やっぱり定番!丹沢の山々

小田急線沿線を代表する山々といえば、やはり神奈川県北西部に東西約40km・南北約20kmにわたって連なる丹沢山塊です。早春のミツマタ・初夏のツツジなどの花々や紅葉、そして富士山の眺望を様々な山から楽しむことができます。
周辺地域の小田急線各駅や各登山口への神奈川中央交通バスなどが乗り降り自由になる「丹沢・大山フリーパス」の発行など、地元交通インフラも登山者・観光客の誘客にチカラを入れているエリアです。
⑤大山(伊勢原駅)

コース概要
大山ケーブルバス停(25分)→大山ケーブル駅(25分)→大山寺(45分)→阿夫利神社下社(65分)→16丁目(40分)→25丁目(20分)→大山山頂(75分)→見晴台(30分)→二重滝(25分)→八大坊上屋敷跡(25分)→大山ケーブル駅(15分)→大山ケーブルバス停

丹沢山塊の東端に位置するのが、日本三百名山にも選定されている大山(おおやま/1,252m)です。山頂からは縄文土器も発見されており、その特徴的なピラミッドのような山容が相模灘を航海する漁船のランドマークにもなったと言われています。
江戸時代には「大山詣り」と称して多くの人々が木製の太刀を担いで大山へ登拝し大山阿夫利(あふり)神社へ奉納、その大きさを競いました。この伝統は~巨大な木太刀(きだち)を担いで「大山詣り」~として、2016年に日本遺産に認定されています。
現在は中腹に鎮座する阿夫利神社下社の直下まで大山ケーブルカーが架設され、利便性も大きく向上しました。

山麓には江戸時代から登拝者を出迎えてきた宿坊が立ち並びます。登山口へ続くこま横丁は、名物の大山豆腐を食すことができる食事処や、名産品の独楽を販売する土産物店が軒を連ねる風情ある町並み。ケーブルカーを利用せず大山寺経由で女坂を歩けば、弘法の七不思議と呼ばれる珍スポット巡りを楽しむことができます。
阿夫利神社下社から山頂へ続く表参道には、距離を示す丁目石が点在。一歩進むごとに、古くから続く信仰の山であることを実感できる道です。阿夫利神社本社・奥社が鎮座する山頂からは、富士山をはじめ丹沢の山並や相模灘の眺望が広がります。
⑥塔ノ岳(渋沢駅)

コース概要
大倉(10分)→登山口(40分)→観音茶屋(35分)→見晴茶屋(65分)→駒止茶屋(30分)→堀山の家(30分)→天神尾根分岐(45分)→花立山荘(25分)→金冷シ(30分)→塔ノ岳(15分)→金冷シ(20分)→花立山荘(25分)→天神尾根分岐(15分)→堀山の家(25分)→駒止茶屋(35分)→見晴茶屋(20分)→観音茶屋(25分)→登山口(10分)→大倉

丹沢山塊でも屈指の人気を誇るのが、表丹沢最高峰・塔ノ岳(とうのだけ/1,491m)。メインの登山口となる大倉へのアクセスのよさと多彩なコース設定が可能なことが主な理由です。
足を延ばせば日本百名山・丹沢山(たんざわさん/1,567m)や丹沢山塊最高峰・蛭ヶ岳(ひるがたけ/1,673m)が連なり、西側の鍋割山(なべわりやま/1,272m)や東側のヤビツ峠からの表尾根縦走コースも人気です。
山頂からは富士山や丹沢山塊など全方位の眺望が広がります。また、関東大震災で倒壊したものの地元の雨乞い信仰の対象であった巨岩「尊仏石」にちなんだ山小屋・尊仏山荘も山頂に。日帰りも可能な山ですが、こちらに宿泊すれば、晴れた日には美しい夜景を鑑賞することができます。

塔ノ岳への登山コースでもっともポピュラーなのが大倉尾根です。延々と階段や木道が続くハードさからバカ尾根とも呼ばれていますが、危険箇所も少なく茶屋が点在する歩きやすい登山道で、トレーニングのために定期的に通う登山者も多いコースとなっています。
とはいえ大倉からの標高差は1200m以上あり、ケーブルカーを利用した場合の大山(標高差約560m)の2倍以上となります。定番コースだからといって油断することなく、しっかりとした体力と装備で臨んでください。
箱根方面に足を延ばせばさらに充実!

小田急小田原線は小田原駅までの区間となりますが、同駅からは箱根登山電車が箱根湯本・強羅方面へ延びています。新宿駅から箱根湯本駅を直通で結ぶ特急ロマンスカーも運行されており、箱根の山々へアクセスしやすいのも魅力。多くの観光客で賑わうエリアです。
そんな箱根周辺にも、富士山の眺望を楽しむことができる登山コースや、歴史の面影をたどるハイキングコースが点在しています。
⑦箱根外輪山・明神ヶ岳(強羅駅)

コース概要
強羅駅(15分)→宮城野橋(5分)→宮城野(50分)→登山口(60分)→鞍部(45分)→芝刈り路分岐(15分)→明神ヶ岳(10分)→奥ノ院ルート分岐(70分)→足柄林道(30分)→奥ノ院(15分)→最乗寺(10分)→道了尊バス停

箱根登山電車の終点であり箱根登山ケーブルカー・登山バスとの乗換駅でもある強羅(ごうら)駅から、古代に箱根の山を越えるために人々が通行した碓氷道をたどった箱根外輪山の稜線にそびえるのが明神ヶ岳(みょうじんがたけ/1,169m)です。
困難な山越えでの旅人の安全を祈願するために山頂に明神様を祀ったのが山名の由来。カヤ(ススキなどイネ科の植物)に包まれたその頂からは、金時山を前景に堂々とそびえる富士山を望むことができます。目を転じれば芦ノ湖を背景にそびえる箱根山(最高峰は1,438mの神山)など箱根の広大な絶景も。

明神ヶ岳の南東側に連なる明星ヶ岳(みょうじょうがたけ/924m)や北西側の金時山(きんときやま/1,212m)と組み合わせた縦走コースの設定も可能ですが、北東麓の大雄山最乗寺(だいゆうざんさいじょうじ)へ下るのが比較的無理のないコースです。
アジサイや紅葉が見事な曹洞宗の古刹には天狗伝説が伝わり、境内には世界一といわれる重量3.8tの高下駄など、天狗にちなんだ史跡も点在しています。
下山後は道了尊バス停から大雄山駅へ向かい、伊豆箱根鉄道・大雄山線に乗ると小田原駅まで戻ることができます。
⑧山岳古道を歩こう!箱根旧街道(箱根湯本駅)

コース概要
箱根湯本駅(40分)→湯本茶屋の一里塚(15分)→観音坂碑(40分)→須雲川橋(15分)→割石坂(20分)→大澤坂(15分)→畑宿(45分)→見晴茶屋(30分)→追込坂(10分)→甘酒茶屋(10分)→旧街道入口(20分)→権現坂入口(15分)→一の鳥居(15分)→箱根関所跡

江戸時代に整備された街道のひとつで、江戸と京都を結んだ東海道。その最大の難所が、東(江戸)側の小田原宿から箱根宿を経て西(京都)側の三島宿へ至る八里(約32km)の区間は「箱根八里」と呼ばれる道のりです。
特に箱根湯本駅から芦ノ湖へ至るまでの道のりは、江戸時代の面影が色濃く残るスポットが点在しています。割石坂・大澤坂・猿滑坂・白水坂・権現坂などは、江戸時代の石畳が現存していて実際に歩くことができる貴重なスポットです。

舗装されている区間も、沿道には史跡が満載。かつてこの地を治めた北条氏五代当主の墓がある早雲寺や、江戸時代に流行した仇討物語の登場人物ゆかりの正眼寺・鎖雲寺などの寺院、地域の人々が古くから信仰してきた白山神社・駒形神社、点在する一里塚跡や道祖神などに歴史を感じることができます。
またかつて沿道に点在していた茶屋のうち、唯一現存している甘酒茶屋は江戸時代の旅人気分に浸ることができる人気スポット。茅葺き屋根の風情ある建物で名物の甘酒や力餅を味わうひとときは、まるでタイムスリップしたような感覚になることでしょう。
小田急線沿線で充実した登山・ハイキングを楽しもう!

通勤通学客も多い小田急線沿線ですが、今回紹介したように体力・時間にあわせて様々な歩き旅を楽しむことができるスポットも数多くあります。運行本数が多い路線なので、スケジュール変更にも柔軟に対応可能な点も魅力です。
歩行距離・時間が短いコースであれば、休日でなくとも早朝や半日だけのプチトリップも可能。小田急線沿線の新たな魅力を探しに、歩いてみませんか。
