「グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ」ってどんな洗濯ネット?
フィールドでたっぷり着用したアウトドアウェアは、見えない汗汚れや泥汚れが付いています。帰宅後、すぐに洗濯するのもウェアを長持ちさせる秘訣……ですが、どのように洗濯すれば長持ちするのでしょうか?
今回注目したのが、パタゴニアで販売されている「グッピーフレンド・ウォッシング・バッグ」という洗濯ネットです。
マイクロファイバー汚染の実用的な解決策のひとつとして登場したアイテムであり、よく読んでみると『摩擦の低減により、繊維の抜け落ちを低減』という表記が。大切なウェアを丁寧に洗えて、しかも環境にも配慮できるのであれば一石二鳥ですね。
アウトドアメーカー発の洗濯ネットが一体どのようなアイテムなのか、実物をチェックしてみました。
まるでフィルターのよう!目の細かさが持ち味の大判ネット
パッケージから取り出してみると、馴染みのある洗濯ネットとは大きさも手触りも全く異なります。具体的に特徴を見ていきましょう。
たっぷり入る大判サイズ
今回使ったものが50×74cmのMサイズ。写真の通りかなり大判の洗濯ネットです。
Tシャツからアウターまでたくさん入れられそうですが、ネットに入れる量は2/3までにするのがポイント。
衣類をネットに詰め込みすぎると隙間がなくなり、その間を通る水流が発生しないことから、汚れが十分に落ちない可能性も。たっぷり入るサイズなのでアレコレ入れたくなりますが、上限は6~7割程度までにするのがおすすめです。
さらりとした手触りの目が細かいネット
そしてサイズ以上に特徴的なのがネットの材質です。高度な技術によって生み出されたフィルター素材を使用しており、手触りも滑らか。
パタゴニアによると、このネットが化繊ウェアの繊維の抜け落ちを大幅に抑え、衣類の寿命を延ばすのだそうです。実験によるとグッピーフレンド・ウォッシング・バッグを使用することで、抜け落ち繊維の86%を削減できると言われています。
一般的な洗濯ネットと比較してもこの通り。左がグッピーフレンド・ウォッシング・バッグで、右が一般的な洗濯ネット。目の粗さは一目瞭然です。
アウトドアウェアで多く用いられるポリエステルやナイロンといった化学繊維は、抜け落ちた繊維(毛玉等)が流出してしまうとマイクロプラスチック*として環境を破壊する要因になると考えられています。
グッピーフレンド・ウォッシング・バッグは、
②抜けてしまった繊維をバッグ内に留め、流出を防ぐ。
*マイクロプラスチックとは
マイクロプラスチックとは、一般的に5mm以下の微細なプラスチック類のことです。ビニール袋や発泡スチロール、ペットボトルといった身近な製品や、化学繊維のマイクロファイバーが元となっています。
これらがろ過されずに河川や海へ流れ着いてしまうと、海洋中の有害物質を吸着するとともに、魚などの生物から食物連鎖を通じて、人体に健康被害を引き起こすことが指摘されています。国際的な課題としても大きな注目が集まる環境問題です。
実際にフリースを洗ってみると
それでは実際に使用してみましょう。
洗ってみるのは特に繊維の抜け落ちが多いと言われているフリースです。ふわふわの手触りで保温性も高いことから多くのユーザーが愛用していますが、摩擦で毛玉が発生しやすい素材のひとつです。
グッピーフレンド・ウォッシング・バッグにフリースを入れて、押し洗いしていきます。ネット素材の目がかなり密で、1枚のフィルターのようなのが印象的でした。
ちなみにパタゴニアでは研磨粒子やゲルといったプラスチック成分を含まない洗濯洗剤の使用を推奨しています。今回はメーカー公式が取り扱う『All things in Nature』という洗濯洗剤を使用しました。
海洋タンカーの事故処理研究から生まれた環境配慮型洗剤で、少ない洗剤量で洗濯ができます。清潔感のある爽やかなラベンダーの香りが印象的です。
洗ってすすぎ、脱水をかけて衣類を取り出してみます。ネットの底には繊維が残ると言いますが……。
ネットの隅に綿毛を発見しました。初めて使用するネットだったので、確実に先ほどのフリースの繊維でしょう。一般的なネットであれば逃してしまいそうな細かい繊維もしっかりキャッチできています。
一回の洗濯で抜け落ちる繊維はわずかですが、それを地道に削減し、流出を防ぐと考えれば有用な洗濯ネットと呼べそうです。
環境に配慮ができて、お財布にも優しい洗濯ネットかも
摩擦を低減することで繊維の傷みを防ぎながら、抜け落ちた繊維の流出を防ぐグッピーフレンド・ウォッシング・バッグ。使用感をまとめるとこのような結果になりました。
・ひとつのアイテムを長く使えるためお財布にも優しい。
・繊維の流出を防いで環境を保全することも。マイクロプラスチック問題を考えるきっかけにも繋がる。