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防水性シェルって洗えるの!?パタゴニアが教えてくれた「洗濯することの重要性」

つまらない洗濯を楽しくするイベントが全国各地で開催されています。それが、人気アウトドア企業・パタゴニアの『Wash Party(ウォッシュパーティー)

今回は20249月に開催されたパーティーに編集部で参加してきました。イベントレポートとともに実際に体験した魅力をお届けします!

目次

アイキャッチ画像:@yuta kono 

愛着のある防水性シェルを長持ちさせたい!

@yuta kono

山などのアウトドアフィールドで雨や風、雪などの悪天候から身を守ってくれる防水性シェル。機能を保ちながら防水性シェルを長持ちさせるには、きちんと洗濯することが大切です。しかし、つい後回しにしたり、洗濯方法がわからなかったりする人も多いもの。

防水性シェルの洗濯方法を学ぶイベントを開催

@yuta kono

アウトドア企業のパタゴニアが全国のストアで防水性シェルの正しい洗濯方法を教えてくれるイベント『Wash Party』を開催
パタゴニアスタッフが、防水性シェルの洗濯方法や撥水性の回復方法、基本的な洗濯のコツなどをレクチャーしてくれました。

なんだか楽しげなイベントにYAMA HACK編集部で参加してきたので、その内容をお伝えします!

学ぶことだらけだった『Wash Party』レポート!

撮影:YAMA HACK編集部(コインランドリーでの洗濯は、今回参加したイベントでのみ実施)

今回は、使用後そのまま放置していて撥水性が低下してしまったレインウェア(防水性シェル)を洗濯してみることに。イベント中にコインランドリーで洗濯&乾燥してくれ、終了時にキレイになった防水性シェルを返却してくれます。

撮影:YAMA HACK編集部

これが洗濯前の状態。果たして結果はいかに!?

環境に配慮した”PFAS不使用の防水性シェル”の機能を保つメンテナンス方法

撮影:YAMA HACK編集部(左から、パタゴニア マーチャンダイジング部の片桐さん、パタゴニア スキーアンバサダーの大池さん、株式会社モチヅキの廣瀬さん、進行役のパタゴニア マーケディング部の内野さん)

雨風や雪などの濡れや冷えから体を守るレインウェアやスノーウェア。そんな必要不可欠な防水性シェルの洗濯を正しくできている人はまだまだ少ないんだとか。
今回はパタゴニア、さらにアウトドアウェア用洗剤「STORM」の日本総代理店であるモチヅキが合同で、その大切さについて教えてくれました。

まずは、パタゴニアマーチャンダイジング部の片桐さんが防水性シェルに不可欠な撥水性と撥油性にフォーカスして、洗濯の重要性を語ってくれました。

「洗濯することがあたりまえ」のカルチャーにしていきたい。

パタゴニアの片桐さん
撮影:YAMA HACK編集部

撥水剤にも多く使われてきた有機フッ素化合物・PFASを使用して作られた製品の販売が、アメリカのいくつかの州で禁止される法律が施行されるのに伴い、パタゴニアでは2025年1月からすべての製品がPFC / PFAS不使用の製品に切り替わります。これに備え、パタゴニアではPFC / PFASに変わる技術を長年、研究・開発してきたのです。

◆PFC / PFASについておさらい

PFC / PFAS(有機フッ素化合物類 / ポリフルオロアルキル化合物)には、水や油をはじくという特性があります。そのため、レインウェアなどの防水性シェルに施す撥水加工に長年使用されてきました。

その特性ゆえ、環境中に流出しても分解されず長期間残留し、「永遠の化学物質」と呼ばれるほど地球にダメージを与えます。
地下水や食物連鎖を通して人や生き物の体内に蓄積されると、発ガンリスク、成長や生殖・肝機能の障害、免疫力低下など多くの健康被害を引き起こす可能性があり、世界中で問題視されています。

撥水性
@yuta kono

そこで今後、さらに重要になってくるのが洗濯。

防水性シェルとは雨風など外的要因から身体を守るものであり、防水性・撥水性・撥油性・透湿性などの機能を求められるシェルです。

この撥水性とは、水を弾く力のこと。シェルの表面で水を弾くことで水の浸入を防ぎ、生地の隙間に水が染みないようにすることで、体内からの汗などを蒸気状態にして排出する機能(透湿性)も保ちます。

撥油性は皮脂などの油分を弾く力のこと。この油分は高機能なシェルの天敵です。洗濯せずに生地に残った油分は、生地にダメージを与え劣化を早め機能を低下させる原因に。

洗濯することで防水性シェルの機能回復&寿命も伸びる!

撮影:YAMA HACK編集部

洗濯してよかったの?という人が今でも本当に多いんです……実際は洗ってキレイになれば、防水性シェルの内側の機能性もよくなる。つまり、正しく洗濯することにより機能が回復、さらに防水性シェルの寿命も伸びるんですよ。
本当にパフォーマンスが変わるから、とにかく洗って!!

と語ってくれた片桐さん。

YAMA HACK 編集部

生地の目が皮脂などの汚れで詰まっていると当然、身体から出た熱は外へと排出されにくくなり、ムレの原因となることに納得。
つまり、油分を弾き皮脂汚れを防ぐことは、防水性や透湿性などの機能を維持することに繋がるんですね。洗濯ってとても重要!!

洗濯機でワンウォッシュ完結

続いて、パタゴニアで販売しているアウトドアウェア用洗剤「STORM」の日本総代理店・株式会社モチヅキの廣瀬さんへとバトンタッチ。

ストームの説明
撮影:YAMA HACK編集部

防水性シェルは、洗わない方がいいと思われがちですが、防水性シェルの機能を低下させる汚れを落とすために、着用するたびに洗濯をするのが理想的です。
難しそうに見える防水性シェルの洗濯ですが、パタゴニア製品なら家庭用洗濯洗剤を使って洗濯機で洗えるんですよ。

と廣瀬さん。

ただし、その前に必ず洗濯洗剤の成分を確かめてください。柔軟剤や着色料、漂白剤、蛍光増白剤、香料が入っていると、かえって防水性シェルの機能を低下させてしまいます。
とくに防水性シェルにとって柔軟剤は天敵です。まず洗濯する前に、洗濯機の「洗剤投入口、柔軟剤予約投入口」を洗ってきれいにしておいてください。

YAMA HACK 編集部

せっかくアウトドアウェア用の洗剤を使用しても、洗濯機内に洗剤や柔軟剤が残っていたら台無し……これは盲点でした。

このあと洗濯&乾燥方法を丁寧にレクチャーしてくださいました。

パタゴニアでストームを取り扱う理由

ストーム
撮影:YAMA HACK編集部

ストームは、イギリスで2002年に創業した地球環境に配慮したケア用品ブランド。このストームの「WASH(洗剤)」と「PROOF(撥水剤)」をセットで使えば、手間なく洗浄&撥水が完了します。

使用方法はシンプルで、洗濯機使用時に洗剤投入口に「WASH」を、柔軟剤投入口に「PROOF」を入れるだけ。洗濯機を1度回すだけで、汚れを落とせて、撥水ケアまで可能。
時間も使用する水・電力も節約できる環境に配慮された製品です。

「WASH」は100%生分解性の製品で使用後も自然環境で分解されますし、「PROOF」は、環境汚染の原因になるPFAS不使用です。
さらに、ストームはアルミボトルを採用することで、プラスチックボトルに比べて8倍のリサイクルを可能にしています。


環境配慮、長く使える、リサイクルできるものを普及させていきたい。

モチヅキの広瀬さん
撮影:YAMA HACK編集部

もちろん、柔軟剤や着色料、漂白剤、蛍光増白剤、香料が入っていない”家庭用中性洗剤”であればなんでもOKです。
だけど、せっかくならアウトドアウェア専用に作られた
ストームのケア用品を使用して、簡単に機能を復活させ、さらに環境インパクトにまで配慮できるといいですね。」

と、熱く語ってくれました。

YAMA HACK 編集部

ストームの環境に配慮する姿勢はボトルの素材にまで表れています。防水性シェルにも環境にも配慮されたストームを選ぶことは、自然に寄り添うことにつながりますね!

自然の中で命に向き合うから、身に染みる防水性シェルの洗濯の大切さ

最後に、手付かずの自然の雪山を滑るバックカントリースキーを国内外で続けているスーパースキーヤーの大池さんが、実体験を交えてその想いを伝えます。

@yuta kono

国内での活動は長野・白馬バレーがメイン。スノーシーズン中は毎日、それこそ起きてから寝るまでスノーウェアを着ているという大池さん。

メンテナンスを怠った防水性シェルは、ベタついた感じがして動きがボテっとします。
正直に言うと、シーズン中の日常での洗濯はトータルで3回ぐらいしかできていません。洗う暇がないくらいずっと着ているので……ただ、撮影で命と向き合う危険な場所へ滑りに行く前には必ず洗濯しています。


命を守るものですから、
洗濯して機能を復活させた防水性シェルじゃないと安心してフィールドに出ることはできません。やっぱり、洗濯したてのシェルは軽さとか全然違いますよ!

自然の中で活動するからこそ、守りたいフィールドがある。

撮影:YAMA HACK編集部(大池さんが実際にワンシーズン使用したゴアテックス採用のスノーウェア)

拠点としている白馬のパウダースノーは世界に誇れるものです。だけど、ここ20年以上、雪は減っていく一方。自然の雪山は生きがいですし、やっぱり未来に残していきたいですよね。
メンテナンスすることで防水性シェルが長持ちする。気に入ったものを洗って機能を保ちながら長く使うことで、地球に負担を与えないことにもつながる……すべていい方向に循環していくんですよね

今シーズンは日常でも、もう少し洗濯の回数を増やすように努力します。笑

YAMA HACK 編集部


自身の安全と快適さのためにも、防水性シェルのメンテナンスをして、機能を復活・維持させたいもの。本来の機能を発揮できれば、お気に入りのシェルを長く愛用できます。

ひとつのアイテムを長く使うことが、ゴミを増やさないという環境への配慮にもつながりますね!

洗濯で撥水性が見事に復活!

洗濯によって撥水性が復活
撮影:YAMA HACK編集部

最後に、洗濯&乾燥が完了したレインウェア(防水性シェル)を返却してもらいイベント終了。
霧吹きを使って撥水性を確認してみたところ、しっかりと機能が復活していました。水がコロコロと粒になっているのが見てわかりますね。
きちんと洗ってキレイになったシェルって、気持ちいい!

YAMA HACK 編集部

家で適切にお手入れすれば防水性シェルは何年も愛用できることを実感。
洗濯の方法だけでなく、何のためにお手入れをするのか、大切なことを考えるきっかけにもなったイベントでした!

洗濯して大好きな防水性シェルを長く愛用しよう!

撮影:YAMA HACK編集部

パタゴニアでは、防水性シェルの機能を保ち、長持ちさせるための手入れ方法を楽しく学べるイベント『Wash Party』を、9月から11月にかけて全国9か所で順次開催中。

防水性シェルのお手入れ方法をチェックしに、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

イベント開催の詳細はこちらをチェック

開催日開催店舗
10/19(土)パタゴニア 名古屋
10/20(日)パタゴニア 京都
11/2(土)〜3(日)THE GATE MOUNTAIN(福井県福井市)
11/16(土)〜17(日)WILD-1 多摩ニュータウン店(東京都八王子市)

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