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海・里・山を満喫!「SEA TO SUMMIT」って知ってる?

登山に行く際、みなさんはどんなルートで山頂を目指しますか?
日帰りや山小屋泊、テント泊など登山のスタイルは人それぞれですが、まずは電車やバスで登山口に向かうのが一般的ですよね。もしも、海から山頂まで自分の力だけで目指すとしたら、なんだかワクワクしませんか。
そんなアドベンチャーを1日で体感できるのが「SEA TO SUMMIT(シートゥーサミット)」です。
「カヤック×自転車×登山」で楽しむ環境スポーツイベント

「SEA TO SUMMIT」を日本語にすると、「海(SEA)から山の頂上(SUMMIT)へ」。
SEA TO SUMMITは、カヤック、自転車、登山の3つのアクティビティによって、海・里・山をつなぐ環境スポーツイベントです。「自然の循環に思いを巡らせ、かけがえのない自然について考えよう」という趣旨のもと、人力のみでゴールを目指します。
モンベルと地方自治体の協働により、2009年から開催されているこのイベント。年々その規模は拡大し、2022年は全国12ヶ所で大会が行われます。リピーターも多く、全国の大会を巡っている方もいるそうですよ。
今回参加したのは、愛媛で開催の「石鎚 西条大会」


スタートからフィニッシュまでの総距離は約28km、標高差は808m。瀬戸内海に面した「休暇村 瀬戸内東予」をスタートし、石鎚山の西の遥拝所「星ヶ森」を目指します。

ゴール地点の星ヶ森は、お遍路の60番札所である横峰寺の奥之院にあります。ここは西日本最高峰の石鎚山を望む絶景ポイントとしても知られる場所。豊かな自然とともに、四国遍路の歴史を感じることができるコースです。
ココが楽しい!「SEA TO SUMMIT」の魅力って?
大会の模様をお伝えする前に、「SEA TO SUMMIT」にはどんな魅力があるのか、4つのポイントで紹介します。海から山へ!大自然を1日で満喫
SEA TO SUMMITは、「海・里・山」の自然の魅力を一度に感じることができるイベント。
普段私たちはそれぞれを別の場所として捉えていますが、自然の中では全て循環しつながっています(海から発生した水蒸気が雨となって山に降り、川になって森や里を潤し、また海へと還っていく)。
自然を丸ごと体感するからこそ、それぞれのつながりを感じ、より深く自然とふれ合う機会になりますね。
順位は競わない!参加者全員で楽しむ一体感

速く進むことが重要なのでなく、自然そのものの魅力や大切さに気づくことが大切。だからこそ、大会中も参加者同士で声をかけ合い、みんなで楽しもうという雰囲気がありました。
「私はそんなに速く進めないから」なんて心配は無用です。

初めてでも安心!カヤックや自転車はレンタルOK
「カヤックや自転車は持っていないのだけど……」という方も安心してください。
SEA TO SUMMITでは、それぞれレンタル品が用意されている大会があるので、カヤックや自転車がない方でも参加が可能。
また、3つのアクティビティのレベルや距離は大会ごとに異なるので、初心者の方でも自分のレベルに合わせて選ぶことができます。
登山に限らずさまざまな自然のフィールドを楽しんでみたいと思っている方、SEA TO SUMMITはそのきっかけを提供してくれますよ。
大会以外の楽しみも?地域の魅力を満喫しよう

大会をきっかけにして、日本各地の魅力に触れることができるのも楽しいですね。
いよいよ本番!大会の様子をレポート

さて、ここからはいよいよ大会の模様をお伝えしていきます。
大会の進行スケジュールは以下の通り。
①カヤック【約5km】:休暇村瀬戸内東予〜高須公園
②自転車【約13km】:高須公園〜モンベルアウトドアオアシス石鎚店
③登山【約10km】:モンベルアウトドアオアシス石鎚店〜星ヶ森
【①カヤック編】大会スタート!美しい瀬戸内海から始まる冒険の旅へ
選手の集合は朝6:30。カヤックの準備を終えたら、選手全員が集まり開会式が行われました。
参加者代表の3名による選手宣誓やモンベルの辰野会長による笛の演奏などもあり、参加者の気持ちも高まっていきます。


ウエーブ方式で続々とスタートしていく様子は、ちょっとしたお祭り状態。カラフルなカヤックやSUPが一斉に進む光景に気分も盛り上がります。


海上区間を無事に終えてカヤックのゴールに到着。5kmという距離は思った以上に長く疲れはありましたが、心地よい達成感とともに終えることができました。


【②自転車編】風を切る感覚が気持ちいい!田園風景の町並みを駆け抜けよう

序盤は田園風景の間を抜けていく道が多いので、視覚的にも気持ちの良い時間が続きました。


ここでは、ゼリー飲料やパン、炊き込みご飯など、さらに充実した飲食スペースが準備されていました。この後の登山区間に向け、しっかりとエネルギーをチャージ!
【③登山編】フィニッシュまであと少し!大会の最高地点「星ヶ森」へ




いよいよ終盤になると、四国遍路60番札所である横峰寺に到着。ここを越えるとゴールまではあと少しです。



「環境シンポジウム」も欠かせない!自然について考える機会に

SEA TO SUMMITの中で、本番のアクティビティとともに重要なのが大会前日に実施される「環境シンポジウム」。「人と自然の共生」をテーマに、毎回多彩なゲストが参加しています。
今回の「石鎚 西条大会」では、特定非営利活動法人 西条自然学校の光澤安衣子さんによる「海洋プラスチックごみ」についての講演が行われました。参加者の関心も高く、みなさんとても真剣に聴講されているのが印象的でした。
自然環境について考え、学ぶことができるプログラムが組み込まれているのも、SEA TO SUMMITの大きな特徴ですね。
自然を丸ごと体感!「SEA TO SUMMIT」に参加してみよう

普段は登山を中心に楽しんでいる筆者ですが、今回カヤックや自転車を組み合わせることで、いつもとは違った自然の魅力を知ることができました。
「自然環境について考える」というと少し難しく感じてしまいますが、まずはアクティビティを通して体験してみることで、新たな発見があるかもしれませんよ。

SEA TO SUMMIT 公式サイト