アイキャッチ画像撮影・編集:筆者
うわ~、また刺されちゃった!

出典:PIXTA
夏山登山の悩みといえば、日焼けや熱中症などさまざま。しかし、その中でも特に誰もが共感する悩みの筆頭が「虫刺され」ではないでしょうか。いつの間にか蚊やアブに刺され、その後のかゆみに悩むことは珍しくありませんよね。
そんな厄介なかゆみ対策に革命をもたらすアイテムを発見しました!それは……
わずか5g!極小デバイス「heat it(ヒートイット)」

撮影:筆者(17×38×8mm)
ヒートイットの特徴は、名前の通り「熱」。熱を利用した超小型の虫刺され対策機器で、スマートフォンの充電ポートに挿し込んで使います。
公式サイトの説明文によると、
虫に刺されるとアレルギー反応でヒスタミンが分泌され、血流が増えることで痒くなります。ヒートイットはかゆみの原因のヒスタミンの作用を加熱により分解します。
とのこと。
要は、ヒートイットをスマートフォンに接続し、熱くして患部に当てることで、かゆみを根本から撃退するようです。
日本国内ではまだ医療機器として承認されていませんが、ドイツではすでに承認済みなのだそう。
アプリで簡単操作!

使用方法はいたってシンプルです。ヒートイットの専用アプリをダウンロードし、デバイスを差し込んだら簡単な設定をするだけ。設定内容は次の3つ。
- ◆処置時間:Short(4秒)/Medium(7秒)/Long(10秒)
- ◆処置温度:子ども(2度低い)/大人(約51℃)
- ◆敏感な方:On/Off
※初めて使用するときは、Short、子ども、敏感な方Onで。実際に当ててみて問題なさそうであれば設定を変えて利用します。
設定が終わったら開始ボタンを押すだけ。数秒でデバイスが熱くなるので、その部分を患部に規定秒当てれば完了です。

筆者(大人)が、[処置時間:Medium(7秒)][処置温度:大人(約51℃)][敏感な方:Off]でふくらはぎに当ててみた感想は、「チクッとする熱さ」。
昔お灸をしたことがあるのですが、それにかなり近い印象です。Mediumまでは耐えられますが、Longで当て続けるのは難しいかもしれません。
人によってはじんわり温かくて気持ちいいという方から、Short(4秒)以上は熱くて当て続けられないという方もいるでしょう。
なお、神経が集中している部分、例えば内ももや首筋、腋(わき)のあたりは敏感な部分であるため、痛いと感じました。
そういった部位にあてる方は[敏感な方:On]を選択するようにしましょう。
蚊に刺された!ヒートイットの出番到来、効果のほどは……?!
正直、デバイスを温めて患部に当てるだけというシンプルすぎる仕組みに効果を疑ってしまいますが、ものは試し。蚊に刺された部分に当ててみました。今回使用したのはAndroid用のヒートイットです(iOS版もあります)。
実験ということで筆者とともに、外遊び好きな息子(7歳)に被験者になってもらいました。
※蚊に刺されることでデング熱などの感染症を起こす可能性があります。故意に刺される場合は自己責任の上でお願いします。

ガッツリ血を吸われてしまい、患部もほのかに腫れ上がったところで早速ヒートイットをスタンバイ。
子供用に設定して患部に当ててみましたが、本人は「熱っっ!」と言いつつもなんとか耐えられる感じ。

撮影:筆者
筆者も刺されたところに当ててみました。ヒートイットを当てた直後はかゆみはなし。ただ、刺された部分を素手で叩いた後のような、熱さでかゆみを誤魔化しているような気も……。
その後しばらく気にせずに放置して5分後。
……確かにかゆくない!!

肌を見るとぷっくり腫れているものの、私も子供もかゆみは感じられません!
なんで!?ふしぎ!!
患部を温める「温熱療法」の効果は医学的に実証されているようなので、その原理を応用したデバイスならば当然とも考えられます。
国内では医療機器としては未承認なので、あくまで個人の感想ですが、これだけしっかり実感できるのであれば夏場の外遊びには必携といっても差し支えないと感じました。
なにより、ヒートイットを当てた直後からかゆみがなくなるのはありがたいです!化学物質を含む薬品を使わなくてすむのも◎。
蚊以外の虫刺されにも効果はある?
下界であれば蚊に刺されることがほとんどですが、それ以外の虫はどうなのでしょう?

出典:PIXTA
山で蚊と同じくらい厄介なのが「アブ」の存在。
先日、ヒートイットを持って八ヶ岳に登ってきましたが、山中で蚊やアブに刺されるメンバーが続出!アブに咬まれてしまったメンバーに早速使ってみたところ、蚊の時と同じようにかゆみがひいていきました。

暑い夏、足を出しているメンバーが多い山行だったため、ヒートイットが大活躍!ショートパンツスタイルのハイカーにこそぜひお勧めしたいアイテムだと思いました。
今回試してみたのは蚊とアブだけですが、ミツバチやスズメバチに刺されたことによる痛みにも対応するそう。
ちなみに、スマートフォンをフル充電した状態で、最大1,000回の使用できます。処置は数秒なので、バッテリーも消耗と言えるほどの影響はなさそうです。また、スマートフォンの電波が入らない場所でも使えます。
効果がない場合も!使用時の注意点

デバイス自体の充電不要で薬品も不使用。スマートフォン一台あればすぐに対応可能で超コンパクト。いいことずくめのヒートイットですが、もちろん注意点もありました。以下の点に気をつけて使用するようにしましょう。
ヒスタミン由来のかゆみ以外には効果なし
ヒスタミンを分解することでかゆみを抑える仕組み上、蜂など刺された後のかゆみとは別の毒素を分解できるわけではありません。
適切な医療処置を施すようにしましょう。
敏感肌には不向き
敏感な方用のモードがありますが、そこそこの熱さになるため肌の敏感度によっては合わないこともあると感じました。
また、対象年齢は4歳以上です。子どもは皮膚が薄く火傷の可能性もあるため、異常を感じたら直ちに使用をやめましょう。
外皮以外の箇所や損傷部分には使用NG
外皮専用に設計されているため、日焼けや擦りむきなどの外傷部分や爪の上、目、粘膜などは使用NGです。また、湿った肌や軟膏、クリーム、ジェルなどを塗ったことのある肌には使用NGとのこと。
これはアウトドアで使えるぞ!

登山中に何度もヒートイットを押し当てていたメンバーは、ジョークで「根性焼きしよ〜っ♪」と言っていましたが、その実力はまさにホンモノ!
よく虫に刺される体質の方!ショートパンツスタイルで山に行く方!外遊びが大好きな子を持つパパママ!いつでもどこでも気軽に持ち歩ける「ヒートイット」を、ぜひ試してみてくださいね。
heat it(虫さされ対策機器)
サイズ | 17×38×8mm (保護キャップ含む) |
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重量 | 5g |
互換性(ヒートイット for iPhone) | Lightningコネクタを搭載したiPhone 6から最新モデル(iPhone 14)まで対応。Apple MFi認証により、最高の機能性と安全性が保証。 |
互換性(ヒートイットfor Androi) | USB-C ポートを備えた Android スマートフォンで動作。Micro-USB接続のスマートフォンには対応なし。 ヒートイットfor Androidは、システム固有の部品のため、「USB-C to Lightningアダプタ」を使用してもApple社のiPhoneやiPadには対応不可。 |