アイキャッチ撮影:平野 美紀子
聞いたことはあるけど、詳しく知らない「国立公園」って?

出典:PIXTA
登山やアウトドアが好きだから、もちろん自然は好き。しかし、そんな人でも「国立公園」については言葉は聞いたことがあるけど、あまり詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか?
国立公園とは、ひと言でいうと「日本らしい自然景観や、そこでしか見られない珍しい生態系を保護し、それらを国民が楽しみ学ぶために国が定めたエリア」のこと。例えば、日本には35の国立公園があり(2024年8月時点)、北・南アルプスをはじめ、北海道の大雪山、登山者だけでなく観光地としても多くの人に親しまれる尾瀬、九州のくじゅう連山など、ハイカーに人気の山の多くは、じつは国立公園内にあります。
こうしたエリアでは、比較的整備された登山道を歩くことができ、山の美しい景観や可憐な花、動物と出会えます。こうしたことが可能なのは、地域の人の整備は保全活動はもちろん、国立公園として保護、管理されているからなのです。
だけど、少し気になる話を耳にしました。
木道が歩けなくなる日がくる?

出典:PIXTA
至仏山や燧ヶ岳に囲まれた広大な湿地帯に伸びる木道を歩きたいと、多くの人が訪れる尾瀬国立公園。その木道がなくなる可能性があることを知っていますか?
尾瀬国立公園の木道の長さは約60kmにも及びますが、木道に使われる木はたった5〜10年で腐朽すると言われています。木材をヘリで運び修繕するとなると莫大な費用と時間を要するうえ、環境への負荷もかかるため、このままでは木道を歩けなくなる日がくるかもしれないと言われています。
そんな課題に取り組む「Parks Project」

撮影:平野 美紀子 (National Park Solutions」取締役CMOの引地さん)
「PARKS PROJECT JAPAN(パークスプロジェクトジャパン)」とは、国⽴公園をベースとする事業で⽣物多様性の保全や国立公園のブランディングや、ビジターセンターの活性化、公園内でのボランティアイベント企画など多岐にわたり活動し、「循環型社会」の実現を目指すNational Park Solutionsが提供するエコブランド。
パークスプロジェクトは、この尾瀬の木道問題を受けて、もっと持続可能な木道の管理を目指し、腐りにくい木材の開発と普及に取り組んでいます。ただ、そういった活動はもちろん重要ですが、それだけでなく国立公園をはじめとする自然に興味を持ち守り楽しむ人を増やすことをNational Park Solutionsの引地さんは目指しています。
ファッションの力で国立公園を身近に

提供:parks project
とはいえ、“国立公園を理解しよう””自然保護をしよう”とするとなんだか難しく感じますし、つい身構えてしまうかもしれません。そこでまずは、パークスプロジェクトのおしゃれなアイテムを身に纏うことで国立公園を身近に感じ、自然を守ることに参加してみるのはいかがでしょうか?
「PARKS PROJECT」は、KEITHとSEVAGという、二人のアメリカ人が“国立公園(ナショナルパーク)を守りたい”という志のもとスタートしました。アメリカにあるナショナルパークをモチーフにデザインしたアパレルやアクセサリーを販売し、その売上を自然維持やナショナルパーク運営のために寄付しています。
そこで日本におけるパークスプロジェクトの取り組みやブランドの魅力をいろいろと聞いてみました!
シンボルの固有種や景観をスタイリッシュに表現

2020年からは「PARKS PROJECT JAPAN」として、日本でもオリジナルアイテムを展開。Tシャツやスウェットなどのファッションアイテムに、各国立公園のシンボリックな山や動物などがスタイリッシュなグラフィックで表現されています。
引地さん
売上の一部は、もちろん国立公園の保全活動に充てられています。

日本で自然を守ろうという機運が高まったのは、アメリカより何十年も遅れてからだと言います。90年前にようやく日本で初めて国立公園が誕生し、今では35の国立公園(2024年8月時点)がありますが、富士山や屋久島、上高地、日光などは観光地として名が知れた後に国立公園の一部として制定されました。そのため、国立公園として保護されていることは意外と知られていないのが現状です。
国立公園をさまざまな視点で切り取ったグラフィックやデザインを手がけるパークスプロジェクト。びびっときたデザインをきっかけに、モチーフとなる国立公園やその特徴について調べてみるのも楽しいかもしれません。
自然にやさしい素材を使用

遊びやエッジが利いたデザインが多い一方、環境に配慮した素材選びをしているのもパークスプロジェクトの特徴。たとえば2024年秋冬の展示会で見つけた新作のロンTにも「エコリッチ」が使用されています。

撮影:平野 美紀子
エコリッチは縫製工場で不要となったコットンやポリエステルを裁断した大量のくずから、同じ色味のものだけを集めて撚った糸でアップサイクルされた生地のことを言います。そのためよく見るとネップ感(表面に凸凹がある生地感)があったり杢のような風合いがあったりと、白Teeは白Teeでも雰囲気のある一枚に仕上がっています。
引地さん
ただ地球にやさしい素材と言われてもピンときませんが、ファッション的にアップデートされるなら欲しくなりますよね。今季はさらにタイダイ染めを施したモデルも作ったので、より楽しんで着てもらえると思います。
アーティストとのコラボも

撮影:平野 美紀子
アーティストとのコラボレーションも精力的におこなっています。写真はアウトドアクリエイターのYURIEさんとコラボした「国立公園の明日をまもるクッション」。富士山と、その麓に生息し絶滅危惧種に認定されているニホンツキノワグマを象ったポップで愛らしいデザインが人気です。
アパレルだけではなくフィールドでの活動も

国立公園を広めるためにカッコいいファッションアイテムを展開する一方、環境保全や国立公園維持のための活動も積極的におこなっているパークスプロジェクト。登山道整備や外来種駆除、クリーンナップなどをするボランティアイベントも定期的に開催しています。
引地さん
登山の際に何気なく利用しているトイレやトレイルは、国立公園だからこそ整備が行き届き、快適に利用することができています。整備してくれているローカルヒーローたちに感謝する気持ちは絶対に忘れてはいけません。
そしてそれらが立ち行かなくなる可能性もあるということを知ってもらいたい。自然を守り楽しむために自分ができることは何か、考えるきっかけになったら嬉しいです
「国立公園を知ること=イケてる」という新たなカルチャー

撮影:平野 美紀子
国立公園90周年を記念したオリジナルアートにも添えられた「Leave it Better than you found it<訪れた時よりもより良い状態で残そう>」という言葉は、パークスプロジェクトが大切にしているメインスローガンです。
引地さん
一人一人のちょっとした意識の変化が、自然を守る大きな力となる。そうした想いがスローガンには込められています。
とくに日本の国土は約70%が森林で占められていて、多くの国立公園には日本らしい原風景がそのまま残っている。これは世界的に見てもとても稀で、もっと誇り、守られるべきことだと思います
これからのカッコいいは、Nature Loverだ!

引地さん
また、これまではロックやスケート、アートなど時代ごとの不満因子を破壊しようとして生まれてきたカウンターカルチャーが人々の生活に根付いてきました。
経済成長と共に散々自然を搾取してきた流れへのカウンターとして、これからの時代は壊すのではなく、修復するフェーズ。これからはNature Lover(自然を愛する人)のカルチャーがますます広がりを見せると思います。実際、海外では “自分は自然保護に参加している”ことを表明するステータスとして、パークスプロジェクトを愛用している人が増えています。
国立公園をはじめとする自然について知り、語り、守る。ネイチャーラバーという新たなカルチャーの萌芽。その象徴としてのコミュニティウェアを標榜するパークスプロジェクトを纏うことこそ、一番イケてる!そんな時代はすぐ目の前まで来ています。
“見た目から”楽しんで、自然も守ろう

提供:parks project
自然の恩恵があってこそ楽しめる山登り。国立公園や自然について理解を深め、大切にすることは、つまり私たちの生活を豊かにすることと同じです。何から始めたらいいかわからない人は、まずはパークスプロジェクトを着て形から入ってみましょう。気負うことなくおしゃれを楽しみながら、ついでに自然を守ることができる。それがパークスプロジェクトの最大の魅力です。
貴重な自然を守る「国立公園」に興味を持ったら、ぜひ国立公園にクイズにも挑戦してみよう!