快適さを支える細部のデザイン

ファスナーはとてもなめらかで、スムーズな上げ下げの動作も好感でした
名作のナノエアがベースなだけあって、メンズ・ナノエア・ライト・ハイブリッド・フーディもユーザーの使い心地がよく考えられたデザインになっています。
調整不要のフードで脱いだりかぶったりが簡単
後頭部の高い位置までR1エアが配置されているので、フードの汗ぬけも良好
パタゴニアのフードはフィット感が優れ、計算されたデザインが多いですが、このメンズ・ナノエア・ライト・ハイブリッド・フーディも同様です。ドローコードでのわずらわしい調整は一切必要とせず、かぶるだけで頭の形状にピタッとフィットしました。
ファスナーを上げれば口元まで覆うことができ、簡易的なバラクラバとして防寒・防風に役立ちます。フードの大きさはややタイトな印象で、人によってはキツく感じる可能性もありそうです。
ライター 橋爪
ヘルメットには対応していないようです。ヘルメットをかぶる際は、フードを被ってから着用しましょう。
ソフトな袖口に感動
「これは好きだな」と感じたのが袖口のデザインです。一般的に、アクティブインサレーションは袖口全体がゴムになっていること多いです。夏山では特にストレスではありませんが、冬山はグローブを着用しているため、腕時計を確認するのが面倒だったりします。
しかし、メンズ・ナノエア・ライト・ハイブリッド・フーディの袖口は指一本でサッと捲り上げることが可能。手のひら側にのみわずかな伸縮性が備わっており、腕を通しても絞めつけ感がなく、手首もしっかりカバーされていました。
立体形状が生みだす文句なしの動きやすさ

さすがパタゴニア。行動中の動きやすさは文句のつけようがありません。ウェア全体には立体形状が施されており、体に密着して動きやすさを促進してくれます。
今回は試せていませんが、アイスクライミングやアルパインクライミング、バックカントリースキーなど上半身の動きが大きいスポーツにおいても、ストレスを感じさせないほどの優れた動きやすさがあるでしょう。
適度な撥水性で小雨・小雪にも対応

前面側の表地にはPFCフリーの耐久撥水加工が施され、軽度な水滴は弾いてくれます。

今回のテストでは、前日に降った雪が木の上からボトボトと落ちてくる場面がありましたが、このような状況でも撥水性が役立ちました。R1エアの部分には撥水性がないものの、基本的に雨や雪が直接当たりやすい箇所ではないため、特に気にする必要はなさそうです。
ただし、あくまで軽度な撥水性であるため、雨や雪が降っている場合は積極的にシェルを着用することをおすすめします。
ナノエアとの使い分けは明確
既にナノエアを持っている人、ナノエアのような中厚手のアクティブインサレーションを持っている人にとっても、ナノエア・ライト・ハイブリッドシリーズは明確な使い分けが可能です。
例えば、寒冷下での運動量が大きく、汗をかきやすい環境では、ナノエア・ライト・ハイブリッドシリーズを。寒冷下での運動量が少ない場合や、テント山行、停滞が多くなるような場合はナノエアシリーズの方が向いていると言えます。
ライター 橋爪
個人的には通常のアクティブインサレーションを持っていると、より用途の幅が広がると感じました。
アクティビティやその日の歩くペース、天候などに合わせてチョイスできると便利ですね!
また、パタゴニアではマイクロパフ・ナノパフなどの「パフ系」がラインナップされていますが、こちらのモデルはどちらかというと停滞中の静止した状態での使用を想定しています。行動着として使う場合は「エア系」から選ぶと良いでしょう。
軽くてコンパクト。収納や持ち運びも楽チン

ポケッタブルやスタッフサックはないが、コンパクトに持ち運びも可能
とても軽く、しなやかで、コンパクトにまとめられる、という点も評価したい機能です。
ナノエア・ライト・ハイブリッドの重さは、メンズモデルでフーディが335g、ジャケットで298g。ナノエアよりも100gほど軽く、他社のアクティブインサレーションと比較しても軽量の部類に属します。ザックに収納する場合もスペースを大きく取ることはありません。
夏山の防寒着としても活用できる

出典:PIXTA
冬は基本的に常に着用しザックの中にしまっておくことは少ないため、軽量性やコンパクト性がメリットになることはあまりないように感じますが、夏山の保温着として考えると有効です。
薄手のインサレーションなので、ダウンのようなぬくぬく感はありませんが、夏山での休憩時やテント泊、小屋泊などで必要十分な保温性を感じることができるでしょう。
ライター 橋爪
着ていても、重量以上の軽やかさがあります。手間なくサッと羽織れるのもメリットですね。
冬山の主役は、コレで決まりかも

ここまでで触れてきたように、メンズ・ナノエア・ライト・ハイブリッド・フーディは、これまでアクティブインサレーションを使ってきた人にとっても、はじめての人にとっても、新しい体験を与えてくれるウェアです。
その行動着としての完成度の高さと、細部までこだわったデザインは、一度着ればきっと手放せなくなるでしょう。まさに“アクティブ”に使える冬の主役ウェアとして、メンズ・ナノエア・ライト・ハイブリッド・フーディをアクティビティに取り入れてみてはいかがでしょうか。
ナノエア・ライト・ハイブリッドシリーズ
記事で登場したフーディのほか、ジャケットタイプも展開されています。
フーディタイプ
冬のアクティビティでオールラウンドに活躍します。
ジャケットタイプ
背面のR1エアの面積がフーディと比べて少なく、通気性を抑えたい方にはこちらもおすすめです。重ね着しやすいのもポイント。


