画もあるので、ぜひ参考にしてください。

フィット感調整からの解放、なのにブレない背負い心地

ディスタンス22を背負ってハイクアップ
撮影:筆者

フィット感を調整するアジャスターがほとんどないのはとても楽でした。いつもは、ウエストハーネスから始まって、ショルダーベルト、チェストベルト、ショルダースタビライザーと、調整するところがありすぎて正直面倒・・・

でも、「ディスタンス22」は2本のチェストストラップだけ。それなのに、体にぴったりフィットして、ブレたり、パックに体を振られることもなく、快適に行動できました。

  • コンプレッション前のディスタンス22
  • コンプレッション後のディスタンス22

撮影:筆者

荷物が少ないときには、フロントメッシュポケット内にあるサイドコンプレッションコードを引けば、パックを圧縮できて荷物のブレも抑えられます。

  • ディスタンス22の背面システム
  • 薄手のショルダーハーネス

撮影:筆者

背負い続けていても、背中に蒸れがこもるような感じはありません。凹凸のあるパッドとメッシュ生地を組み合わせた背面構造と、メッシュ生地のショルダーハーネスの汗抜けがいいからでしょうね。背負う前は、ショルダーハーネスの薄さに不安を感じましたが、装備を満載しても重さによる痛みはなかったです。

ここがもうひとつ、、、荷物が満載時の圧迫感

ディスタンス22の背負い心地
撮影:筆者

収納力もフィット感もとてもよかったのですが、気になったポイントが少しだけ・・・

パック本体にもフロントポケットも満載の状態では、少し圧迫感を感じました。苦しく感じるほどではないのですが、旧モデルのようなサイドの調整がないためでしょうか。

購入時のサイズ選びがとても重要なため、サイズ表をしっかり確認して、自分に合ったサイズを選びましょう。

ひとつのパックでいろいろな遊びをしたいアウトドアズマンに

トレイルランニングにも使えるディスタンス22
撮影:筆者

軽量なのにタフで収納力の高い「ディスタンス22」は、背負い心地もとてもいいパックでした。長距離のトレイルランニングやファストハイクだけではなく、容量も収納力も十分にあるため、日帰り登山から、軽量化した装備でのシェルター泊登山などにも使えそうです。

軽快にスピーディーに行動して、山の懐に入って遊びたい方は、ぜひ「ディスタンス22」を相棒にしてみてください。

容量を選べる「ディスタンスシリーズ」は女性モデルもあり

ディスタンスシリーズは容量が選べる他、男性向け、女性向けも用意されています。それぞれS、M、Lのサイズ展開があるので、自分に適したモデルを探してみましょう。

メンズ向けモデル

    ブラックダイヤモンド ディスタンス4ハイドレーションベスト

    容量4L
    重量190g
    カラー展開ブラック、オプティカルイエロー、ウルトラブルー
    サイズ展開S=67cm-85cm、M=80cm-100cm、L=90cm-112cm(肋骨下部周囲長)
    素材デュアル4ウェイストレッチメッシュ、100dナイロン4mmリップストップ

      ブラックダイヤモンド ディスタンス8

      容量8L
      重量340g
      カラー展開ブラック、オプティカルイエロー、ウルトラブルー
      サイズ展開S=67cm-85cm、M=80cm-100cm、L=90cm-112cm(肋骨下部周囲長)
      素材ナイロン100d + UHMWPE 200dリップストップ

        ブラックダイヤモンド ディスタンス15

        容量15L
        重量380g
        カラー展開ブラック、オプティカルイエロー、ウルトラブルー
        サイズ展開S=67cm-85cm、M=80cm-100cm、L=90cm-112cm(肋骨下部周囲長)
        素材ナイロン100d + UHMWPE 200dリップストップ

          ブラックダイヤモンド ディスタンス22

          容量22L
          重量412g
          カラー展開ブラック、オプティカルイエロー、ウルトラブルー
          サイズ展開S=67cm-85cm、M=80cm-100cm、L=90cm-112cm(肋骨下部周囲長)
          素材ナイロン100d + UHMWPE 200dリップストップ

          ウィメンズ向けモデル

            ブラックダイヤモンド ウィメンズ ディスタンス4ハイドレーションベスト

            容量4L
            重量180g
            カラー展開ダークパティナ、オプティカルイエロー
            サイズ展開S=60cm-75cm、M=67cm-85cm、L=80cm-100cm(肋骨下部周囲長)
            素材デュアル4ウェイストレッチメッシュ、100dナイロン4mmリップストップ

              ブラックダイヤモンド ウィメンズ ディスタンス8

              容量8L
              重量321g
              カラー展開ダークパティナ、オプティカルイエロー
              サイズ展開S=60cm-75cm、M=67cm-85cm、L=80cm-100cm(肋骨下部周囲長)
              素材ナイロン100d + UHMWPE 200dリップストップ

                ブラックダイヤモンド ウィメンズ ディスタンス15

                容量15L
                重量354g
                カラー展開ダークパティナ、オプティカルイエロー
                サイズ展開S=60cm-75cm、M=67cm-85cm、L=80cm-100cm(肋骨下部周囲長)
                素材ナイロン100d + UHMWPE 200dリップストップ

                  ブラックダイヤモンド ウィメンズ ディスタンス22

                  容量22L
                  重量406g
                  カラー展開ダークパティナ、オプティカルイエロー
                  サイズ展開S=60cm-75cm、M=67cm-85cm、L=80cm-100cm(肋骨下部周囲長)
                  素材ナイロン100d + UHMWPE 200dリップストップ

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