創業者が超長距離ハイカーのアウトドアブランド「バーゴ」
バーゴは2002年にアメリカで創業し、チタン製のギアを多く生み出してきたアウトドアブランド。
創業者のブライアン・バーゴ氏自身がかなりの長距離ハイカーで、2018年までに歩いてきた距離は3,468km。なんと日本の本州に換算すると往復分以上に!
そんな彼の豊富な経験も活かして生み出される製品は、シンプルな構造ながら丈夫で軽量なギアが多く、バックパッカーからウルトラライトハイカー、登山者まで幅広い人から支持を集めている人気のアウトドアブランドなのです。
価格 | ¥5,060(税込み) |
サイズ | D57×H32mm |
重量 | 34g |
素材 | チタン |
タンク容量 | 59ml |
燃焼時間 | アルコール:約20分 |
横にある小さな穴から気化したアルコールが吹き出して燃焼する仕組みになっていて、満タンに燃料を入れた場合の燃焼時間は約20分。カップ2杯分の水を5〜6分で沸騰させることができます。
実際に燃焼させた様子がこちら。
燃料は一般的なアルコールストーブと同じく、燃料用アルコールを使用します。こちらはドラッグストアで500ml 300円ほどで購入可能。
合わせて携帯用のボトルも準備できるとさらに便利。100円ショップでも購入可能ですが、バーゴから出ている「アルコールフューエルボトル」もオススメです。口が注ぎやすく、ボディにはメモリも付いているため、入れすぎてこぼしてしまうような失敗を防ぐことができます。

詳しい使い方はこちら
使ってわかった、デカゴンストーブのここがいい!
すでに多くの人からその優秀さが認められているデカゴンストーブですが、どんなところが魅力なのか?実際に使ってみて感じたその良さをご紹介します!
とにかく軽い!そして頑丈!
デカゴンストーブを使ってみて感じるのは、やはりものすごい「軽い」ということ。一般的なステンレスを使ったアルコールバーナーであれば100g以上あるものが多いですが、この商品は34gとその3分の1ほど。燃料を100ml持っていったとしても130gほどにしかなりません。この軽さは軽量化を目指したい登山ではかなり嬉しいポイントです。
そして、メーカーが「絶対壊れないストーブを作る」ことをコンセプトに開発されただけあって、とにかく頑丈。力を込めればさすがにベースのところが若干たわみますが、チタンの弾力性でしなやかにもどります。バーゴ社の社内テストではなんと車で踏みつけてみたらしいですが、それでもびくともしなかったという驚きの結果も。
このおかげで、パッキングにそこまで気を使わなくてよく、空いたスペースにサッと入れ込むような収納も可能。
「軽さ」と「頑丈さ」という、まさに登山ギアに欲しい要素を併せ持っているのがこのデカゴンストーブなのです。
五徳不要で荷物が最小限に!
さらに嬉しいのが五徳が不要という点。一般的なアルコールバーナーは基本的に五徳を用意し、その上にコッヘルを乗せて使いますが、デカゴンストーブなら五徳は不要、直接コッヘルを載せることができてしまうんです。五徳を持って行かなくて良いので、パッキングの量も減らせますね。
しかもベースが広がったデザインのため、しっかりと地面に置くことができて安定感も抜群。安心してコッヘルを載せることが可能です。
工夫次第でスタッキングもコンパクトに
底に広がったデザインのため、ややスタッキングが難しいと思われがちですが、それも工夫次第。私は念の為ガスバーナーも持っていくことが多いのですが、その場合は縦長のコッヘルにガス缶、バーナーを入れたところに逆さまにデカゴンストーブを収納すれば無駄な空間も最小限にできます。
さらにコンパクトにしたい時は小さめのコッヘルに逆さまにいれるのもいいですし、かんたんなネットに入れてパッキングするのもよし。頑丈なため、多少雑に収納しても変形の心配が少ないのも嬉しいポイントです。
実際に使ってみた
頑丈さ、軽さではかなり優秀とわかってきましたが、フィールドでの使用感はどうなのか?実際に湯沸かし、炊飯、簡単な調理の3つをおこなってチェックしてみました。
湯沸かし⇒想定以上のスピードで沸騰!
200mlの水を下記の条件で沸かしてみました。
- ・気温:18度
- ・水の温度、量:20℃、200ml
- ・風:無風
結果4分12秒で沸騰!他のアルコールストーブでは10分ほどかかった経験もあったため、かなり早い印象を受けました。もちろん気温・気候が異なるため単純な比較はできませんが、グラグラとしっかり沸騰したお湯からはデカゴンバーナーの強い火力を感じました。
炊飯⇒美味しく炊けた一方でコツも必要
続いてメスティンを使って0.5合の米の炊飯に挑戦。お米はあらかじめ30分浸水させておき、15分ほど燃焼するよう燃料は50ml入れて火にかけました。
5分ほどで早くも沸騰し、グツグツと吹きこぼれ始めます。通常の炊飯ではここで弱火にしますが、デカゴンストーブには火力調整の機能はないため、手動で火を遠ざけました。5分ほどこのまま待つと火も落ち着いてくるため、このあとはストーブの上に置いて更に5分ほど放置。火が消えたら逆さまにして20分ほど保温して蒸らして完成です。その結果は‥
無事炊飯に成功!芯までしっかり火が通り、ふっくらしたお米が炊きあがりました。若干コゲはあるものの、剥がして美味しく食べられる範囲でした。
ただバーナー自体で火力調整ができないため、手動で火を遠ざけるという手間も発生。ここはアルコールの量を調整することで火力も調整することが可能ですが、外気温も考慮してその量を見極めるのはやや難しそう。よって炊飯自体は問題なく可能な範囲ですが、火力調整がついているバーナーよりはやや手間がかかってくると言えそうです。
ソーセージ(加熱処理済みのもの)
最後にコンビニでも買える熱加工処理済みのソーセージをフライパン型のコッヘルで温めます。
こちらは何の問題もなく4分ほどで完成!火力には申し分なく、外はパリッと中はジューシーな最高の仕上がりになりました。疲れた山行のあとに食べたら最高ですね。
もっと使いこなすためのポイント
実際に使ってみて、ここは覚えておいたほうがいいなという点もいくつか出てきたため紹介します。
①燃料は満タンまでしっかり注入
チタンは頑丈で軽量というメリットがある一方で、熱伝導率が低いため本体がなかなか温まらず、本燃焼まで時間がかかるという難点がありますが、それはデカゴンストーブも同様。
燃料を中途半端に入れてしまうといつまでも種火のままになってしまうため、しっかり満タンまで(上写真の赤枠まで)入れて本燃焼を待つことがポイントです。
燃料が余ってしまったらしっかり冷やした後ボトルに戻してOK。
周囲のミゾの部分を利用すれば意外とかんたんにボトルに戻すことができるので、ケチらずたっぷり燃料を補給するようにしましょう。
②燃料効率を意識するなら底が広めのコッヘルがオススメ
デカゴンストーブは本体の横から炎が吹き出す仕組みのため、底が狭いコッヘルだと炎が横から逃げてしまい、燃焼がやや非効率になることが。
フライパン形状などの底の広いコッヘルであれば全面に炎が当たるため、燃焼効率を意識したい場合は少し広めのコッヘルやフライパンを使うのがおすすめです。
ただ多少燃焼効率が悪いといっても底の狭いコッヘルでも沸騰させるには問題なく、むしろ炎がコッヘルを包み込んで早く沸騰させてくれるというメリットもあるため、実際に使ってみて気になったら広いもので試してみるくらいでも良いかなと感じています。
③風が弱い日でも防風は持参
これはアルコールバーナー全般に言えることですが、ほんのささやかなでも風でも炎が流され、燃焼効率が一気に低下してしまいます。
風防を使えば炎が安定し効率的に熱を伝えられるため、風が強くないと予測される日でもできる限り風防を持参することをおすすめします。
デカゴンストーブで気軽にアルコールストーブを楽しもう!
「軽さ」と「頑丈さ」という圧倒的なメリットがあるこのデカゴンバーナー。簡単には火力の調整ができない、本燃焼までやや時間がかかるなど若干のクセもあるギアではありますが、そんなクセを乗り越えることも山の醍醐味の一つ!
是非デカゴンストーブを使いこなして、より濃密な山時間を楽しんでみてください!
今回ご紹介した商品
ケンエー|燃料用アルコール
含有量:メタノール76.6%/エタノール21.4%/イソプロパノール0.3%