しまった!靴の中に泥水が……

悪天候の日やジメジメと水の溜まったところを歩いているときに、うっかり泥水の深みにはまってしまったこと、ありませんか?
「GORE-TEXの靴だから安心」と思ったら意外にも深く、履き口から靴の中に水が!帰ってから乾かしたけれど、内側が汚いし臭う……。
水で濡れなくても、汗をかいた靴の中は意外と湿っていますよね。毎回乾かしてはいるけれど、なんだか不快に感じてしまうことも。特に長期の山行の後などは、臭いが気になることがあります。
でも、GORE-TEXを用いた登山靴は丸洗いNGって本当?

「GORE-TEXを使用した靴は、内側に水を入れて洗ってはいけない」って聞いたことはありませんか?
登山靴をはじめとしたギアのお手入れについて、各メーカーが公式サイトで紹介していますよね。ところが調べてみても、どこも外側のお手入れ方法しか書いていないのです。「内側はよく乾かす」ということだけ。なんだかモヤモヤ……どうするのが正解でしょうか。
ということで、直接ゴア社に聞いてみることにしました!
ゴア社に聞いてみた!登山靴の内側、どうやってお手入れすれば良いですか?

教えてくれたのは、日本ゴア社・GORE-TEXブランド マーケティングの伊藤さんです。
山下
ゴアテックスを採用したシューズは、丸洗いNGと聞いたことがあります。
本当のところ、どうなのでしょう?
内側を含め、水洗いで洗浄しても良いのでしょうか?
ゴア社 伊藤さん
お手持ちのシューズに使われている部材が水洗いOKでしたら、洗っても大丈夫です
山下
洗っても大丈夫なんですか!
ダメだと思い込んでいました。
ゴア社 伊藤さん
GORE-TEXシューズと言っても、アッパー材をはじめとして様々な部材が使われており、いろいろな種類があります。洗えないものもありますので、 必ずお手持ちのシューズの取扱説明書をご確認ください。
素材によりダメなものもあるけれど、基本的には丸洗いしても大丈夫。なんともあっさりと答えが出ました。洗うときの注意点や推奨する洗い方を教えていただきましたので、詳しく解説します!
登山靴の内と外、正しいお手入れ方法

①靴紐を外し、可能であれば中敷きも取り出します。
※プラスチックインソールなどの硬いものや鋭利なものは、メンブレン(防水膜)を傷める可能性があるため、取り扱いにご注意ください。

②靴を逆さにして、中に入った砂や小石を落とし出します。

③ソールに詰まった石を取り除き、付着した泥汚れなどを大まかに払い落しておきます。

④表面の泥汚れなどはブラシで落としておきます。
あまり強くこすらないようにしましょう。

⑤少量の液体洗剤をぬるま湯に溶かし、柔らかい布やスポンジなどで洗い、その後よくすすぎます。
洗剤は液体の中性洗剤がおすすめ。粉末や固形タイプを使用する場合は、溶け残りの石鹸が付着しないよう、しっかりと水に溶かしてから使いましょう。
※漂白剤、シミ抜き剤はアッパー材に影響を与える可能性があります。泥、油、その他汚れの種類に関わらず、シミ抜きを行う場合には、必ず靴メーカーに確認してください。

⑥タオルで優しくおさえるように、表面の水分を拭きとります。内側も同じように拭きましょう。

⑦直射日光の当たらない、風通しの良いところでしっかり乾かします。
ゴアテックスのレインウェアなどは、熱を加えて仕上げた方が良いとされています。しかしシューズは、使用している部材により、熱による変形・変色などの可能性があります。直接熱を加えることは避けましょう。

ただし、シューズ用の乾燥機の使用はOKです。
⑧しっかりと乾燥させた後に水性の撥水剤をスプレーして仕上げましょう。
撥水効果と汚れ防止の効果が期待できます。市販の消臭スプレーの使用も可能です。
※シリコン系の撥水剤や撥水ワックスは、製品の透湿性に影響を与える可能性があるため避けましょう。
ゴアテックスシューズを長く愛用するための秘訣は?
山下
ゴアテックスフットウェアのお手入れは、どのくらいの頻度で行うのが適切でしょうか。
ゴア社 伊藤さん
こまめに行っていただくことが大切です。
山下
毎回水洗いした方が良いですか?
ゴア社 伊藤さん
外側についた泥を落とし、中に入った砂や小石など取り除くだけでも大丈夫です。
防水の膜が入っているため、外側に水をかけて流すだけでも汚れが落ちやすく、また乾きも速いですよ。
山下
頻繁に水洗いをしても、機能を損ねることはありませんか?
ゴア社 伊藤さん
こまめに洗って、砂や泥などを落とした方が、むしろ製品の機能が発揮されます。
インソールの下に入る砂や小石でメンブレン(防水膜)を傷つける可能性もありますので、億劫がらずに取り除くことが重要です。
また、用途に合ったシューズを正しく使うことで、機能をしっかりと活かしながら長く使用できることにつながります。
気持ちも靴も、スッキリ!

今まで内側は洗ってはいけないと思い込んで、丸洗いするのを我慢していたゴアテックスの登山靴。汚れを落とすことで、かえって機能が維持されるとわかって、気持ちも靴もスッキリしました!
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